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2021年9月 7日 (火)

宮田徹也の金澤麻由子評

探し物をしよう。 金澤麻由子 2021/09/06-11 steps gallery Criticism by MIYATA Tetsuya Vol.301

金澤麻由子は関西のアーティストで、東京ではステップスギャラリーで個展を開催している。金澤はメディアアートを制作・発表すると共に、絵本も手がける。今回の個展は、ギャラリーに入って正面と右に三つ、相互作用する映像を投影した。このタイプの作品を金澤は、2014年に東京都現代美術館で発表している。今回はその進化系であると言う。右壁面の2つは画面の前で鑑賞者が立つと、画面中にも鑑賞者が現れる。鑑賞者が手を上に掲げると、影像の中には上から花弁が落ちてくる。正面の画面の前に立つと、画面中の目玉に立った者の顔が嵌め込まれる。
今年の7月に、ステップスギャッリーでトウシヨクがオンラインを意識した作品を発表した。金澤がオンラインを意識したか聞き忘れたが、私は、ここに一つの希望を持った。金澤の相互作用映像は、トウシヨクがMTGを暗く、不気味なものとして示したタイプではない。かといって、ニンテンドーWiiのようなゲームでもない。ゲームにはまず「ルール」がある。サッカーで手が使えないように、野球は九回までと、必ず限定されている。それに加えて「ジレンマのストレス」がある。ゲームは簡単では飽きてしまうし、難し過ぎるとやらない。このような仕組みは、金澤の作品には、ない。どうにでも楽しむことが可能なのだ。ここに、私は希望を見る。幹、葉、花も素敵だ。金澤は画廊右壁面に、絵本『きみのなまえ』の原画をギッチリ展示した。それは入り口のバック、事務所の壁面のパグ、事務所の机の絵本とポストカードも同様だ。ギャラリーに、金澤の森が形成された。探し物をするといい。

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