2026年10月12日 (月)

1カ月ぶりのマッサージ

10月11日(日)

久しぶりでマッサージを受ける。9月20日は大雨予想だったので、駅前まで行けないなあと考えてキャンセルした。27日は三浦にHEAT展を見に行ったので行けなかった。10月4日は担当の西さんがお休みだった。ということは今日で1カ月ということになる。つらい1カ月だった。西さんはわたしの肩をさわって、うわー!と驚いていた。一月分の凝りだからなあ。ようやくほぐしてもらって楽になった。

わたしは高校生のころから肩こりがひどかった。ずっと凝っている。ということはもう50年以上凝り続けているわけだ。わたしの父も母も肩こりがひどかった。これって遺伝するのだろうか。

西さんは力が強いのでわたしは西さんでないと満足できない。実をいうと、力が強い西さんでも物足りないのだ。もっともっと思い切り剛腕の手で揉んでほしい。できることなら安青錦に肩を揉んでもらいたものだ。

10月12日(月)

久しぶりでぐっすり寝た。マッサージのおかげだ。いつもは夜中にトイレに起きて、そのあとテレビをつけて深夜番組を見たりするのだが、今日はすぐに眠りについて、10時間くらい寝たかな。マッサージは大切だ。

今日から赤川浩之展。土曜日は遅くまで搬入作業が続いた。

今回、彼はDMに安部公房の『箱男』からの一節を持ち込んだが、当初は安部公房ではなく、ポール・オースターの『サンセット・パーク』からの一節を引用するはずだったのだが、わたしも個展DMにオースターのこの本からの言葉を引いてきたので、急遽、安部公房にしたのだった。

谷崎潤一郎の『金色の死』が面白かった。初期の短篇集なのだが、作者を伏せておいて読んだあと、この作者は誰でしょう?と訊かれたら、たいていの人は、江戸川乱歩!と答えるだろう。乱歩風のミステリー仕立てなのだ。若いときの作品は後期のものとは全然違っていて興味深い。安部公房の初期作品『題未定』も合わせて読んでいるが、やはり若いときの作品は初々しくてなかなか良い。

伊与原 新の『宙わたる教室』(文春文庫)を購入。

今日からハン・ガンの『私の女の実』も読み始める。

忙しい。

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2026年10月 8日 (木)

1000万円

10月7日(水)

たてやまともかが注文した仮縁が届く。連絡したら、さっそく来てチェックをした。これは「空色のビル」を額装するものだが、サイズが合うか心配だったのだ。合わせてみるとぴったりだった。前に届いていた段ボール箱も額がちゃんと入る。

「安心しました」

この間の「新世代への視点2026」のときに、コバヤシ画廊で展示していた吉田茉莉子がFACE展でグランプリを獲ったのに刺激を受けて

「私もグランプリを獲る!」

と決心して、アートオリンピアに応募することにしたのである。

アートオリンピアはグランプリの賞金が1000万円なのである。以前、中村宏太が3等賞を獲って200万円もらったことがある。たてやまは写真での1次審査を通って、グランプリを目指しているわけだ。1次を通ったら、次は実作での審査がある。作品を送るのが結構めんどうである。額縁もつけなくてはならない。来週に額装をして、その次の週に発送する。作業はすべてステップスで行う。ステップスはたてやまのアトリエだな。

「仮縁高かったんじゃない?」

「そうなんですよ、2万円もしました」

「でもそれくらいいいんじゃないの?1000万円入るわけだし」

「そうですね」

来週は赤川浩之展であるが、なんかこのところ平面作品にも力を入れていて、壁にも作品が並ぶ予定である。赤川君は、当初、個展を5回やりたいと言って始めたのだが、今回で8回目くらいかな?来年も予定に入っている。がんばって展示をやってもらおう。

ギャラリーを始めたころは、展示作業はわたしも手伝って、指示しながらやっていた。おれがやるから見てな、とかなんとか言っちゃって作家を脇に追いやってやっていたのだが、このところは、わたしはほとんど手伝わない。疲れるのよ。好きにしてと言って、ときどき口を出すくらいで、手は出さないのだ。歳をとったのである。

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2026年10月 5日 (月)

買い物嫌い

今日から、古川巧、髙橋勉の二人展「a gentle breeze from Shonan」。今週はなんとか雨が降らないことを祈る。

古川さんは、いろんなブツをコラージュした作品、髙橋さんはアクリルボックスをパネルに仕込んで水を入れた作品。今日はパーティをやると言っているが、天気は大丈夫だろうか。

