2017年5月22日 (月)

佐藤全孝の記憶

今日から佐藤全孝展が始まりました。

Photo_2

今週はよい天気が続きそうです。ぜひ銀座まで足を運んで、作品をご鑑賞ください。

Photo_3

作品は、研ぎ澄まされた画面を作り、どんどんシンプルになっていっているような気がします。

全孝さんの絵画は彼の記憶がテーマである。彼自身の個人的な記憶なので、われわれ作品を見る者が、簡単に立ち入ることのできない領分なわけであり、その記憶がどんなものか、われわれには想像もできないわけなのであるが、作品は、そういう個人的な内面に入り込まなくても、十分鑑賞できるので、あまり気にしなくていいような気がする。

「鏡のなかなら No.6」 キャンバスに油彩 117×117cm 2017 ¥450,000

Photo_4

そもそも作品は個人的なものなので、他人が入り込む余地はない。そこがまた謎であり魅力なわけでもある。

ところが、そういうことを何も知らなくても作品はわたしたちに語りかけてくる。

「鏡のなかなら Ⅰ」 キャンバスに油彩 23×16cm 2016 ¥35,000

Photo_5

ギャラリーを訪れる人に中には、「こういう絵はよくわかりませんねえ」と言う人がわりと多くいるのだが、そういうときは、わたしは「わたしも分からないんですよ」と答えることにしている。そうすると、なぜかみんな妙に納得というか安心するみたいなのである。自分の作品だって自分でよく分からないのに、他人の作品なんて本当はよく分からないのである。そして分からなくていいのである。作品は分からなくても十分鑑賞できるのである。

佐藤全孝の作品も絵そのものと対峙することで見えてくるものがたくさんあるのである。

「鏡のなかなら No.1」 キャンバスに油彩 38×45cm 2017 ¥80,000

Photo_6

「鏡のなかなら No.3」 キャンバスに油彩 72×91cm 2017 ¥300,000

Photo_7

全孝さんの気迫に対面する覚悟のある方は、ぜひ見に来てください。











| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月20日 (土)

『沼地』

芥川龍之介の『蜜柑・尾生の信』という短編集が岩波文庫から新刊で出ている。面白い。

そのなかに『沼地』という作品があった。

文庫本で4ページという短い作品なのだが、絵にまつわる話ということもあって、いつまでも忘れられない話だった。

主人公があるときに絵画展に出掛けて、一枚の絵と出合う。その絵は会場の暗い片隅に、みすぼらしい額に入っていて、沼地を描いただけのもので、暗い色だけを使ったなんでもない絵なのだが、主人公はこれにいたく感動するのである。

そこに新聞社の美術記者が来て、訳知り顔で、絵の説明をする。この記者は、この「沼地」をひどい作品だと思っている。

「傑作です。」

「傑作 ― ですか。これは面白い。」

「これは面白い。元来この画はね、会員の画じゃないのです。が、何しろ当人が口癖のようにここへ出す出すと云っていたものですから、遺族が審査員へ頼んで、やっとこの隅へ懸ける事になったのです。」

「遺族? じゃこの画を描いた人は死んでいるのですか。」

「死んでいるのです。尤も生きている中から、死んだようなものでしたが。」

私の好奇心は何時か私の不快な感情より強くなっていた。

「どうして?」

「この画描きは余程前から気が違っていたのです。」

「この画を描いた時もですか。」

「勿論です。気違いででもなければ、誰がこんな色の画を描くものですか。それをあなたは傑作だと云って感心してお出でなさる。そこが大に面白いですね。」

記者はまた得意そうに、声を挙げて笑った。

……

「尤も画が思うように描けないと云うので、気が違ったらしいのですがね。その点だけはまあ買えば買ってやれるのです。」

記者は晴々した顔をして殆嬉しそうに微笑した。これが無名の芸術家が ― 我々の一人が、その生命を犠牲にして僅に世間から購い得た唯一の報酬だったのである。

ということなのであるが、なんともしみじみと考え込んでしまうような内容なのである。「我々無名の芸術家」が、なにを心の支えにしていくのか、だれか自分の作品を「傑作」と言ってくれるような人が一人でもいいのだが。

☆演劇の案内

Photo

日本・セルビア演劇交流プロジェクト

「ビザール ~奇妙な午後~」(セルビア語字幕あり)

演劇集団ア・ラ・プラス

2017年 6月29日(木)-7月3日(月)

