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2024年9月16日 (月)

モナリザの眉

「『モナリザ』が謎めいて見える理由のひとつは、眉毛がないからだ。」

ビル・ブライソンの『人体大全』が楽しい。

ヒトの眉毛や睫毛は何のためにあるのか。埃や汗を避けるためだとか言われているがたぶん違う。われわれは眉毛や睫毛に実際助けられてはいない。眉毛は、感情を伝えるためにあるそうだ。睫毛は長いほうが美しく見える。

マルセル・デュシャンは「モナリザ」に髭を描き加えたが、眉毛を描き込むべきだった。残念!

眉毛がないと謎めいて見えるなら、私も剃ったらミステリアスに見えるかもと思って剃ったら失敗する。あれは「モナリザ」だから謎めいて見えるのであって、あなたが剃ったら、「謎めく」のではなく、単なる「ナゾ」になってしまうだろう。

「スプーン一杯のヒトの血液には約250億個の赤血球が含まれている。その250億個のそれぞれに25万個のヘモグロビン分子が入っている。」

人体に関する基礎的な知識を教えてくれるが、これが面白くてたまらない。

「視覚入力があるたびに、わずかだがそれとわかるだけの時間-約200ミリ秒、つまり5分の1秒-をかけて、情報が視神経を通って脳に伝わり、処理と解釈が行われる。5分の1秒は、すばやい対応が必要なときにはささいな時間とはいえない-たとえば、迫りくる車をよけるときや、頭への一撃から逃げるとき。このわずかな遅れにうまく対応できるよう、脳は実にすばらしい手助けをしてくれる。絶えず今から5分の1秒後に世界がどうなるかを予測し、それを現在として提示するのだ。つまり、今この瞬間も、わたしたちはありのままの世界を見てはおらず、ほんのわずかだけ未来にあるはずの世界を見ている。言い換えれば、わたしたちはまだ存在していない世界を生きながら、一生を送るのだ。」

まだ途中なのだがバラエティーに富んだ内容がいっぱいである。糖尿病についての記述は、わたしが1型糖尿病なので、興味深かった。普通の糖尿病(2型)は生活習慣病なので、現代ではその患者は驚くほど増えている。ところが生活習慣と関係がない1型糖尿病も同じように増えているそうだ。原因はわかっていない。

今、田中啓一郎くんがギャラリーの壁塗りを完了したところである。壁が美しくなった。これでしばらくは壁塗りはしなくて大丈夫だな。

明日と明後日で作品の搬入も終わる予定である。

昨日、マッサージのあと、本を2冊買った。

佐藤泰志 『きみの鳥はうたえる』(河出文庫)

佐藤泰志 『そこのみにて光輝く』(河出文庫)

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