先週、新宿の眼科に行った時にビックカメラに寄った。眼科の隣がビックカメラなのである。パーマセルテープがないかなあと思って店内を探すとありました。パーマセルテープというのは、普通は写真で使うテープなのだが、わたしのテープインスタレーションでも使うのだ。1本だけあったのでそれを購入。5・6本欲しかったのだが仕方がない。2700円。以前は2000円くらいだったのに、値上がりしているのだ。世界堂にあるかもしれないと思い、寄ってみたら、あるにはあるのだが、何故か高い。ビックカメラで買ったものと同じ製品なのに、なんと4800円だった!!なんで?世界堂ってだいたい安いのだが、ときどき、何故?というくらい高いものがある。段ボールとか、すごく安いので買うのだが、コピー用紙がとんでもなく高かったりする。不思議だ。パーマセルは買わないでアクリル絵の具を1本だけ買って出て来た。

わたしは買い物が嫌いである。面倒くさいから。食品と本を買うのは好きだが、他は興味がない。

土曜日に有楽町のビックカメラに、パーマセルテープないかなあと見に行ったら、あ、見つけた。たくさんあった。1本2700円。6本購入。これは12月の倉重との二人展で使うのだ。テープが手に入って一安心。

昨日は、近所のジョイフル本田で買い物をした。近所といってもゆっくり歩いて20分かかる。

荷物を持つときに使うプラスティックの取っ手みたいなあれを探す。大きな作品などを持つときに、紐を掛けてそこに取っ手を引っ掛けて持つあれですよ。10個ぐらい欲しいなあと思って店員さんに訊くと、ありますよと言って見せてくれたのが、一袋200個入りのものだったのだが、それしかなかったので購入。袋を見ると「ヘイコーホルダー」と書いてあった。ほう、そういう名前なんだ。商品名かもしれないね。

自転車の荷台に荷物を括り付けるゴム紐も探して購入。これはキャスターに荷物を固定するのに使う。

プチプチも買う。ジョイフルのプチプチは安いので助かる。プチプチは本当はエアキャップというのだが、商品名がプチプチだったりするのだ。大きくて持ちにくいけど3巻き買った。

ギャラリー用の割り箸も買う。

買い物は面倒だ……

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2026年10月 2日 (金)

センブリカ・ガール

柴崎友香の『百年と一日』の解説に、そうだそうだ、と頷く。解説は誰が書いてたか忘れたが、そういうものだよねえと納得。

誰かにこう訊かれたとする。

「何読んでるんですか?」

「柴崎友香」

「面白いですか?」

「めちゃくちゃ面白い

「どんな話なんですか?」

「…… 説明できない」

柴崎友香の小説の内容は説明できない。その通り。でも面白い。

実際に読んでもらうしかない。

ジョージ・ソーンダーズの作品も、内容をなかなか説明できない。乱暴な言葉が並んでいる。独特の語り口だ、ということはわかるが、ストーリーを追うのが、というか説明するのが難しい。解説には「ディストピア小説」と分類されている。ジョージ・オーウェルの『1984』とかハクスリーの『すばらしい新世界』とかの超管理・監視社会を表現したものとは違った世界なのだ。

話はちょっとそれるが、翻訳をした岸本佐知子が上手い!こんな言葉をよく訳したな、と感心する。岸本はエッセイも書いている。『ねにもつタイプ』、今度読んでみよう。

説明が難しいソーンダーズ作品だが、中に、ストーリーがはっきりしている作品もある。「センブリカ・ガール日記」もその一つである。

長女のために誕生日パーティーを開こうとしている父親が奮闘する話である。しかし、彼は貧乏なので、プレゼントも買ってあげられない。家もみすぼらしいので、友達も呼んであげられない。あるとき、くじに当たって大金を手にする。家を改装して庭の木も立派なものに植え替える。パーティーには何人かの友達を招待する。友達は、アメリカ人ではなく、みんな外国の少女ばかりだ。それも移民の子供達のようだ。読者はここで、あれ?と思わなくてはならないのだが、なんの説明もないので、そのまま読み進んでしまう。

どうということもない話が続くのだが、ときどき「SG」という言葉が出て来る。「SG飾り」という言葉も頻出する。SGってなに?なにも説明がない。なんか普通名詞なのかなあ、おれだけ知らないんだろうかと思いながら読んでいくと、ん?SGってセンブリカ・ガールの略かと気づく。センブリカって何?説明は一切ない。

SG飾りは家の中ではなく、庭に設置するものらしい。なにかクリスマスツリー的なものなんだろうか。SG飾りのある家は、ある程度余裕のあるというかステータスのようなものを持っていることになるらしい。しかし、「くたばれセンブリカ」などというチラシが撒かれたりもする。センブリカって何?