会場:シアター 風姿花伝(新宿区中落合2-1-10)

作・ジェーリコ・フバッチ

訳:高橋ブランカ

構成・演出:杉山剛志

出演:蔡ヘミ、西村清孝、辻しのぶ、服部晃大、松田崇

前売 4,000円 当日 4,500円 学生 3,000円

企画:宗重博之+演劇集団ア・ラ・プラス

後援:セルビア共和国大使館

協力:ベオグラード国立劇場

助成:芸術文化振興基金

ジェーリコ・フバッチさんは、1967年、ボスニア・ヘルツェゴビナ生まれ。劇作家。現在、ベオグラード国立劇場の劇作家兼ドラマトゥルク。

日本初演ということもあり、今回来日。トークもあるようです。

「かつては希望の象徴だった町。そこに集まった三世代の男女5人。信じていた全てが崩れ落ち、都会の無秩序な繋がりの中、愛に飢え、自分の居場所もない。それでもなりふり構わず人生に挑み続け、たどり着いた先に見えた世界は、天国か地獄か!?紛争後のセルビアそして世界の「リアル」を描いた、セルビアン・ブラック・コメディーが本邦初訳で日本初上陸。」

https://theatrecentrewithoutwalls.jimdo.com

メール予約

tcww.contact@gmail.com

電話予約

090-3474-7999

☆佐藤全孝 展

来週の展覧会は、佐藤全孝さん。

今日が搬入なのだが、その迫力に圧倒される。

Photo_2

全孝さんは、毎日ギャラリーに詰めていますので、お話とともに作品を鑑賞してください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月18日 (木)

からだが痛い

菅沼緑さんは東京生まれだが、いろんなところを転々として、現在は岩手県花巻市に住んでいる。都会が嫌になってしまったのと、広いアトリエが欲しかったためらしい。ネットでいろいろ調べたら、安い物件を提供してくれている花巻市に出会ったのだそうだ。使わなくなってしまった幼稚園をアトリエ兼住居として使っている。

昼ごはんを食べて、「ちょっと休憩」するつもりで、ぼうっとしていたら、気がつかないうちに夕方になってしまっていた、というようなことがよくあるらしい。

それは今のわたしにはよく分かる。ぼうっとしていると、時間は目にもとまらぬ速さで過ぎ去っていくのだ。

身体は疲れやすくなっているし、背中や肩の凝りは痛みに変化して、わたしを苛むのである。

田んぼで働いているお年寄りが、かがんだ身体をときどき伸ばして、青空を見上げるようにして背中をトントンと叩く様子をよく見かけて、昔は、へえ、そんなに大変なのかなあと思っていたが、今ではその痛みがよく理解できる。

わたしは喫茶店が大好きなので、コーヒーを飲んで煙草を一服してから銀座から帰ることが多かったが、最近は喫茶店にあまり寄らない。なんか疲れてしまうのだ。喫茶店で休むことさえ疲れてしまうのだ。早く帰って寝たいというのが正直なところである。

みなさん、よく「飲みに行こうぜ」と言って夜の繁華街に繰り出していくが、今のわたしにはそれもかなりつらい。外で飲むって疲れるよお。ビールを飲んで、ワインなんかも飲んじゃったりして、その後電車で帰るなんて体力はわたしにはないのである。

どうしたものかねえ…

ろくさんは元気に作品を作り、ものすごいエネルギーを費やしているのだが、制作以外の時間は、ぐったりしているのではなかろうかと勝手に想像している。

わたしは背中と肩の凝りがひどくて、夜も何回も目が覚めてしまって、いつも寝不足である。今朝は電車の中で鼻血が出た。かばんからティッシュを出して丸めて鼻の穴に突っ込んでしゃがんでいる姿は惨めなものだが、いたしかたないのである。

今も辛いので、事務仕事をしようと思ったのだが、気力が出ないので、ブログを書いたりしているのだ。

今日は本でも読みながらぼうっとするかなあ。

銀座の教文館で3冊購入。

Photo_2

志賀直哉 『万暦赤絵』(岩波文庫)

芥川竜之介 『蜜柑・尾生の信』(岩波文庫)

J.G.バラード 『結晶世界』(創元SF文庫)

教文館て何年かぶりで入った。たぶん20年ぶりとか…

狭くて本が少ないのでは、というイメージがあったのだが、ぜんぜん違っていて、店内は広くはないが、並んでいる本は充実している。店員さんが丁寧に本を選んでいる感じがした。

