搬出と搬入
5月20日(土)
ウテさん最終日。作品搬出の前に、お客さんが集まって来たので、ビールとワインを開ける。おつまみを差し入れてくれる人も何人かあり、賑やかになってしまった。その場面だけ見たらオープニングパーティーのようである。5時から搬出なのだが、実際に搬出を始めたのは6時過ぎだった。搬入も搬出も飲みながらになった。ウテさんは、今までのわたしの展覧会のクロージングの中でいちばん楽しかった!というメールをあとでくれた。作品もぼちぼち売れたので一安心。
ウテさんとはいろんな話をしたが、なんか日本人と話すよりも話が通じる。言わなくてもわかることが多い。
わたしのStepsでの個展のタイトルは「chain breaker」というのであるが、個展の案内状を見て、ウテさんは
「チェインブレイカー… いいじゃん!」
と言う。説明しなくてもわかってくれる。
これが日本人だと、チェインブレイカーってどういう意味なの?と訊いてくる。説明してほしいと言うわけだが、説明を求める人には説明してもわからないものだ。
「分かる」というのは瞬時に理解するということなのだ。
ウテさんは、今度またドイツで日本人作家の企画をするから、もちろん参加するよね?と迫って来た。わたしは海外での作品発表は疲れ果ててしまうから、どうしようかなと思っている。今円安だし、海外に行く費用はバカにならない。日本人のグループ展ではなく、何人かの作家の連続個展をやりたいらしい。ウテさんは企画好きなのよ。
モーダ—ゾーン=ベッカーの作品が好きだと話しかけると、ウテさんはすぐに反応して、パウラは当時の美術界では女性ということで脚光を浴びたが、夫のオットー・モーダ―ゾーンの作品はもっと評価されてしかるべきだと思う、と言う。話がすぐに通じて楽しい。日本だとまずモーダ—ゾーン=ベッカーって誰?から始めないといけない。
モーダ—ゾーン=ベッカー美術館ってあるでしょ?と訊くと、ウテさんの家から遠くないという。ぜひ行ってみたい。小さな美術館だけど、とてもいい美術館だそうだ。ウテさんは絵画教室の生徒たちを連れて美術館に行ったことがあるという。美術館は観光で訪れる人が多く、みんなさっと見てさっと帰ってしまうが、ウテさん一行は2時間くらいずっと見ていたらしく、美術館の人が喜んでいたそうだ。
「マサミ、モーダ—ゾーン=ベッカー美術館行きたいんでしょ?だったら早くドイツに来るべきよ」
と、さっきの企画展には参加するわよね、と念を押される形になってしまった。
搬出が終わった一行は、みんなで蒲田でコーヒー飲もうよと出かけて行った。あとで聞いたらコーヒーではなく、中華料理屋に行ったらしい。
5月21日(日)
午前中にマッサージに行き、お昼を食べてからギャラリーへ。うのぜみ展の展示作業はすでに始まっている。
中濱君は昨日、成山さんは今朝、新幹線で東京に来た。全員大作ばかり持ってきたので、圧がかかった展示になりそうである。
作品を紹介したいのだが、写真を載せられないので、みなさん、足を運んで見に来てください。宇野さんはビール、ワイン、お茶を大量に用意しています。宇野さんと成山さんは月・土、中濱君は明日の月曜のみ在廊予定。
お待ちしています。
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