指を切る
先週のことだが、作品を作っているときに指を切るけがをした。作品に貼ったマスキングテープを切り抜く時に、当てていた定規からカッターの刃が滑り出してしまい左手の人差し指の先を直撃したのだ。血が出た。軽い傷ならすぐ止まるのだが、刃が深くまで入ったようで止まらない。ぽたぽた落ちて来る。バンドエイドを何重にも貼ったのだが、それでも血が滲みだしてくる。
心が折れる。意気消沈。山形弁で言うところの「がおる」である。
疲れて集中力が切れていたのだろう。気をつけないといけない。工場などに掲示してある「安全第一」という看板が目に浮かんだ。
やる気を完全にそがれてしまったので制作はしばらくできないな。
本を読むくらいしかやることがない。
李龍徳の『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』を読み進める。この作品は2020年に発表された。近未来を描いているのだが、近未来といっても50年とか100年先のことではなく、5年後かせいぜい10年後のことを書いている。
日本初の女性総理大臣は極右だった。極右の政党が勢いづく。排外主義がはびこり、ヘイトクライムが蔓延する。書き出しはこんなふうだ。
「排外主義者たちの夢は叶った。
特別永住者の制度は廃止された。外国人への生活保護給付が明確に違法となった。公的文書での通名使用は禁止となった。ヘイトスピーチ解消法もまた廃され、高等学校の教科書からも「従軍慰安婦」や「強制連行」や「関東大震災朝鮮人虐殺事件」などの記述が消えた。パチンコ店は風営法改正により、韓国料理や韓国食品店などは連日続く嫌がらせにより、多くが廃業に追い込まれた。両国の駐在大使がそれぞれ召還されてから現在に至る。世論調査によると、韓国に悪感情を持つ日本国民は九割に近い。」
近未来と言っても、現在の日本とあまり違わないところが怖い。
在日2世の若者を中心に繰り広げられる展開がスリリングだ。李龍徳(イ・ヨンドク)は在日韓国人三世。
話はものすごく面白いけど、内容は重い。
本をもう一冊買っておく。
西村賢太 『一小説書きの日乗』(角川文庫)
先週、長谷見さんが来廊した。今年の秋、沖縄の首里城が公開されるとのことだった。長谷見さんは首里城再建チームのメンバーで、沖縄に何回も行っていて忙しそうだ。
さて、今週も On the Steps 展、がんばっていこうかな。
| 固定リンク


コメント