今度から銀座では教文館で本を探そうっと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月15日 (月)

元素と美術

ヒュー・オールダシー=ウィリアムズの『元素をめぐる美と驚き』(ハヤカワノンフィクション文庫)読了。

学生時代は、科学が苦手で、物理も化学も(もちろん数学も)嫌いで、いつも赤点を取っていたのだが、今になって、数学や物理に興味を覚えている自分が不思議ではある。

作家のオールダシー=ウィリアムズは科学ジャーナリストなんだけど、無類の美術好きでもあり、この本には、科学者はもちろんのこと、文学者、音楽家、建築家、映画監督などとともに美術家もたくさん取り上げられていて楽しい。どんな美術家が取り上げられているのか、ためしにその名前だけ拾い出してみる。

マーク・クイン

アレクサンダー・コールダー

ジャック=ルイ・ダヴィッド

ジョセフ・ライト

ジョン・シーガー・サージェント

オーギュスト・ロダン

アントニー・ゴームリー

アンゼルム・キーファー

アルブレヒト・デューラー

コーネリア・パーカー

ヨーゼフ・ボイス

モーリス・ランバート

ディヴィッド・クラーク

ミケランジェロ

バーバラ・ヘップワース

ジャクソン・ポロック

ゴッホ

コンスタブル

ラースロー・モホリ=ナジ

リチャード・ハミルトン

エドゥアルド・パオロッツィ

ウィリアム・モリス

フェルナン・レジェ

フィオナ・バナー

ジョヴァンニ・マタロニ

科学者の元素の本にこれだけの美術家が取り上げられている例は他にないのではないだろうか。ゴームリーなんて、アトリエにまで行ってインタヴューしているのだ。

その知識の広さに驚かされる。

こんな言葉もあり、なるほどと気づかされることが多かった。

「美とは必要あってこそ生まれるものである。なぜなら私たちは生き残るために、日光の色と、その光の反射した輝きを評価するよう生物学的にプログラムされているからだ―この真実を、時に私たちは高尚な美学理論で粉飾するわけだが。」

本の最後のページに元素周期表がついていて、学生時代はなんの興味もなかったのに、今は飽きることなく見ていることができる。放射性元素についてもっと知りたかったが、また別の本を読んで勉強してみたいと思っている。

最終章には原発についての問題提起もあって、考えさせられる。

「私たちは元素との必然的な関わりを大事にし、楽しむべきだ。周期表を利用してみたいとは思わないかもしれないが、いろいろな形でほとんどすべての元素に依存しているという避けられない事実を少なくとももっと楽しむべきだ。科学者で環境活動家であるジェイムズ・ラブロックはかつて原子力発電所から出るすべての高レベル放射性廃棄物をコンクリート製の容器に入れて自分の土地で保管しても構わないと述べた。しかし、私たちはそれをばらまくべきかもしれない―私たち全員が、エネルギーを得るためにウランに依存していることを思い出すものとして、使用済みウランのかけらを庭で保管すべきかもしれないのだ。」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月10日 (水)

銀座のボヤ騒ぎ

昨日のことであるが、夕方5時ごろ、ギャラリーのバルコニーに居た人たちがなにか言っている。

「なんか臭くない?」

「プラスチックが焼けるみたいな臭いだな」

わたしも外に出てみたら、なるほどかなり嫌な刺激臭が鼻をつきぬける。

あ、煙だ。白い靄のようなものが、バルコニーまで流れてきた。

「火事じゃない?」

消防車のサイレン。

みんなバルコニーから身を乗り出して野次馬になった。

Photo

ろくさんも、展示そっちのけで下を見下ろしていた。鰻の登亭のビルかな。そのビルの奥の方から煙が出ている。

消防車が何台かきて消火活動をしている。

Photo_2

しばらくして鎮火したようだが、規制線が引かれて、登亭はシャッターを閉めた。

ボヤで済んだようなので、ニュースにはならないだろうな。

いやあ、気をつけないといけないね。

今朝、登亭の前を通りかかったら、普通に営業していた。

ろくさんの作品を入れてきた段ボール箱をギャラリーの入り口のところに積んであるのだが、面白いものを見つけてしまった。その段ボール箱になにやらマジックで図のようなものが描いてあったのだ。

