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2017年8月24日 (木)

ブレーメンの美術隊②

8月7日(月)

今日はブレーメンからアガーテンブルグまで移動。電車で2時間ほどらしい。

ウテさんと勝又さんは作品を積んだ車で。残りのメンバーは電車なのであるが、小川さとし君がいるから安心である。小川君はハノーファーの大学に留学していたので、ドイツ語が出来るのである。

ゲストハウスからブレーメンの駅までバスで。バスに乗るだけでもわれわれは小川君に頼りきりである。

ブレーメンの駅から、ハンブルグハーブルクという駅へ。ここで乗り換え。

駅のホームに休憩所のような部屋があった。

Photo

小川君の解説では、これは休憩所ではなく、「作品」であるとのこと。この建物は仮設で、微かに音が流れている、サウンドインスタレーションらしい。

1時間遅れでアガーテンブルグに到着。

ベッティーナさんが車で迎えに来てくれている。

ベッティーナさんはアガーテンブルグ城のディレクター。みんなのお世話をしてくれる。

アガーテンブルグ城

Photo_2

お城っぽくないが、これは王様の別荘だったところだそうである。16世紀に建てられた。

会場を下見。今日は移動だけの日のはずなのだが、みんな会場を見てしまうと、勝手に設営を始めてしまう。ブレーメンの美術隊だからしかたがない。搬入のために4日取ってあるんだけどね。

わたしは、作品の画像がうまく映るかどうか試してもらう。

Photo_4

ウテさんのパソコンとプロジェクターの相性が悪いらしく、全く映らない。明日、ベッティーナさんのパソコンでやり直してみることになる。

お城の裏庭でランチ。ランチはお城で用意してくれている。裏庭といってもここはカフェになっていて、とても雰囲気がいい。お城の中にはレストランもあり、週末は賑わうそうである。

Photo_3

パンと何種類ものチーズ、ハムと生ハム、トマト、胡瓜。パンにはバターやジャム。最後にコーヒーと煙草。

今日は作業の日ではないのだが、みんなは自分の作業を進める。わたしはぼうっとして休んでいる。

これはお城の裏庭からの眺め。

Photo_5

なぜかゴッホの風景画を思い浮かべてしまうような感じである。

こういう風景の中でゴッホは絵を描いていたんだなあ…と思った。

こっちに来てから、ゴッホの素描が気になって仕方がない。あのペンで描いた小さな風景画は、わたしの脳裏でわたしをわしづかみにしてしまう。

ゴッホの手紙を読むと、ゴッホは作品を作っているときは「無私」の状態であることがわかる。私という自我が消えたところに本当の作品が立ち上がってくるのではないだろうか。

夕方、車で宿舎へ移動。ベッティーナさんが車を出してくれたのだが、道路が工事中で、とんでもない迂回をしたり、道に迷ったり出、ベッティーナさんはいらいらして叫んだり、手を振ったりしているのだが、それがなんだか優雅で、感じがよかった。

これが宿舎。

Photo_6

ツインピークスに出てきそうな一軒家である。

これは近くを流れる川。

Photo_7

田舎の風景だね。

近くのレストランで食事。老夫婦がやっている静かな店。今日はヒラメがお薦めということで、ヒラメの揚げたのを、大量のポテトとともにヴァイツェンビールで流し込む。

このあたりは海に近いので、魚も新鮮で豊富なのである。

今晩ツインピークスの家に泊まるのは、倉重光則、勝又豊子、小林誠、中村きょうこ、フランク・フアマン、チエコ・フアマン、吉岡。ウテさんと小川君はブレーメンに戻って、作品を運ぶことになっている。

夜は気温が10℃くらいまで下がって寒い。

8月8日(火)

また低血糖で目が覚める。

シャワーを浴びて倉重、小林とコーヒー。

ウテさんがパンを買ってくるので、みんなに朝ごはんは待っていて欲しいといっていたのだが、みんなお腹が空いて、小林さんに味噌汁を作ってもらったりして、ちょっと食べたのだが、みんなが待っていなかったので、ウテさん機嫌が悪くなるが、みんなでなだめて、なんとか持ち直し、みんなでパンを食べるときには笑顔が戻る。