説明なし。

ある夜、SG飾りがなくなる。盗まれたのか?「飾り」はラインのようなものでつながれている。ラインごと無くなったのだ。そして、複数のSGがつながれていたことがわかる。SGは盗まれたのではなく、自分たちで逃げたのだ。自分たち??父親にとっては大金を投じて手に入れたSG飾りなので、ショックを隠せない。紛失したことで罰則もあるらしい。

こんな風に終わるわけだが、最後まで何の説明もない。読者は、ただ、こうなんだろうな、という想像をするだけなのだ。話のオチは自分で考えなさいということらしい。

何の説明もないのに、読者は真相を想像で補っていく。そしてその想像は想像できないほどおぞましいのだ。

以下、わたしの想像。

移民の少女を誘拐する、あるいは買い取る。そしてラインでつなぎ、洗濯物みたいに吊るす。もちろん少女たちは生きている。生きたまま吊るされる。SGの数が多いほど「立派」だ。SGはみんな移民の少女たちである。この家だけが特殊なのではなく、一般的な「風習」なのだ。SG飾りのある家はたくさんある。SG飾りは日常生活の一部なのである。

何回も言うが、ソーンダーズは何も説明していない。

怖い。

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2026年9月28日 (月)

HEAT展を見に行く

9月27日(日)

朝、倉重光則から電話。

「今日来るんだっけ?」

「うん、そのつもり。2時を目指して行こうかなと思ってる」

「おお、じゃあ三崎口まで迎えに行くよ」

稲毛から品川まで50分。品川から京急で三崎口まで80分。乗り換えとかの時間も入れると2時間半だな。自宅から稲毛までバスの乗る時間とかを含めると、なんだかんだで3時間だな。東京からだと山形まで行けてしまう。稲毛から品川まではグリーン車に乗る。少しでも体力維持を図りたい。品川からはなんとか空席を見つけて座ることが出来た。これも座れないとかなり疲れる。

時間通りに三崎口に着いて改札を出ると、倉重が居るかなと思ったが居ない。しばらく待っていると倉重が現れる。

「ごめんごめん、寝てた」

車のなかで居眠りしていたらしい。

勝又さんが、カップラーメン食べたいと言っているということで、途中でセブンイレブンに寄る。勝又さんに普通サイズのカップラーメン、倉重はbigサイズ。わたしもミニサイズを一つ。コーヒーも買って、飲みながら移動する。倉重が奢ってくれた。

イハリウム到着。ギャラリー現でスタッフをやっていた井原さんが自宅を三浦に建てて、ギャラリーにしてしまった建物だ。三浦も雨でたいへんだったが、ここと倉重の自宅は大丈夫だったようだ。

勝又さんが留守番をしていた。井原さんは出かけていて、昨日から滞在している徳永さんとジョセフたちも出かけているらしい。

昨日はオープニングパーティでたくさんのお客さんだったらしいが、今日はお客さんぜんぜん居ない。帰りまで、今日の客はわたし一人だったらしい。

しばらくすると、徳永さんとジョセフ、それにアメリカからきた友人二人がギャラリーに戻って来る。今回は、海外アーティストは、ジョセフ・ピアセンティンとロバート・ウォーカーの二人だが。ロバートは亡くなってしまった。彼はこの展示を楽しみにしていたらしい。

作品を見ながら会場を歩いていると、あら、これは?と気になった作品があった。なんかミロっぽい。ジョセフの作品だった。これ、ミロみたいだねと言うと、作品を壁から外して裏を見せてくれる。Miroと書いてある。ミロに捧ぐ、みたいなタイトルだった。わたしもミロが好きなので、話が盛り上がる。わたしはミロの色使いに影響を受けて、この間の個展作品もミロを意識した。ミロは、黒と白も上手に使う。

