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2020年4月15日 (水)

納豆を売る少年

三日間ずっと寝ていた。

先週のコレクション展をやっている間も、なぜか眠くてしょうがなかった。身体が先に自主休業に入っていたようだ。日曜日はマッサージに行って、帰ってから夜までぐっすり寝た。夜も目が冴えるということもなく、たっぷりと寝た。月曜日は雨だったせいもあって、やはり蒲団に入ったままで過ごした。このへんな眠気はたぶんベーチェット病の発作の軽いものだろう。火曜日も同様に一日寝ていた。横になっているというのではなく、ちゃんと眠り込むのである。夜も早めに床に入った。

夢を見た。

どうも温泉街に来ているようである。野菜を売っているところがあった。野菜を並べているというのではなく、少しずつ、農家の人が持ってきて、板の台の上にドンと置いて、それを気に入った人から買っていくのである。大きな透明のビニール袋に人参や大根、トマトなどの野菜が入っている。このビニール袋は野菜の取り合わせはセットになっているので、入れ替えはできない。わたしは大根が入ったものを買おうと思ったが、大根が大きすぎるので、別の袋が来るのを待っていた。しばらくすると、小ぶりの大根と、まっ赤なトマトがいくつか入った袋が並べられたので、わたしはそれを買った。

そこから離れて、街中を歩いていると、ガード下のような変に薄暗いところがあり、ごちゃごちゃ雑然とした場所に、少年が寝ていた。横になっていたと言ったほうがいいだろうか。上半身だけ起き上がっている。ははあ、納豆を売っているんだなとわたしはピンときた。小学生にも見えるし、高校生のようでもある。暗い貧弱な表情は、つげ義春の漫画に出てきそうである。近づいてよく見ると、納豆が一つだけ毛布かなんかの上に乗せてあった。箱に入っている。羊羹くらいの大きさの紙箱に納豆が入っている。藁に包むでもなく、ビニールで覆うでもなく、箱に直接納豆が入っている。その納豆は、新鮮で美味しそうだった。そのまま食べてもかなりイケるだろう。納豆は一つしかないのだが、この少年は一日に2つ納豆を売らなければならず、1つはすでに売れてしまったので、これは残りの1つなのだ。なにも聞かなくても、わたしはそれを知っているのである。

「いくら?」

「130円です」

「じゃ、ください」

わたしは財布からお金を出す。100円玉と50円玉が何枚か、それと10円玉と1円玉がたくさん入っている。

100円玉1枚と10円玉を3枚、少年に渡す。納豆を2つ売るだけでは生活できないだろう。わたしは、財布から、数枚あった5円玉と1円玉を拾って、少年に手渡す。10円玉や100円玉もあったのにわたしはけちってそれしか渡さなかった。

「納豆を売っても、ぜんぶお金をもらえるんではないだtろう?10円か20円しかもらえないんじゃないの」

「みんな、そう言って心配してくれるんですけど、売れたら半分もらえるんです」

一日2つ売ったら130円というわけである。それでも大変だろう。

納豆の箱に蓋はついていなかったので、置いてあったラップで箱を包んで野菜の袋の中に入れた。途中で納豆が飛び出さなければいいのだが…

そこへ、親方が帰ってきて、少年に、納豆は売れたのか、と聞く。少年は、2つ売れました、と得意そうに報告するのだが、親方は、そうか…と言うだけだった。

 

変な夢である。

 

今日は3日ぶりでギャラリーに来た。

展示の片づけをしなければならないし、メールチェックや郵便物の整理もしなくてはならないのだ。

だれも来ないギャラリーであるが、バルコニーにテーブルを並べてみた。

Photo_20200415133801

ここで、みんなとお茶を飲んだり、ワインを開けたりするのは、とうぶん先のことになりそうである。

花巻の菅沼緑さんから、『まちてくギャラリー』の32号が届いている。この32号で「終わり」にするそうである。

Photo_20200415134601

こんなふうに書いてある。

「前回、31号の「後記」に意気がって、発行回数も減らさないと、見栄を切りました。実情は、それを許さない私自身の身辺で、この号で休刊とします。身の程知らずが舌の根も乾かぬうちに、前言を翻します。

しかし、「まちてくギャラリー」の展示は続けるつもりです。。ここに上げた写真は、⑨キクヤのウィンドーです。大看板の他にこうしたショーウィンドーでの展示もやっていきたいと思います。

こうした写真による、展示の数は25ヶ所になります。しかし、小さな展示では、車で通り過ぎれば、全く目にも、はいりもしないでしょう。このまちには、他に萬鉄五郎記念美術館の展覧会のポスターが、ほとんどの商店の窓や壁に貼られていて、そうした展示が溢れている、ともいえます。

そうしたことが日常になっています。

大きなインパクトはなくても、いつでもそこにあるということの強さは必ずどこかに、影響が出てくるはずだ、とおもいます。」

まちてくギャラリーの展示の様子は、緑さんのフェイスブックなどで見られるそうです。アカウント=菅沼緑(「スガヌマロク)で検索してください。

『まちてくギャラリー』が終る、ということは、評論家の萬木康博さんから電話があって知っていたのですが、こうして、実際に最終号が送られてくると、やはり寂しい気持ちになる。

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