« 小出恵理奈のリリシズム | トップページ | 怒鳴る爺さんを叱る »

2017年3月 2日 (木)

ミリツァの新作写真

セルビアの写真家、ミリツァ・ニコリッチから新作写真が送られてきた。これらの写真で、個展をするということである。それで、個展のカタログを作るので、わたしに短い文章を書いて欲しいとのことだったので、さっそく送った。日本文は、誰かにセルビア語に訳してもらうことになるだろう。

 

 ミリツァ・ニコリッチの物語性

吉岡まさみ(Steps Gallery ディレクター)


 ミリツァ・ニコリッチの作品は、一言でいえば、「身近なものを捉えたスナップ・ショット」ということが出来る。そこには彼女の育ったゼムンの街の風景が、詩情豊かに表現されていて、見るものをほっとさせるような力がある。

 2012年の6月末から7月初旬にかけて、ミリツァはゼムンの風景写真を携えて来日し、東京のSteps Galleryで個展を開いた。日本から遠く離れたセルビアのゼムンの街は、日本人にとっては全く初めて見る風景であったにもかかわらず、われわれ日本人は、そのなかに懐かしさを感じ、たちまち惹きつけられたてしまったのである。特別なテクニックもなしに、ただ無心のシャッターを切る彼女の姿が、作品の中に織り込まれていたからこそ、私たちの心に響いたのである。

 今回のミリツァの作品は、東京で発表した作品のスタイルと基本的には変わらないのだが、そのメッセージは大きく変化しているように感じられる。今までのスナップ写真的な瞬間のシーンの捉え方から、より物語性を備えた豊かな画面になっている。


「写真は見るものではなく読むものである」と言ったのは日本の写真家、荒木経惟(アラキノブヨシ)であるが、彼女の写真は、見るためのスナップショットから、読むための物語に変わりつつあるようだ。それは、とりもなおさず、ミリツァの様々な経験や感動や悲しみが、ないまぜになって、人生を深いものにしているからではないだろうか。

Milicanikolicgeniusloci2


Milicanikolicgeniusloci1_2

Milicanikolicgeniusloci4


Milicanikolicgeniusloci6


Milicanikolicgeniusloci12


Milicanikolicgeniusloci14


Milicanikolicgeniusloci15


Milicanikolicgeniusloci19


Milicanikolicgeniusloci17




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

|

« 小出恵理奈のリリシズム | トップページ | 怒鳴る爺さんを叱る »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/576487/64960664

この記事へのトラックバック一覧です: ミリツァの新作写真:

« 小出恵理奈のリリシズム | トップページ | 怒鳴る爺さんを叱る »