時は過ぎゆく
田山花袋の小説に『時は過ぎゆく』というのがあるが、この小説のタイトルは、そのまま花袋の小説全体の主題でもある。『温泉めぐり』は日本各地の温泉についての本であるが、ここにも花袋の「時は過ぎゆく』の感じがあふれている。
「この西長岡のさびしい温泉場は、思索の地として ー ある思想に深い接触を始めた最初の地として、私のために、どれほど役立ったか知れなかった。私は其処で始めて「無窮」ということに触れた。三千年前にも私が生きており、三千年後にも私がやはり生きているということを私は其処で考えた。非常に「重荷」であった「時」というものに対する解脱の第一歩を私はその静かな三階の一間で得た。」
この本を山形に行くときにもって行こうかと考えていたのだが、やめた。全国各地の温泉場について書いてあるのだが、山形の温泉についてはほとんど言及していないからである。
ほかになにか本が必要と考えてこの2冊を買ってみた。
林哲夫編 『喫茶店文学傑作選』(中公文庫)
コナン・ドイル 『ササッサ谷の怪』(中公文庫)
しかし、やはり何かがしっくりこない。で、仕方なく、半藤一利の『B面昭和史』(平凡社ライブラリー)を持っていくことにした。これは持ち歩くにはかなり重いのだが、しょうがないな。
8月13日(火)
横浜のアトリエ・K。グループ展。5時ごろ行ったのだが、パーティーをやっていた。永野のり子は小品を5点出していた。新作である。この作品は、ステップスの11月の個展でも並べる予定。
パーティーを途中で抜けて永野と元町のイタリアンレストランへ。和田弥生さんもいっしょに。ビール、ワイン、ピザ、スパゲティなどで賑やかに。平日なのに予約でいっぱいだった。和田さんは、和田守弘の奥さん。守弘さんは亡くなってしまったが、弥生さんはご主人の作品を今もいろいろなところで紹介している。和田氏の大作が、今度、横浜美術館に収蔵されることになったそうである。めでたし。和田守弘は、永野の高校時代の恩師である。
8月14日(水)
ギャラリーの事務室の掃除とワックスがけ。
作品作りも続行。
8月15日(木)
事務所のワックスが乾いたので、テーブルや荷物を戻す。
作品作り続行。
8月16日(金)
台風が来るというので、家から一歩も外に出ないでテレビを観たりしながらだらだらする。台風は逸れたみたいで、なんということもなかった。
8月17日(土)
ギャラリー。9月の展覧会の案内状の封入作業。
作品制作。
8月18日(日)
マッサージ。毎週来ないと、わたしの身体はもたないのである。
8月19日(月)
今日は案内状を発送する。
作品も作る。もうすぐ4点が完成しそうである。
明日は眼科で診察。明後日から山形へ。上ノ山温泉と月山に行く予定。
4週間の休みを取っていたのに、もう半分が過ぎてしまった。
時は過ぎゆく。
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