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2024年6月14日 (金)

気になるアナウンス

「橋」と「箸」は「ハシ」と読んで同じだが、アクセントが違うので発音だけで区別がつくと知ったのは東京に出て来てからだ。山形では「橋」も「箸」も同じアクセントなので耳から聞いただけでは区別がつかない。区別がつかないのだが、日常生活で困ったことはない。アクセントという概念がなく、話し言葉は平板なのである。

JRの電車で英語のアナウンスがあると、ネイティブスピーカーが流暢にお知らせなどをしていたが、最近では日本人の乗務員がたどたどしい英語で次はどこどこ、右側のドアが開きますなどとアナウンスすることが多くなってきた。JRの社員に、英語ぐらい話せよ、と上層部が言い出したのかもしれない。電車ごとに別の乗務員がアナウンスするわけだが、どのアナウンスも全部同じに聞こえるのである。要するに「ヘタ」なのである。抑揚が無く平坦な英語なのである。乗務員が全員山形県人というわけでもないだろう。英語の指導者は、山形弁のように発音しなさいと言っているのかもしれない。

たとえば、「right side will open」というフレーズをわたしが指導するなら、カタカナで書いて、こう読みなさいと言うだろう。「ライ サイ ウィロープン」、ライとサイとローを強く発音すべし、と。しかし山形県人の発音を得意とする乗務員は、同じトーンで「らいと さいど うぃる おーぷん」と言うのだ。気になって仕方がないのだが、最近はこのままの山形発音でもいいのではないかと思い始めた。面白いから。

稲毛駅前のイオンモールでは、いろいろなお知らせをアナウンスしている。「イオン インフォメーション」と言ってから始まるのだが、この「インフォメーション」という、すでに日本語になっている言葉は、普通にインフォメーションと言えばいいのに、アナウンス担当の女性は、この一つの単語に命をかけているような発音をするのだ。わたしは英語ができるのよ、ということを、この一言だけで主張しているのである。しかし、ネイティブスピーカーに似せようとするあまり、発音が微妙にヘンなのである。カタカナで書くと「インフォメイシュン」となる。変でしょ?漢字で書くと「陰保明春」となるかもしれない。

地下鉄銀座線の銀座駅は地下にあって、出口がたくさんある。ステップスギャラリーに来るにはB2出口が便利なのであるが、この出口は階段ではなくエレベーターである。普通、エレベーターというのは出入口が一つであるが、B2のエレベーターにはドアが二つある。JRの駅ホームのエレベーターも出入り口が二つあるが、たいてい対面についている。そして、「反対側のドアが開きます」というアナウンスが流れる。しかしB2のエレベーターは対面ではなく、隣り合う二つの面にドアがある。入口と出口が違うのである。で、到着階に来るとこんなアナウンスがあるのである。

「こちら側のドアが開きます」

しかし、狭いエレベーター内ではその声はボックス中に響き渡るので、こちら側と言われてもどちら側か分からないのである。最初はいらいらしていたのだが、最近ではこれはこれでいいのではないかと思っている。面白いから。

 

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