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2026年5月16日 (土)

しまちゅう

来週の展覧会は島田忠幸。20日(水)からです。

みんなは「しまちゅう」と呼んでいる。

島忠は展示が重なっていて忙しい。今、新潟の池田記念美術館で個展開催中。美術館の庭を「動物園」にして、等身大の動物たちを配置している。新幹線に乗って見に行った人もけっこう居るみたいだ。これは5月31日(日)まで。我孫子では「我孫子アートな散歩道」というグループ展を開催中。島忠は企画をしている。こちらは6月7日(日)まで。

島忠は、今はアルミで動物を作っているが、その昔は抽象彫刻を作っていた。有名なものでは、3m~4m四方の立方体を鉄板で作る。その表面に砂を貼りつける。どこから見ても砂でできた巨大な立方体になる。これを見たのは今から40年以上前かなあ。わたしは度肝を抜かれた。

今回の個展では抽象の小品を数十点並べる予定だ。

彼は今回の個展に「本気で造形を楽しむ島忠」などというふざけたタイトルをつけた。そこでわたしも英語のタイトルを「SHIMACHU is modeling sculptures joyfully」とふざけてみた。

続けてO・ヘンリーを読んでいるが「緑のドア」が気に入った。

ルドルフはニューヨークの街を歩いていた。歩いているとガラスの陳列ケースに人間の歯がかたかた動いていた。歯科医院のだった。黒人の大男がチラシの券を配っていた。いつもなら受け取らないのだが、つい受け取ってしまった。券を見ると「The Green Door」と書いてある。大男は他の通行人にも券を配っていたが、みんなそれをポイと捨てている。ルドルフはその券を拾って見てみると、そこには歯科医院の宣伝文句が書いてあった。ルドルフはもう一度その男の前をなにげなく通り過ぎて、再び券を受け取った。そこには歯科医院の宣伝ではなく、ただ「The Green Door」の文字が書かれてあるだけだった。

ルドルフは歯科医院の隣のビルに入っていった。階段を上がると、緑のドアがあった。ノックをしてみると、中から若い女が出て来たのだが、かなりやつれていて倒れかかった。彼は助け起こして椅子に座らせた。女は

「もう3日もなにも食べてないんです」

と言う。彼は慌てて出ていき食料を買ってきて彼女に食べさせる。職を失って困っているのだった。女は

「あの…」

と言って何故彼が来たのか聞きたがったが、彼はドアを間違っただけだと言い、

「また来るから」

と部屋を出た。

ルドルフはさっきの黒人に

「言ってもらおうか。なぜ僕にこの券を持たせた。これは何だ」

それは劇場の宣伝なのだった。近くに劇場があったのだ。本日の演目は『緑のドア』。

「いい芝居だそうなんで。ここで歯医者のチラシを配っていたら、どうせならこっちも頼むって一ドルくれたんで、芝居のも混ぜて配ってます。歯医者の、一枚あげましょうか?」

ステップスギャラリーのドアは、来週は緑色に塗られているだろう。そしてドアを開けると、疲れ切ったおじさんが出てきて

「ずっと何も食べていないんだ。作品を買ってくれ」

と言うだろう。

嘘だと思ったら、来てみるんだな。

 

 

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