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2017年3月 4日 (土)

怒鳴る爺さんを叱る

稲毛駅前のパン屋さん、サンジェルマンには、変な人たちが集まるが、今朝も奇妙な爺さんがいて、困った。

クロワッサンとアイスコーヒーをレジで受け取っているときに、喫煙コーナーの方で、なにやら不穏な声が聞こえた。誰かがなにか怒鳴っているようである。いやな予感がした。

客同士が言い合いをしているのだろうか、ものすごく大きな声で文句を言っている様子である。中に入ってみると、初老の男が大きな声でわめき散らしていた。

ものすごい大声なので、わたしはすぐに頭にきた。野暮ったい服装で杖がテーブルに立てかけてあった。すぐ近くにいた女性の方に向かって怒鳴っていたので、その女性に腹を立てているのかと思ったが、少し観察していると、どうもそうではないらしい。独り言のようになにか言っているのだ。他の客は迷惑そうにしていたが、誰も注意をする様子はない。

頭にきていたが、爺さんが何を言っているのか聞いてみようと思い、しばらく迷惑視線を送りながら耳を傾ける。

……?

何を言っているのか全くわからない。日本語のような気もするが単語の一つもわからない。何語だろう?英語やフランス語ではもちろんないし、ベトナム語やタイ語でもなさそうだ。とにかく意味不明である。宇宙語みたいである。でも怒っていることだけは確かである。ときどき足を踏み鳴らしたりもしている。日本語は話せないのだろうか。でも見た目はあきらかに日本人である。

テーブルにはコーヒーカップと、トーストを食べたらしい白い皿もあったので、おそらく日本語で注文したのだろう。今しゃべっているわけの分からない宇宙語では注文は難しいだろう。

わたしは、とにかく我慢ができなかったので、ついに「注意」をした。

「おい、うるさいよ」

爺さんは聞こえなかったように怒鳴り続けている。

「うるさいって言ってんだよ!黙ってろよ」

こっちを向いた。少しだけ沈黙したが、またへんな言葉を発し始めた。まあ、反論されても意味が分からないだろうけど。

「うるさいんだよ!」

とわたしは睨みながら繰り返すのだった。

しばらくすると、怒鳴り爺はテーブルを片づけ始めて帰る準備をしている。

お、やっと帰るのか。やれやれ。でもちゃんとかたづけているのは怒鳴る行為とギャップがあるな。

トレイを持ってテーブルから離れ際に、爺さんはわたしに向かって今度は小さな声でつぶやいた。

「どうもね、どうもね」

なんだ日本語しゃべれるんじゃんかよー!

大きな声でわめいてごめんね、というつもりなのかも知れないが、わたしは許せなかったので、手をちょっとだけかざして、分かったよと合図をした。

☆展覧会

「窓と階段」

一井すみれ/佐々木敬介/水谷栄希

3/18-26

ピナコテーカギャラリー(千代田区神田司町2-9-1 第一高田ビル B1)

淡路町駅、小川町駅から2分

「穴澤和紗 展」

3/20-25

ギャラリーなつか(京橋3-4-2フォーチュンビル 1F)

★来週

達 和子 展

3/6-18 日曜休廊

Steps gallery

達さんの作品は月曜日に紹介します。

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