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2017年6月20日 (火)

ドイツは遠いなあ…

ドイツに留学していた斉藤茂吉は、ドイツ人に、日本てどこ?どれぐらい遠いの?と訊かれて、40日かかると答えていたりする。昔は海外に行くというのはそれくらいかかったわけである。船だしね。

今は飛行機であっという間に行けるわけだけど、わたしは、そのあっという間がかなり辛い。飛行機に乗りたくない。12時間もじっと座っていると具合が悪くなってくるのである。あと一月半で、ドイツに行くことが迫ってきているわたしは、少しずつ憂鬱になってきている。

ドイツのウテさんからメールも来ていて、それを見たらますます本当に行くんだなあ…と元気がなくなってくるのであった。

どんなメールかというと、今度の展覧会の小さなカタログを作るから、略歴のデータを送れというものである。文字数はこれくらいで、展覧会などの表記は新しいほうから書いていくように、などと細かい指示がある。やっぱりドイツ人は細かいのである。写真を送れとは書いていないので、これは現地で展示した作品の写真を載せるのかな?とわからなかったので、倉重光則に電話。それはたぶん現地での作品を使うのだろうね、ということで、勝又さんが確認のメールを送ってくれることになる。

ウテさんは、現地でのわれわれの日程も細かく書いてくれていた。こんな感じである。

8月4日 ブレーメン到着

8月5日 小林誠さんの個展搬入。(小林さんはブレーメンのウテさんのギャラリーで個展を開く)

8月6日 小林さんの個展のオープニング。

8月7日 アガーテンブルグにみんなで移動。

8月11日まで搬入作業。(わたしの搬入は多分1日で終わるので、あとはどうしようかなあ)

8月12日 展覧会オープニング

8月13日 アーティストトークとアーティストクッキング。(アーティストクッキングって何だろう?)

ブレーメンに戻る。夜はフランスワインの試飲会。(それってパーティーってことかな?)

8月14日 ドクメンタを見に日帰り旅行。

8月15日 帰国準備

8月16日 帰国

てな感じでなのであるが、どうなるかなあ…

わたしは今斉藤茂吉の随筆を読んでいて、そこにはドイツのことがたくさん書かれてあるので、面白い。

買った本3冊。

Photo


芥川龍之介『大導寺信輔の半生・手巾・湘南の扇』(岩波文庫)

『斉藤茂吉随筆集』(岩波文庫)

井伏鱒二『点滴/釣鐘の音』(講談社文芸文庫)

岸田劉生の随筆から紹介する前に、斉藤茂吉の随筆からいくつか紹介しようかな…

斉藤茂吉は山形出身なので、わたしはとても親しく感じるのだが、歌や歌論は少し難しくて読みきれないが、随筆は味わいがあって、平易で読みやすい。随筆もとても上手いのである。

「ドナウ源流行」では地名が面白い。

「…ドナウが墺太利(オーストリー)に入り東に流れて洪牙利(ハンガリー)に入る。その沿岸に、Linz(リンツ)があり、Wien(ウイン)があり、Budapest(ブダペスト)がある。Budapest以後は、急に道を南方に取り、バルカンの諸国を貫いて、遂に黒海に入るのである。ドナウの流れるバルカンには、セルボ、クロアト、スロヴェーンがある。ルーマニアがある。ブルガリアがある。」

セルボはセルビアのことだろうな。クロアトがクロアチアで、スロヴェーンがスロヴェニアか。

アインシュタインが生れたウルムという町で、茂吉はレストランに入って鯉を食べるのである。

「「それでは、一つ鯉をあげましょうか。ドーナウの鯉でございますよ」

「そいつは珍しいね。ひとつ旨く料理してくれ」

「よございます。お国ではどうして召上がりますか」

「そうだね。ちょっとむずかしいが、まずMaggi(マギーブイヨンとかか?)のようなもので煮ても食べるね。それは様々だ。何しろ日本は魚を沢山食べるところだから。料理の為方がなかなか発達しているからね」

思い切って肥ったお上は愛想よく僕にのしかかるようにして、今日は獣肉を食わないことを説き、卵と魚ならあるというので、此の如き問答が始まったのであった。僕はここで鯉を食べて秘かに幸福を感じていた。それから葡萄酒をやめて、Goldochsen‐Bierという銘の麦酒を飲んだ。これは通人の飲むものではなかろうが、微かに植物の花のような香がして僕は気に入った。僕の味覚は、ここのウルムの住民ぐらいのものであった。」

山形生れの斉藤茂吉なら、醤油と砂糖と酒で煮込んだ鯉の旨煮を知らないわけはないのだが、マギーで煮るとか言っているのが面白い。

私がセルビアに行ったときに、ミラン・トゥーツォヴィッチが、やはり、ドナウ河の鯉を料理してくれた。鉄板で焼いて、カレー味をつけてくれたのだが、絶妙に美味しかったのを思い出した。

斉藤茂吉。もう少し読み進んでみようかな。

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