「あれ真似できないよね、ミロは天才だ」

「そうそう、天才だよ。絶妙なバランス感覚を持ってる」

ベランダでカップラーメンを食べる。大・中・小。倉重は大を軽く食べてしまったが、勝又さんは中を食べきれず残した。彼女は徐々に体調回復しているが、もう少し様子を見た方がいいかも。

「10月になったら、また電車に乗って銀座に行こうかな」

徳永さんと個展の打ち合わせをちょっとだけ。ステップスで11月に個展がある。横240㎝の作品が入るかどうかという相談。幅がそれほどないので、なんとか階段で運ぶことができるだろう。

帰りも倉重が駅まで送ってくれる。

三崎口が始発なので、ゆっくり座れた。品川に近づくにつれて混みだした。

品川からの総武線快速は座れず、ずっと立っていた。

☆展覧会

「千崎千恵夫  眼差しの奥にむかって」

10月24日(土)-12月13日(日) 月曜休館 11月23日(月)か開館

広島市現代美術館

アーティスト・トーク

千崎千恵夫と松浦寿夫による対談

10月24日(土)15:00-16:00

予約不要

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2026年9月23日 (水)

千葉の雨

いやはや、千葉がやられてるなあ…わたしが住む稲毛はまだそれほどの被害はないが、大網白里だの佐倉だの水没している地域は大変だ。

シルバーウィークはお客さん来ないだろうから、石倉さんの個展は24日(木)からにして本当によかった。月曜スタートだったら散々な目に遭っていたはずだ。搬入も今日の水曜日でよかった。石倉さんは今搬入作業をやっている。今回は、青、藍色のトーンで揃えている。

日曜日と月曜日は一歩も外に出ず、ずっと休んで(寝て)いた。これも正解だった。2日連続で休むと疲れが取れるね。

昨日の火曜日は青空が広がったので、外に出てみることにした。

千葉駅まで出かける。そごうの9階にある三省堂まで行き、本を眺めながら歩き回る。気がつくとずいぶん時間が経過していた。迷いながら4冊購入。

有島武郎 『小さき者へ・生れ出づる悩み』(新潮文庫)

これは昔読んだような気がするが、なんか読みたくなった。

谷崎潤一郎 『金色の死』(講談社文芸文庫)

大正期短篇集だそうで、読んだことのないものばかりだ。

ボードレール 『巴里の憂鬱』(新潮文庫)

これも昔開いたような気がするが、まあいいだろう。

ジョージ・ソーンダーズ 『十二月の十日』(河出文庫)

1958年生まれ。わたしより2歳若い。現代アメリカ最重要作家だそうだ。面白そうだ。

買った本を抱えて、隣にあるカフェに入る。この店は、三省堂に来るたびに入りたいと思っていたのだが、いつも混んでいて、入るチャンスを逸していたのだが、大雨の後ということもあってか、昨日は空いていて、すぐに案内された。デパートの9階にある店なのに、なんでいつも混んでいるんだろうと思っていたが、その理由がわかった。美味しくて安いからである。

ランチのホットサンドを注文。じゃがいもと明太子のサンド。サラダ付き。飲み物はアイスコーヒーにする。じゃがいもと明太子美味しい!食べ終わってアイスコーヒーを飲んでいると、デザートお持ちしますね、と言われる。おお、そうか、ランチにはデザートが付くんだった。白玉とぜんざいに抹茶アイスが載っている。美味しいけど、血糖値上がりそうだな。これで1600円。

石倉さんの個展は明日からだが、作家は毎日(たぶん)在廊するだろう。明日は軽くパーティーっぽいことになるだろう。

 

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2026年9月19日 (土)

シルバーウィーク?

今日からシルバーウィークだそうである。ゴールデンの次のシルバーか。なんだかなあ…

ステップスギャラリーはシルバーウィークは休みにした。こういう連休はお客さんがたくさん来るんじゃないの?と思う方がいるかもしれないが、逆である。来ない。みんなそれぞれ出かけたり旅行に行ったりして、ギャラリーを覗きに来たりはしないのである。しかも明日と明後日は大雨という予想。休みにして正解である。明日はマッサージに行くつもりだったが、大雨予想なのでキャンセルした。

