地獄でビール
昔の缶コーヒーのテレビコマーシャルで気にいっていたものがある。もう20年前?30年前かな。覚えている人はいるだろうか。
地獄で鞭打たれながら強制労働させられている青年がいる。灼熱地獄でもあり、ヘロヘロで死にそうである。もう死んでいるけど。そこに天からの差し入れなのだろうか、一本の冷たい缶コーヒーが目の前に届く。青年は缶コーヒーを飲み、思わず叫ぶ。
「地獄だいすき!」
いやー、好きだったなあこのコマーシャル。
缶コーヒーでここまで感動はしないかもしれないが、これが生ビールだったらどうだろうか。「地獄大好き!」と口走ってしまいそうにならないだろうか。ビールの力は大きい。
もう亡くなってしまったが、作家の新里陽一はお酒が大好きだった。やめられない。アル中だよね、とみんなに言われていた。わたしの知っているアルコール依存症の人は、アルコールならなんでも飲む。選り好みしない。みりんも飲んでしまう。それが依存症というものだ。しかし、新里陽一はビールを選ぶ。彼はキリンの一番搾りしか飲まないのだ。アル中と言っていいものかどうか迷う。
来週のステップスは石倉仁一郎展である。彼は作品を宅配便で送ってきたが、続いてビールも注文したのが届いた。サッポロである。石倉さんはサッポロしか飲まない。来週の個展初日は簡単なパーティーをやるだろう。サッポロビールがサービスされるはずだ。
みなさんお酒の好みはいろいろで、ギャラリーでは、そういう面倒なことにかかわっていられない。
わたしはヴァイツェンビールが好きだ。今度またドイツに行くことがあったら、ウテさんとヴァイツェンビールを飲みたい。ドイツのビールは美味しいと思っているのだが、ベルリンに住んでいる川辺美咲は、日本のビールは美味しい!と言う。みんないろいろだね。
ウテさんと山形田に行った時に、誰かが、日本酒を薦めた。彼女は日本酒が大好きである。しかし、ウテさんは、何を言ってるの!いきなり日本酒は飲まないわよ。まずビールでしょう!と言う。日本人が言うところの「とりあえずビール」なのである。「ケンコバのほろ酔いビジホ泊」でケンコバ言うところの「のどを湿らす」であるな。みんな流儀があるのだ。
わたしはビールならなんでも飲むが、いちばん好きなのはプレモルである。プレミアムモルツである。で、次にスーパードライ、その次がサッポロだな。一番搾りも飲むが、好んで飲むというわけでもない。ちょっと高級感のあるエビスビールはどうか。なぜかわたしはそこまでエビスが飲みたいとは思わないのだ。
わたしはアルコールに弱い。缶ビール一本飲み切るのがやっとである。それにもかかわらず毎晩缶ビールを飲む。風呂から上がって、食事前に一口飲むビールがたまらない。ビールがこんなに美味しく感じるのは、世の中が地獄だからかも知れない。
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