お城に移動。

搬入第一日め。

わたしは、昨日、ウテさんのパソコンがだめだったので、ベッティーナさんのパソコンを借りて試してみる。

彼女のパソコンで、作品は映ったのだが、なぜか、大きく拡大することが出来ずに、困ったことになる。ウテさんは作品を2つ作ればいいんじゃないの?と言ってくれるのだが、わたしは、やはり大きさにこだわり、一計を案じた結果、デジカメで作品の下絵を撮りなおして、やり直すのが良いと考えた。

「勝又さん、デジカメ今持ってる?」

「あ、宿舎に置いてきちゃった。」

「あら」

「スマホじゃだめなの?わたしのスマホで撮ってみようよ」

ということになり、下絵の撮影。

撮影したものをウテさんのパソコンに送り、ウテさんがそれをUSBに落とし込んで、USBをベッティーナさんのパソコンに差し込んで映してみる。

あ、できた!

やれやれ、海外での搬入はこんなことの連続である。

今日は、写真の上に貼るテープの作業だけをやることにして、あとは明日に回すことにする。

テーピングスタッフを頼んでいたはずなのだが、なんだかそのへんがあやふやで、お城の作業チームが居るのだが、みんな忙しそうで、なかなかうまく頼めない。で、結局わたしと小林さんとで作業を始める。中村さんも手伝ってくれる。途中からウテさんの友人でクラフトをやっているアンドレアスさんが助っ人に入ってくれる。

まず、プロジェクターを使うために、窓を全部ふさいでもらう。この作業もアンドレアスさんがやってくれた。

Photo_8

そしてテーピング。

Photo_9


隣の勝又さんは、ロール紙を天井から吊るすために天井にワイヤーをかけるための穴を開けてもらっているが、これだけで一日かかった。

小川君も天井から袋を提げるので、これも穴を開ける作業に追われている。

夜まで作業。

8月9日(水)

搬入2日め。

宿舎の前庭で煙草をふかす。

これは宿舎のロバ。

Photo_10

ウテさんは少し悲しそうな顔をしている。

「展覧会が始まってしまったら、すぐに終わってしまうなあ… 花火みたいだ」

「そうだねえ…みんなが帰ってしまったら、また泣くんじゃない?」

「泣くかも」

今回の展覧会は、ウテさんが3年前から企画して、準備してきたもので、思い入れも激しい。

アガーテンブルグ城での展覧会が実現できたのはウテさんの情熱のおかげである。

ベッティーナさんがウテさんの知り合いだったということもあり、今回の展示の計画について話を聞いてもらうことが出来て、それでは良いでしょう、ということになったのだった。

アガーテンブルグ城は公立なので、そう簡単にイベントの持ち込みは難しいのだ。

お城までの途中で、路地の果物屋さんに寄って、大量の果物を購入。

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お城到着。

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今日のテーピングは新しい女性スタッフが一人加わり、かなり作業がはかどる。

これは小川君の搬入。

Photo_13

天井から紐でビニール袋を吊っているところ。下に置いてあるのは4つのビニールプール。

これは倉重の搬入。やっとライトが点いた。

Photo_14

みんな疲れが出始めている。

夕食は、帰途、レストランで、ウテさんお薦めのシュニッツェルハウスで。シュニッツェルというのは、薄く延ばした豚肉に細かいパン粉をまぶして油で焼いて、いろんなソースで食べるもの。ドイツ風豚カツである。

Photo_15

ビールはもちろんヴァイツェンビール。

ヴァイツェンビールは、どこのお店に行っても、少し歪んだ形のグラスで提供される。くねくねしているグラスなのである。優雅である。プラクシテレスのS字型というやつである。

小川君は日本から奥さんが来るので、迎えに出掛ける。奥さんのワカコさんも音楽でドイツに留学していたので、ドイツ語ペラペラである。


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