来週は木曜日スタート。

石倉仁一郎 展

9月24日(木)-10月3日(土) 日曜休廊

搬入作業は23日(水)にやる予定である。

連休といえば、昔は今のようには休みは多くなかったなあ。わたしが小学生のころ(ずいぶん昔だね)は土曜日も学校があった。半ドン(午前中だけ)だったけどね。だから一日休みは日曜日だけ。土曜日の昼に学校が終わって、その帰り道は天国だったね。これから自由に遊んでも明日も休みなわけだから心がウキウキ、おれは自由だ!と思ったものである。昔もゴールデンウィークはあったが、まだゴールデンウィークとは呼んでいなかったと思う。単に連休と言ってたかも。今のように土曜日は休みじゃなかったし、祝日も少なかったから、連休といっても3連休とかだったような気がする。その頃は3連休でも、とてつもなく長い休みに感じた。3日間も何して遊べばいいんだろうと途方に暮れた。結局近所の子たちと竹で水鉄砲を作ったり、割り箸を使ったゴム鉄砲を作ったり、吹き矢を作ったりして遊んでいた。吹き矢の矢は画用紙を小さく丸めて、三角コーンの形にしてセロテープで留める。三角の先っちょに針を仕込む。それを筒に差し込むわけだが、筒になるのは水道管替わりに使う、硬いゴムのようなプラスチックのようなあれ。鼠色をした直径2センチほどの、よくあるやつである。それをどこで手に入れて来たのだろう?子供はいろんな方法でなんでも入手してくるのである。パイプの先に作った矢を差し込む。余分な紙の裾を切り取って、パイプの穴にぴったりはまるようにする。そこに口を当てて思い切り吹くと矢がシュっと飛び出して、用意しておいた板に、ストンと突き刺さる。威力は抜群である。なので危険でもある。危ない遊びなのだが、男の子はみんなやっていたし、注意する大人もいなかった。

今、連休は小学生のころに比べると、それほど楽しくもない。

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2026年9月16日 (水)

空位

9月15日(火)

今日は新宿の眼科に目薬をもらいに行く日。逆さ睫毛がちくちくするので、診察予約はしてないけど、ちょっと診てもらおうかなと出かける。

電車に乗っていたら、霜田哲也くんからメール。東西線が全線ストップしていて、ギャラリーには時間までに行けません、とのこと。今日のギャラリー当番は霜田くんなのだが、それほど早くお客さんは来ないだろうから、遅れても構わないと返信しておく。もしダメそうだったら、わたしがギャラリーに行くよ、とも言っておく。

眼科で逆さ睫毛を抜いてもらい、薬局で目薬をもらってから、再びメールをすると、まだ電車は動いていないらしいので、これからギャラリーに向かうことにする。12時過ぎに電話がある。望月久也から。

「あれ?今日はギャラリー休みなの?」

「いや、そうじゃなくて当番の霜田君が遅れているの」

彼にはギャラリーの鍵のある場所を教えて、勝手に入ってなんか飲んでてよ、という。

「ちょうど縄手くんも来てるんだけど」

「二人で飲んでて」

望月はわたしの大学の同級生だが、縄手くんも同じ同級生。たまたまギャラリーでいっしょになったらしい。

急いでギャラリーに駆けつけると、二人で梅酒を飲んでいた。来たお客が望月でよかったかも。霜田君は大幅に遅れて2時過ぎに来る。今日は上條さんとか古藤さんとかいろんな人が現れたので、まあ、ギャラリーに寄ってよかったかもしれない。上條さんには、この間の個展に行けないことを謝る。彼女は今年の春に股関節の手術をしたのだそうだ。それでもステップスギャラリーのステップを昇ってくるのだ。不屈というか不死身だ。

上條さんはまだコーヒー飲んでたけれど、わたしは先にギャラリーを出る。

9月16日(水)

今日は一日雨みたいだからお客さん来ないだろうな。作品を作りたいのだが、もう少し絵の具を乾燥させたほうがいいだろう。作品はやめて、原稿を書くかな。宇野さんに頼まれている挨拶文。ステップスで開催してきた「うのぜみ展」のまとめの冊子を作るのだそうだ。来年の春に宇野さんは退官記念の個展を嵯峨美で開催するが、その時に冊子も配るのだそうだ。今まで参加した教え子たちの作品を全部載せるのだろう。で、教え子一同も呼ぶことになる。彼らの作品も展示するのかな。ギャラリーとしても何か書かなくてはならないが、何を書こうかな。