Photo_3

子どもの絵みたいだな、と思って、ろくさんに訊いてみると、それは「したんのはな」という作品の組み立て図だという。

これが本物の作品の写真。

Photo_4

昔の作品なんだけど、それを引っ張り出して展示したときに、組み立て方を指示した図とのことである。この作品はパーツに分けてバラバラにして仕舞っておいて、展示するときに組み立てるのだそうだ。その箱を使って、今回の新作を運んできたわけなのである。それにしても魅力的なドローイングではある。

ボヤが収まってから倉重光則がやってきた。ろくさんと倉重は日大芸術学部の同級生なのである。

倉重は、打ち合わせを途中で抜けてきたとのことだった。

二人は昔話を延々と続けている。

「ろくさんの今回の作品、良いけどさ、完成度が高すぎるよ」

と批評をしている。完成度が高いというのはほめ言葉ではない。

「吉岡の作品も完成度高すぎるよ」

ととばっちりを受ける。

倉重本人の作品の完成度には言及しない。

倉重が途中で抜け出してきた打ち合わせというのは、コンサート、バーンスタイン「ミサ」のことである。

Photo_5

バーンスタイン

歌手、演奏家、ダンサーのための劇場用作品

シアターピース「ミサ」

7月14日(金)19:00開演

7月15日(土)14:00開演

フェスティバルホール(大阪市北区中之島)

総監督・指揮・演出:井上道義

大阪フィルハーモニー交響楽団

大阪フィルハーモニー合唱団

そしてなんと

美術:倉重光則

なのである。

ネオンと人型イーバを使ってステージを作る。

井上道義さんは、女木島に行ったときに倉重の作品を見て気に入って声をかけてくれたのだそうだ。

人生は出会いなのである。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月 9日 (火)

無責任な泉

今日から菅沼 緑 展。

昨日は、作品を5階まで運び上げるので、へとへとになってしまったが、なんとか展示を終わった。

Photo

緑さんは、今日と最終日の20日の二日しか在廊しませんのでご了承ください。

Photo_2

今回の作品タイトルは「無責任な泉」。なんとも意味深長であるが、わたしはその意味を訊かない。

緑さんの今回の作品の特徴はなんといっても、のびのびしていることである。肩が凝らない。深刻ぶらない。

「おれさ、作品はやっぱり楽しくなくちゃいけないと思うんだよ。もう、好きなことをやるの」

若いときは、作品を作るにあたって、妙に考えすぎて、自分を縛ってしまって作品が堅苦しくなってしまいがちなのであるが、「自由」になるにはそれなりの年月が必要なのだろう。

緑さんの「無責任」というのは、責任なんか取らないよ、もう自由になるんだからね、好きなものを好きに作るの、という積極的な良い意味にとるべき言葉なのだろうとわたしは思ったのだった。

「無責任な泉 17-23」 木にアクリル 138×84.5×22.5cm 2017年 ¥600,000

Photo_3

明るくてユーモアのある作品を作るのは実は大変なことなのであるが、それを感じさせないのは年季と技術なんだな。

「走る泉」 木にアクリル 2017年 ¥1,000,000

Photo_4

「泉」というのは、地下からとめどもなく湧き上がってくる命の喜びなのではあるまいか。自分では止めようもなく湧き上がってくるもの、それが美術なのだろうと思うのだがどうだろうか。

Photo_5

「無責任な泉 17-20」 木にアクリル 57.5×24×10cm 2017年 ¥150,000

Photo_6

「無責任な泉 17-12」 木にアクリル 47×39×9cm 2017年 ¥150,000

Photo_7


単純な形単純な色彩はわたしたちをゆるやかに癒してくれるのだった。
















| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月 6日 (土)

銀座生活

ようく考えると、ゴールデンウィークなのにずっと作品作っているだけで、なんなんだかなあ…と思うのだけれども、銀座で制作しているというのも、贅沢といえば贅沢とも言えるのである。教員のときは休みにこうして制作していることは「休日」だったわけで、それは今でも休日であることに変わりはないわけで、一人でこつこつ作品作っていられることはありがたいことなのである。ずっとひとりで職人のように仕事をすることは、どうもわたしは好きみたいなのである。でも、山奥で誰にも知られずに居ることはどうなのかな。寂しくなってしまうだろうか。今一人で居ても、やっぱ一人がいいじゃんと思っていられるのは、ここが銀座だからなのかも知れないね。

7月の個展のために制作している「colored bar」は、全部で7色に色分けする予定でいて、連休明けには6色塗り終わっている予定にしていて、終わるかなあ、たぶん終わらないだろうと思っていたのだが、なんと勢いがついて、今日6日に終わってしまった。明日は休める!

