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2019年5月20日 (月)

気持ちで描く

昨日、全孝さんの作品を展示した。わたしの手は、白い油絵具でべとべとになってしまった。絵具が乾いていないのだ。

全孝さんは、ぎりぎりまで描いていたということがわかる。

展示は3時間かかった。

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ああだこうだと考えながら作品を移動させていたら思ったよりも時間がかかってしまった。

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いつも全孝さんの作品は気迫があって圧倒されるのだが、今回はなんだか違っている。搬入作業中にすでに驚いて、驚きながら展示をした。

絵を描いている人は特にわかると思うのだが、全孝さんの抽象画は、かなりレベルの高い技術を誇っている。「うまいよねえ…」とわかる人にはわかるのだった。

「祭壇 2019 No.5」 キャンバスに油彩 116.7×91.0cm 2019 ¥300,000

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ところが今回の作品には「技術」が隠されていて見えないようになっている。いや、見えないというよりも、ないのかもしれない。技術を捨てているのではないのかと思ってしまった。技術で描いているのではなく、気持ちで描いているのである。気持ちだけで描くってこういうことかと認識させられる。技術に頼らず描いているから、その言いたいことと気持ちがストレートに伝わってくるのだろう。

「祭壇 2019 No.3」 キャンバスに油彩 116.7×116.7cm 2019 ¥320,000

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気持ちだけで描いているということが、ちゃんと伝わってくるから作品は不思議である。

「遠い日いつかいつも…白い時間 No.3-2」 キャンバスに油彩 91.0×72.7cm 2019 ¥250,000

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この作品などは、ちょっと「怖い」感じがする。

フランシス・ベイコンが、インタヴューで

「あなたはなぜ抽象画を描かないのですか」

と問われて

「抽象画では恐怖を表現することができないからです」

と答えていたのを憶えているが、

佐藤全孝の作品は、恐怖を表現した抽象画の稀な例として数えられるかもしれない…などと思ってしまった。

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「祭壇 2019 No.8」 キャンバスに油彩 72.7×91.0cm 2019 ¥250,000

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佐藤全孝の「捨て方」を見に来てほしい。

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