倉重光則から電話。二人展のタイトル「運動」を変えたいという。

はいはい、やっぱりね。わたしは「運動」かあ…と思っていたのでちょうどよかった。倉重はこういうふうに途中で変更することがやたらと多い。わたしは慣れているので、で、どんなタイトル?と訊くと、「空位」にしたいんだけどという。おお!いいんじゃないの。それでいいよ!空位というのは、美術評論家の宮川淳がよく使っていた言葉らしい。倉重は宮川好きなのである。

わたしは空位の英語をどうしようか考えたが、emptiness ではなく vanity を使うことにした。旧約聖書の「伝道者の書」の冒頭にある言葉である。「空の空」。「Vanity of vanity」。

「空の空。すべては空である。」

その通りだな。

☆展覧会

古藤典子 展

ウィリアム モリス 珈琲&ギャラリー(渋谷区渋谷1-6-4 The Neat 青山2F)

10月2日(金)-29日(木)日・月 17日休み

12:30-18:00(最終日17:00まで)

伊与原新の『磁極反転の日』を読んでいる。ものすごく厚いがどんどん読み進められる。『月まで三キロ』を読んだときに、この人は直木賞を獲ったが、どちらかというと芥川賞でしょ、と思っていたが、『磁極反転の日』を読んだら、ああ、直木賞かな、と考え直した。もともと、東大の地球惑星科学を専攻して大学に勤務していたが、科学ミステリーを書き始めて認められた。ところが途中でスランプに陥る。ミステリーというのは、トリックというか、話の「オチ」を考えなければならないわけだが、そのトリックを考えるのに行き詰ってしまったのだ。そんな時、編集者に、ミステリーじゃなくて普通の小説書いてみれば?と言われて書いてみたら楽に書けるようになったそうだ。

一冊追加で購入

安岡章太郎 『海辺の風景』(新潮文庫)

 

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2026年9月11日 (金)

アクリル絵の具を甘くみる

アクリル絵の具は乾くのが速くて便利だ。

本当にそうなのか。

たぶん違う。

今わたしは新しい「カラード・バー」に色を塗っているが、失敗が続いている。

バーを上下に分けて違う色を塗っていく。境い目にマスキングテープを貼って絵の具がはみ出さないようにする。バーの上の部分を塗ってから乾かす。マスキングテープをはがす。2日ほど乾かしてから下の部分を塗るわけだが、その時には上の部分にマスキングする。下の部分を塗り終わる。よし、なかなかいい具合に塗れた。マスキングテープをはがす。そっとはがすのだが、テープの粘着力が強いので、下に塗ってある絵の具をくっつけてはがしてしまうのである。もちろん塗り直しである。

なぜ失敗してしまうのか、それは絵の具の乾燥時間が足りないからである。アクリル絵の具を甘く見たからである。

そういえば、以前のストライプのカラード・バーを塗っていた時には、一度塗ったら、次の作業まで一週間乾かしていた。今はわたしはせっかちになっているので一週間待てないのである。70歳になったわたしは辛抱強さが失われていっている。2・3日乾燥させたら、まあ、こんなもんでいいんじゃない?と思ってしまい、次の塗りをやってしまうのだ。

以前、アクリル絵の具の会社の方に、アクリル絵の具は、乾くのが速いのは表面だけで、中は乾いていないんですよ、と注意されていたのに忘れているのである。表面だけじゃなくて内側も乾燥しきるのには3カ月かかります、と言われていたのである。

倉庫を漁っていたら、パネルが3枚出て来た。15㎝四方の正方形である。「待合室」シリーズの失敗作である。彫刻刀で彫った線がうまくいかずに放っておいた。そのうち捨てようと思っていたのだが、待てよ、これアクリル絵の具で塗ってみようかと思い立ち、やってみたら、彫り損じた線もいい味になっていて、作品になりそうである。四角をいくつか描き込んで色分けをしてみることにする。この作品にはマスキングテープを使わずに、フリーハンドで着色することにする。これなら絵の具がはがれてくることはない。フリーハンドなので、線はシャープさに欠けるが、それもよしとする。何気なく適当に作る作品もいい味を出すことがあるから適当に進めてみよう。こういう時って、途中で変に力が入ったりするから注意しなければならない。最後まで「適当に」やらなければならない。いい加減に続けるのって意外に難しい。

