ゲントクの書
おっと、そう来たか。
水墨画と少しだけ書の作品を出すのかなと思っていたのだが、裏をかかれた。
全部書である。
今日からゲントク展。作家は毎日ギャラリーに顔を出すが、夕方からになる。
「夢」という字と「風」という字が題である。
「風」に字は鳥の絵に見える。翼を広げている。
「夢」の草かんむりの下の四のような形は目だそうだ。夢を見る目だね。ゲントクさんはこの目をベッドに寝かせて布団をかけてあげたりして遊んでいる。
ゲントクさんは山形東高なので、卒業生の友人がたくさん来るかもしれない。
ニーチェの『悦ばしき知識』を読み始めたら、途中で止めることができなくなった。昔読み飛ばしたところもなんかじっくり読める。歳をとったのだろう。
こんな箇所はどう?
「ところで、仕事の悦びなしに働くよりはむしろ死んだがましだと思うような一風変わった人間もいる。……あらゆる種類の芸術家や瞑想家は、こういう一風変わった人間の部類にぞくするものだ。……これらの者たちはみな、仕事や辛苦を、それが悦びと結びついているかぎり、求めるし、必要なら困難このうえない極度に辛い仕事でもやろうとする。だがそうでない場合には、彼らは思い切って徹底的に物ぐさである、この物ぐさに貧乏や不名誉や健康と生命との危険などがまつわりついていようとも、問題でない。彼らは無聊(ぶりょう)よりかむしろ悦びのない仕事の方を怖れる。それどころか、彼らの仕事が成功するようになるには、多くの無聊が必要でもある。」
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