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2013年12月24日 (火)

山形弁講座「はぁ」

クリスマス・イヴにギャラリーでこうやってブログを書いているというのもなんだかなあ、という感じであるが、まあ、いいか。今日はお客さんゼロだろうなあ。まさか24日にギャラリーにわざわざ来る人はいないのだ、と思っていると、あら、ぼちぼち来てくれる人があってびっくり。

作家の金さん一家は、今日の夜帰国。昼間は浅草、花屋敷に行くと言っていたから、天気もいいし楽しんだことだろう。

わがんねうぢに年末になったはぁ(知らないうちに年末になっちゃったなあ)

今日は、山形弁の中でも上級になる「はぁ」の使い方を伝授する。これはぜひ使ってほしい言葉である。

たとえば子供に、もう遅いから寝なさい、というときに

「寝ろはぁ」

という使い方をする。

寝てしまいなさい、寝ちゃいなさい、という意味である。

「はぁ」は「~しちゃう」ということなんだけど、これが、ただ「~しちゃう」というだけでなく、微妙に哀愁を帯びた響きになるところが「はぁ」の特徴なのである。

以前

「やんだぐなったはぁ」(嫌になってしまった)

という言葉を紹介したことがあるが、この場合の「はぁ」も、投げやりな気分、あきらめと、もうどうでもいいやという気分を醸し出している。

命令形に「はぁ」を接続すると、もう~してしまえよ!というイライラ感も同時に接続される。

勉強しないでテレビばかり見ていると

「テレビ消せはぁ」

と叱られる。

いつまでもぐずぐずしていると

「やめろはぁ」

と怒りをぶつけられる。

「はぁ」の前に「たっけ」をつけると非常に複雑な時制を表すことができる。

「あんどぎよお、おれ、じづは、全部おにぎり食い終わってだんだっけはぁ」

(先日のあの時、実は、わたしはあのおにぎりを全部食べ終えてしまっていたのです)

これは~し終わっていた、という、過去完了形である。「はぁ」の凄いところは、たった一言「はぁ」をつけ足すだけで、「~してしまっていた」ということを完璧に表現してみせるところなのである。時制を一気に過去完了までもっていくのである。

「すぐ、いがんなねはぁ」(もう、すぐに行かなくちゃ遅れちゃう!)

すぐに行動しなければならない切迫感を「はぁ」は強調しているのである。

「バイバイさんなねはぁ」(もうさよならしなくちゃいけない)

この「はぁ」は哀しみをも表現する。

「はぁ」の前に「べ」をつけると、~しようよという誘いになる。

「いぐべはぁ」(もう、待ってないで行っちゃおうよ)

なんかとりとめなくなってきた。

「ねんまづさなったはあ」(年末になってしまったなあ)

「くらぐなってきたはぁ」(暗くなってきちゃったなあ)

「かえっぺはぁ」(そろそろ帰りましょう)

ブログを書いていたら

6(ログ)時なってしまったはぁ…

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