5月2日は新宿の眼科に行ったあとでギャラリーに来たのだったが、時間がなくなって制作はしないで、日影眩さんの家に行く。

コレクターの中村徹さんが、日影さんちに行くというので、「吉岡さんもいっしょに行きましょうよ」と誘われていたのだった。日影さんは、ニューヨークから東京に住居を移したときに、いわゆるタワーマンションを購入して豊洲に住んでいる。

50階にはラウンジもあるんだよ、と日影さんに聞いていたので、タワーマンションというのはどんなものなのだろうかという興味もあった。

銀座4丁目からバスに乗って「日本ユニシス前」で降りると教えられていたので、深川車庫行きに乗り込むと

「吉岡さん!」

と声をかけられる。あ、宇野さんだ。なんという偶然でしょう。宇野さんも豊洲に住んでいるのである。

「吉岡さんが薦めていた本買いましたよ」

「元素の本?」

そうそう。『元素をめぐる美と驚き』のことである。宇野さんも興味があるみたいで、その話をしていると、彼は『元素生活』も買ったのだそうだ。先を越された!『元素生活』はずっと気になっていて、買おうかなあ、どうしようかなあ…と迷っていたのである。買わなくちゃ。

日本ユニシス前で宇野さんより先に下車。日本ユニシスの向かいにあるのが、日影さんが住むタワーマンションである。げ、高い。玄関まで日影さんの奥さんが迎えに来てくれる。エントランスは高級ホテルのようである。

マンションの中に24時間営業のローソンがあってびっくり。

中村さんは先に来ていて、すでにお刺身を肴に飲んでいた。

日影さんはマンションの部屋で制作している。来年の3月のステップス個展の作品も制作中であった。モチーフがニューヨークから東京に移ったわけだが、東京の風景も気に入っているようであった。

用意してもらったお刺身で手巻き寿司を作って、焼酎を飲みながら齧っていたら、ちょっと酔ってしまった。

50階のラウンジに移動。おお、すごい眺めである。

Photo

ここも24時間営業で、マンションの住人しか利用できない。

ビールを飲みながら、夜景を楽しむ。東京タワーとスカイツリーを同時に見られるというこの50階は贅沢すぎる。

真ん中の上方にあるのが東京タワー。

Photo_2

こちらはスカイツリー。

Photo_3

いやあ、ビールが美味かった。

さて、わたしは明日一日休んで、月曜日は菅沼緑展の搬入。緑さんは朝に岩手を出てくるので、昼過ぎから搬入作業かな。

どんな作品を持ってくるのだろうか。







| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月 1日 (月)

7年め

4月29日(土)

Art Cocktail 2017 最終日。

昨年に引き続きの2回目。来場者は昨年よりかなり多かったのだが、作品の売れ行きは下回った。節約志向というか買い控えというのか、そういう雰囲気が世の中に蔓延しているのはギャラリーにじっとしているだけでよく分かる。

作品はかなりのレベルに達していると思うのだが、なかなかねえ…

しかしめげずに来年もがんばろう。

終了時間近くになって、来場者が増えて、なんだか初日のオープニングパーティーか?と思わせる賑わい。

Photo

バルコニーもこんなふうである。

Photo_2

搬出もほぼ終了して、何人かが残って飲み会になった。お酒を用意していたわけでもないのだが、ギャラリーの「残っているお酒」でみんな美術談義に花を咲かせる。

こんな感じだったら、最終日に作家だけのパーティーをやってもいいのかな、と思いながら来年のカレンダーに予定を入れようとしていると、電話が鳴る。倉重光則から。

「来年、5月に決まったから」

来年、ロサンジェルスで、日本人作家を紹介するグループ展が2つのギャラリーで開催されるので、吉岡も参加するように、ということ。断ることは出来ない。

ロスが5月だと来年のアートカクテルは少し会期がずれるかもしれないな。

5月1日(月)

