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2017年2月11日 (土)

紐のエントロピー

淹れ立てのコーヒーが入ったカップがある。これをテーブルの上に載せて放っておくと、コーヒーは冷めていく。これは、コーヒーのもっている熱が、周りの空気に奪い取られていくからなのである。熱は拡散する。

逆はない。すなわち、冷めたコーヒーが、自然に周囲の空気の熱を奪って熱くなるという現象はない。

原理的には、そういうことが起こらないとは言えないが、実際にはない。なぜかというと、そこにはエントロピーが働いているからだそうである。

エントロピーってなによ?ということになるわけだが、わたしが今読んでいる『量子革命』の用語集によると、エントロピーは系の無秩序さを示す。エントロピーが大きいほど、系は無秩序である。自然界には、孤立系のエントロピーを減少させるような物理プロセスはない。ということになるのだが、よく分からない。

まあ、秩序だったものは放っておくと無秩序に向かう。その逆はないのだな。

で、わたしははっと気がついてしまったのである。

わたしが長年疑問に思っていた紐が絡まるという現象について、大きなヒントがエントロピーにあるのではないか!?

携帯電話の充電器のコード(紐)が絡まるのである。わたしはスマホではなくまだちゃんとガラケーを使っているのであるが、充電器を必ずカバンに入れてギャラリーに行く。そうするとですね、素直に真っすぐ伸びていた紐(コード)が、ギャラリーに着いてカバンを開けるとめちゃくちゃに絡まっているのである。コードはそれほど長くはない。今測ってみたら、150cmほどである。これが、ぐちゃぐちゃになる、というよりも、ちゃんと結ばれてしまっていたりするのである。カバンの中に一寸法師がいて、せっせと結んでいるとしか考えられないのだ。わたしはずうっと不思議でならなかった。物理学ではこういう現象を解明してくれないのだろうかと思っていた。

しかし、わたしは『量子革命』でエントロピーのことを学び、ははあ、これだな、とピンときたわけなのである。

カバンという閉じられた系の中では、紐は秩序から無秩序に向かう。すなわちこんがらがっていなくてわかりやすい形状から、紐はこんがらがった無秩序に向かうのである。

紐の無秩序は、今のところエントロピーで解明できたということが出来るのではないだろうか。自信はないけど。

これとは逆に、こんがらがった紐をカバンに入れて歩くと、紐が自然にほどけていくという現象を確認したことは一回もないので、エントロピーは減少しないという原則にぴったり合っていると思うのである。

どうだべ?

靴の紐はこれもまたよくわからない。きちっと結んだ靴紐は歩くに従って自然にほどけていく。その逆はない。歩けば歩くほど靴紐が締まっていくという経験をしたことはない。靴紐が自然にほどけていくのは面倒くさいものであるが、次第に締まっていくよりはよいのかもしれない。自然に締まって行ったら、みんな足に紐の痕が残って、いやあ、今日の紐は締まりがきつかったねえ、とか言っているかもしれない。これもエントロピーの増大というのだろうか。

浴衣の帯はどうなのだろうか。きちっと結んだ帯は、温泉宿に一泊した朝には、どんどん緩んで、腰から胸のあたりまでずり上がり、帯の用を足さなくなっている。これは靴紐と同じだな。浴衣の帯は、だらしなくなっていくわけで、これは無秩序に向かっているなあ、と実感するわけで、エントロピーの増大であるとはっきり言ってもいいだろう。

有名な物理学者の友達がいたら、そこのところを詳しく訊いてみたいものである。

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