動けない
ギャラリーに来てから、何もしていない。なにもできないのである。疲れている。昨晩はトイレに2回起きて睡眠を中断したが、途切れ途切れの睡眠時間は、合計すると、それでも8時間になっているので、休めているはずなのに、疲れが取れないのである。
暑いからである。何もしないのに暑いというだけで疲れる。
「生きてるだけで疲れる」
と言ったのはマルセル・デュシャンだったが、わたしは暑いだけで疲れるのである。
わたしは冬の寒さに弱い。夏の暑さで具合が悪くなったりはしないのだが、でも暑いのは勘弁してほしい。
暑いだけならなんとか我慢できるのだが、これに湿度が加わると地獄になるのである。天気予報では気温の予報はするが、湿度予報はない。湿度の予想は難しいのだろうか。湿度が重要なのに。
何もしたくないので、本を読む。石川桂郎がとてつもなくいい。こういう文章が理想的だなあ。「恐るべき作家」と帯にもある。読むと、ははあ、これは私小説だな。こんなに細かい描写は私小説にしかできない。ところがである。解説を読むと、すべてフィクションなのだそうである。奥さんを温泉に連れて行く「妻の温泉」なんて、実際には温泉に連れて行ったりしてないのだそうだ。恐ろしい作家である。
作品もやらなくちゃいけないんだけど、暑いからできない。下絵の線を板に鉛筆で引く。定規を使って引くだけなのに、長さを測ったりするのが面倒で、2本引けば動きが止まり「今日の作業は終了」ということになるのである。
明日も暑くなりそうだなあ…
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