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2017年5月15日 (月)

元素と美術

ヒュー・オールダシー=ウィリアムズの『元素をめぐる美と驚き』(ハヤカワノンフィクション文庫)読了。

学生時代は、科学が苦手で、物理も化学も(もちろん数学も)嫌いで、いつも赤点を取っていたのだが、今になって、数学や物理に興味を覚えている自分が不思議ではある。

作家のオールダシー=ウィリアムズは科学ジャーナリストなんだけど、無類の美術好きでもあり、この本には、科学者はもちろんのこと、文学者、音楽家、建築家、映画監督などとともに美術家もたくさん取り上げられていて楽しい。どんな美術家が取り上げられているのか、ためしにその名前だけ拾い出してみる。

マーク・クイン

アレクサンダー・コールダー

ジャック=ルイ・ダヴィッド

ジョセフ・ライト

ジョン・シーガー・サージェント

オーギュスト・ロダン

アントニー・ゴームリー

アンゼルム・キーファー

アルブレヒト・デューラー

コーネリア・パーカー

ヨーゼフ・ボイス

モーリス・ランバート

ディヴィッド・クラーク

ミケランジェロ

バーバラ・ヘップワース

ジャクソン・ポロック

ゴッホ

コンスタブル

ラースロー・モホリ=ナジ

リチャード・ハミルトン

エドゥアルド・パオロッツィ

ウィリアム・モリス

フェルナン・レジェ

フィオナ・バナー

ジョヴァンニ・マタロニ

科学者の元素の本にこれだけの美術家が取り上げられている例は他にないのではないだろうか。ゴームリーなんて、アトリエにまで行ってインタヴューしているのだ。

その知識の広さに驚かされる。

こんな言葉もあり、なるほどと気づかされることが多かった。

「美とは必要あってこそ生まれるものである。なぜなら私たちは生き残るために、日光の色と、その光の反射した輝きを評価するよう生物学的にプログラムされているからだ―この真実を、時に私たちは高尚な美学理論で粉飾するわけだが。」

本の最後のページに元素周期表がついていて、学生時代はなんの興味もなかったのに、今は飽きることなく見ていることができる。放射性元素についてもっと知りたかったが、また別の本を読んで勉強してみたいと思っている。

最終章には原発についての問題提起もあって、考えさせられる。

「私たちは元素との必然的な関わりを大事にし、楽しむべきだ。周期表を利用してみたいとは思わないかもしれないが、いろいろな形でほとんどすべての元素に依存しているという避けられない事実を少なくとももっと楽しむべきだ。科学者で環境活動家であるジェイムズ・ラブロックはかつて原子力発電所から出るすべての高レベル放射性廃棄物をコンクリート製の容器に入れて自分の土地で保管しても構わないと述べた。しかし、私たちはそれをばらまくべきかもしれない―私たち全員が、エネルギーを得るためにウランに依存していることを思い出すものとして、使用済みウランのかけらを庭で保管すべきかもしれないのだ。」

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