2011年の今日は、Steps Galleryの内覧会だった。展示はなく、ただ箱だけ見てもらう会だったが、たくさんの人が来てくれたなあ…

あれから6年。6年といえば、幼稚園児が小学校に入学して卒業するまでの時間が経過しているわけである。

なんだかあっという間だったなあ…

今週はゴールデンウィークでギャラリーはお休みしているが、わたしは毎日来て作品制作をするのである。

ところで、今月は、ベルリンから川辺美咲さんが一家で日本にやってくる。7月の「FAVORITE 2017」展用の作品を運んでくる。

だから、展覧会の会期中は美咲さんは会場に居ないのである。6月まで日本に居る予定なので、「囲む会」でもやろうかと思っている。

今年のFAVORITE展は7月5日(水)-15日(土)

参加作家:石原ケンジ/川辺美咲/佐藤全孝/達和子/田辺光則/ミハイロ・カラノヴィッチ

☆TV番組紹介

今回アートカクテルにも参加した大森梨紗子さんの一家がTV番組に出演します。

5月7日(日)夜7時から2時間。BSフジ「われら百姓家族」というドキュメンタリーです。

梨紗子さんがお嫁に行った兵庫県の大森家は自給自足のお百姓さん。面白い一家なので、ぜひご覧下さい。

さて、そろそろ自分の作品にとりかかるかな。

ゴールデンウィーク中はブログはお休みします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月26日 (水)

掃除のおばさん交代劇

もうすぐゴールデンウィークであるが、2011年の5月1日からSteps Galleryがスタートした。展覧会は2011年10月1日からだったが、このスペースを借りたのは5月1日からだった。だから、来週の5月1日から、ギャラリーは7年目に入るのだ。

Photo

そしてこの6年間、ギャラリーの入っているこの琉映ビルの掃除を担当してきたおばさんが交代することになった。

正直に言ってわたしはこのおばさんが苦手だった。とにかく愛想がないのである。そして掃除もかなり雑である。モップを洗ったバケツの水を、ギャラリーの流しに流してしまうので、シンクはいつも砂でざらついていたりした。

一昨日のことであるが、わたしが朝ギャラリーに着いて準備をしていると、ドアをトントンと叩く音がするので覗いてみると

「今日から掃除を担当することになりましたので、よろしくお願いします」

とほがらかそうなおばさんだった。

「ああ、代わるんですか?」

「そうです。わたしは月・水・金で、もう一人が火・木・土に来ます」

「え?ということは掃除は毎日入るんですか?」

前のおばさんは、月・水・金だけだったけどなあ。今度は毎日になるんだ…

「前の方は月・水・金だけだったですけどねえ…」

「そんなことないですよ。契約は毎日のはずです。3日しか来てなかったんですか?」

「そうですよ」

「それはサボってたんですよ。給料は週6日分もらってたはずですよ」

ビル会社の人もときどきビルに来ているが、おばさんが居ないときが多いので、問い詰めると

「それじゃあ辞めます!」

と逆切れしたらしい。

ということで、これからは掃除は毎日愛想のよいおばさんが担当することになったのだった。

そのおばさんが言うには、このビル(の掃除)は汚いということだった。前の人のいい加減な掃除が許せないらしい。

「この流しは共有なんですよね?」

「はい。うちで掃除してましたけど」

「ここも汚いから掃除しますね」

あとでシンクを見てみるとピカピカになっていた。

トイレもピカピカでトイレットペーパーは切れ目が三角に折ってあった。

わたしはとても気分がよくなって、よし、がんばるかな!という気持ちになったのだった。

☆休廊

ゴールデンウィークはギャラリーはお休みです。

4月30日(日)-5月8日(月)

次回展覧会は5月9日(火)-20日(土)

菅沼 緑 展でスタートします。

パーティーは行ないませんのでご了承ください。緑さんお酒飲まないし…

☆本

井伏鱒二『黒い雨』を読み終わる。

さすがだなあ。

すごくびっくりした箇所があった。主人公は姪の矢須子といっしょに住んでいるのだが、原爆症の症状が出たことを聞いたときの描写が、あまりにも鮮烈で、シュールレアリスティックでもあり、忘れられない3行である。その情景は寺山修司の映画を思わせる。

「矢須子は次第に視力が弱って来て、絶えず耳鳴りがするようになったと云っている。はじめ僕は茶の間でそれを打ちあけられたとき、瞬間、茶の間そのものが消えて青空に大きなクラゲ雲が出たのを見た。はっきりそれを見たー」