これは年末のギャラリー睦のグループ展に出そうかな。そして来年のアートカクテルにも出すのがいいかもね。

伊与原新を2冊読み終わった。本屋に行ったら3冊目を見つけたので購入。

伊与原新 『磁極反転の日』(新潮文庫)

もう一冊買う。

津野海太郎 『かれが最後に書いた本』(新潮文庫)

☆展覧会

菅沼緑 展

9月12日(土)- 11月8日(日)月曜休館

9:00-17:00

石神の丘美術館(岩手県岩手郡岩手町大字五日市10-121-21)JR新幹線・IGRいわて銀河鉄道「いわて沼宮内駅」徒歩10分

ろくさんはとんでもなく大きな作品を作っているみたいだ。横6mの彫刻。いやはや。

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2026年9月 7日 (月)

motion

9月5日(土)

槙野匠展最終日。倉重光則が顔を出す。勝又さんは?と訊くと、元気だよ、作品も作ってると言うが、遠出をするエネルギーはまだないのだろう。

HEAT 展のカタログが出来たよと持ってきてくれる。倉重企画のグループ展である。

HEAT   9月26日(土)-11月8日(日)月曜休廊(火・水予約制)

11:00-18:00

iharium(神奈川県三浦市三崎町小網代1240-1)

ジョセフ・ピアテンセン

ロバート・ウォーカー

田中 啓一郎

勝又 豊子

倉重 光則

徳永 陶子

峯岸 千絵

なかなか良い感じのカタログである。わたしがテキストを書いた。このカタログは会期中イハリウムで配られる。

12月の倉重とわたしの二人展のタイトルをどうしようかという相談もする。わたしは当初、BATTLEというタイトルを考えていたのだが、先日倉重から、タイトルを別にしたい、運動という言葉を入れたいと言ってきたので、わたしはいいよと返事したのだが、タイトルをわたしに考えてほしいみたいなことを言っていたので、いくつか候補をあげておいた。ところが倉重は「運動」をそのままタイトルにしたいと言う。それならそうと先に言ってよ!と言いたいのを、我慢…しないで先に言えよなと答えておいた。

「運動」ねえ……タイトルとしてはなんか古い。昭和の香りがすると思ったが

「まあいいんじゃない」

と返事をしておく。

運動という言葉は意味がありすぎて逆に弱いのではないかな。それにしても一時代前という気がする。

稲毛駅前にすごく古いビルがあって、外にお店の看板があるのだが、そのお店の名前が昭和だ。

スナック 「パピヨン」

サロン 「ビリーブ」

なんか読むと恥ずかしくなってくる。

二人展 「運動」

どうなのよ。

わたしはこれに英語のタイトルも付け加えて、なんとか昭和を脱して平成くらいまで持っていきたいと考える。

運動……move

これはダメだ。どうしようかと考えていたら、突然、運動……そうだブラウン運動だと思いつく。

ネットで検索。

ブラウン運動-Brownian motion

と出てきた。おお!モーション!moveよりかなりいい。

「ブラウン運動って知ってる?」

「聞いたことある」

「ブラウン運動の運動は、モーションなんだよ、モーションどう?」

「モーションいいねえ!」

単純な人である。

ということで二人展のタイトルは「運動-MOTION」に決定。すぐに勝又さんに電話して、このタイトルでDMを作ってくれるように頼む。

さて、今日からギャラリーコレクション展「夢-Vision」が始まったが、初日から大雨みたいで出鼻をくじかれた。お客さん誰も来ないかもねと思っている。お客さんが誰も来ないとギャラリーとしては意気消沈するのではと思うだろうが、実は、本音を言うと、それほど困らないのだ。なぜかと言うと、誰も来ないと、いろんな雑用や仕事がのんびりやれるからそれはそれでいいわけよ。作品も作れるし、こうやってだらだらとブログも書ける。

「夢-Vision」の作品を紹介しよう。

津田亜紀子の彫刻はこのあいだ説明したよね。

ミラン・トゥーツォヴィッチの作品はバルテュスの肖像を描いたドローイングと、油画「Klod」の2点。ミランの作品をステップスで展示するのはこれで最後になる。

古賀亜希子は「ソティロフさんとの再会」の写真5枚。

佐藤全孝さんのドローイング「静物」と小さい油画2点。

ウテ・ザイフェルトはテンペラの小品4点と写真作品2点。

今週はずっと雨みたいだが、来週は晴れるだろう。

 

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