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2020年5月27日 (水)

ハツカネズミと人間

5月27日(水)

待ちに待った血糖値測定のセンサーを外す日である。診察もないので気が楽である。

消毒液を手にとって女子医大病院に入る。予定は10:30からだったが、5分ほど待つとすぐに名前を呼ばれる。2週間分の食事の記録を出す。毎日、起床時刻とか、何をしていたかとかといっしょに、何を食べたか、こと細かに記録していくのである。これが面倒くさいのである。何を食べたのかを書くときに、天ぷらはまずいだろうと思ったり、野菜が少ないとか、なにかと気を使うのである。これももう書かなくていいので嬉しい。会計に行くと、きょうは外しただけなので会計はなしだった。

嬉しいので、曙橋駅前でロースかつ定食を食べる。

曙橋から市ヶ谷まで行き、有楽町線に乗り換えて、銀座1丁目へ。東急ハンズの前を通って、まだ営業していないのを確認してからギャラリーへ。今日は作品をがんばろう。

以前から気にしていたスタインベックの本を購入。魯迅も買う。

スタインベック 『ハツカネズミと人間』 (新潮文庫)

魯迅 『阿Q正伝・狂人日記』 (岩波文庫)

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どちらも昔読んだのだが、まったく覚えていないので、また読むのである。

『ハツカネズミと人間』 は高校生のときに読んだ、同じ新潮文庫で読んだのだが、そのときはタイトルが 『ハツカネズミと人間』 ではなく、漢字を使って 『二十日鼠と人間』 だったはずである。なぜ覚えているかというと、看板を描いたからである。大きな板の立て看板にアクリル絵の具で、デザインした二十日鼠という漢字を描いたからである。その横に、山形東高校 演劇部定期公演 とも描いたのである。

山形東の演劇部の大道具を手伝ったりしていたのだが、「二十日鼠」のときは、役者としても出演したので、忘れたくても忘れられないのである。

演劇部の部長に呼び出されて、無理やり役を押し付けられたのだった。「二十日鼠」はそれほど登場人物は多くないはずだが、それでもわたしを呼び出したのは、演劇部員はかなり少なかったということなのだろう。

わたしの役は身体の曲がった黒人だった。黒人だったので、顔を黒く塗った。黒いドーランみたいなのを塗ったのだろうか。髪の毛はチリチリだ、と言われて、親戚のパーマやさんに行ってパーマをかけた。チリチリになった。ヤンキーにしては毛足が長い。

わたしのやった黒人の役って、小説の中ではどんな役だったのだろう?実はなにも覚えていないのだ。小説も、さらさらと流し読みをしたのではなかっただろうか。小説をちゃんと読まないで、演劇部の部長が書いた台本だけを読んだ。しかも自分のセリフのところだけを読んで、他の個所は読まなかった。どんな話なのかわかるはずはない。全体を把握することなく、セリフを覚えることだけに集中していた。セリフが長くて、なかなか覚えることが難しかったからだ。俳優さんとかさ、よくセリフが覚えられるものだと感心していた。

で、わたしは、自分がやった役はどんな人物だったのだろうかと気になっていて、もう一度ちゃんと読んでみようと思ったのだった。読み進むと、わたしがやった役は、クルックスという馬屋係だった。虐げられている人物である。その中で、彼が独白するシーンがあって、そこの部分が息継ぎも無いくらい長かったのだ。小説を読むと、クルックスは淡々と語る場面なのだが、わたしは思い入れが過ぎてしまい、ほとんど叫ぶようにセリフを吐き出したのだった。「青年の主張」の演説調である。今ごろになって恥ずかしくなる。

演劇をやった会場は、山形県民会館ホールという大きな会場だった。ここは、他にもいろんな施設があった。図書館もあり、わたしはここで本を読んだ。夜になると学生が読書室を占拠してみんな学業に勤しんでいたが、わたしはそれに気圧されて、落ち着かない気分を味わっていた。地下には展示用ホールがあり、東高美術部は毎年ここで「部展」をひらいたりしていた。

小説を読んで、なるほど、そういう話だったのね、とようやく納得したのだった。

県民ホールは大きな会場なので、高校生の演劇部が会場をいっぱいにできるはずもなく、会場の前の方にお客さんが詰めて坐っても4分の一にも満たなかったのではなかっただろうか。それでも、学校の友達は見に来るし、数少ない女子生徒も駆けつけていたので、わたしたちにとっては晴れ舞台だったのだ。ほかの学校の演劇部も見に来ていたと思う。山形西高の演劇部も見に来ていた。ここには渡辺えりが居たはずである。わたしが演劇部に居た頃には卒業していたが。

公演が終ったら髪型をもとに戻そうと考えていたのだが、慣れてくると、この髪型も悪く無いじゃんと感じるようになり、髪はチリチリのままにしておいた。

 

 

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