次に読むのは

斎藤泰博『ダ・ヴィンチ絵画の謎』(中公新書)なのだが、つい買ってしまったこの本も面白そうなのでどうしようか迷っているところである。

Photo_2

ヒュー・オールダシー=ウィリアムズ『元素をめぐる美と驚き』上・下(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

元素に関する科学の本なのに、美術の話題が豊富に出てきて、かなり刺激的な本である。アステカの黄金からゴッホの絵具まで、というサブタイトルがついている。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年4月24日 (月)

レクチャー「略歴を書く」

Art Cocktail 2017 寺崎誠三氏撮影の動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=39T3r9TGNhE&feature=youtu.be

4月22日(土)

今日はレクチャー「略歴を書く」の日。

先週の水曜日は大使館の搬入で、日曜日はArt Cocktailの搬入。今週の水曜日は大使館の内覧会。そして今日のレクチャーでゴールデンウィーク前のイベントは終了。

ほっとしたせいか、疲れが出て極度に眠い。

午後、十河雅典夫人が来廊。

十河さんは怪我をしていて来られないから代わりに来ました、とのこと。

トイレに行く途中で転倒してしまい、頭を強く打って救急車で運ばれたらしい。頭を何針か縫ったそうである。いまは自宅に帰っているが、東京までくることは難しいとのこと。

大丈夫だろうか……

今回のアートカクテルに出品している中村宏太氏の知り合いの方が来て、中村君情報を教えてくれた。中村君は、以前わたしが美学校でセルビアの話をしたときに、友人に連れられて参加したのが知り合ったきっかけだった。で、今回のアートカクテルに出品をすることになったのだった。

だから、わたしは、中村君がどんな人なのかよく知らなかったのだったが、その友人によると、彼はハーヴァード大学を受験して合格したのだが、何とハーヴァードを蹴って東京藝大の油画科を選んだとのこと。

げ…

セルビアのレクチャーのときから、彼はわたしのことを「吉岡先生」と呼ぶのだが、それはぜひともやめていただきたい。

彼のおじいさんは芸術院会員だそうである。

世の中にはいろんな人が居る。

レクチャーは17:30から。参加者が5~6人だったら、テーブルを出して、ワインでも飲みながらだらだらとやろうと思っていたのだが、10人を超えてしまったので、普通に椅子を並べて授業みたいになった。

Photo

例によって、レクチャーの内容は参加した曽根原正好氏のブログに詳しいので、そちらを参照してください。

mmpolo

で検索してください。

参加者には宮田徹也氏とか早稲田大学の長谷見先生だとか「やっかいな」人物もいてやりにくかったのだが、わたしとしては言いたかったことをすき放題にしゃべったので、それなりに楽しかった。

思いがけない質問もいろいろあって面白かった。

「作品リストに値段が書いてあって、売れたら赤いシールを貼っていますが、価格の数字の上にシールを貼って値段が分からないようになっちゃってるの、あれどう思います?」

という質問には

「お客さんの側から言うと、値段て知りたいものだから隠す必要はないですね」

と答えると、

「うちのギャラリーでは数字の上に貼ってますね…」

と声を上げたのは、加島美術のスタッフの方だった。加島さんで扱う作品は、ステップスの作品の値段に0を二つくらい足さなければならないだろうから、ちょっとレベルが違うような気もするが…

終了後はみんなで軽くワインを飲む。

関水由美子さんが先週の個展のときに持ってきていた「外国の強いお酒」の蓋を開けて飲む。どこの酒だろうね、とみんなで壜のラベルを見たのだが、読めない…何語だろう。

長谷見先生が、どれどれと壜を持って手の中でまわして

「ああ、これはスウェーデンのお酒だね」

とのこと。

「これは凍らしてシャーベット状にして飲むんだよ」

彼はお酒に詳しいのである。

「ストックホルムなんてね、街から通りを一つ隔てると真っ暗なんだよ。お酒を飲むしかないんだろうね。ちなみに、世界で一番アル中の多い国はフランスとスウェーデンだよ」

ミニ知識を披露する。

本来凍らせて飲むスウェーデンの40度のお酒を、ぐびぐび飲んでいるのは宮田徹也。

レクチャー「略歴を書く」は、来年2月にもやる予定。

セルビアのミリツァ・ニコリッチの個展は無事に開催されたらしい。

Photo_2

挨拶をしているのはミラン・トゥーツォヴィッチ

Photo_3

なんだかユーモラスである。




| | コメント (1) | トラックバック (0)

«セルビア大使館へ