2017年3月27日 (月)

MUTEX展スタート

テキスタイルの4人展、MUTEXが今日から始まった。

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テキスタイルと言われなければ、いつもの絵画とか彫刻の作品かな、と思うのだが、近づいて見ると、なるほど布とか繊維関係の肌合いなのである。

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テキスタイルだから、工芸に分類することが出来るわけだが、純粋に「作品」として見た場合、いわゆる現代美術の作品と何も変わるところはないし、作家たちも、そのつもりなのである。

伊藤光恵 「Days-peaceful time Ⅰ」 麻・木綿・レーヨン(スマック織り) 85×170×4cm 2016 ¥500,000

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伊藤光恵 「Rhythm Ⅱ」 麻・木綿・レーヨン(スマック織り) 30×30×3.5cm 2017 ¥30,000

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石井香久子の作品

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石井香久子 「Japanese paper strings-musubu-Ⅱ」 水引(結び) 30×30×30cm 2017 ¥80,000

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下村好子 「Fly」 綿・麻・フェルト生地(ノッティング) 88×135cm 2017 ¥400,000

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下村好子 「harmony」 綿・麻・ウール・フェルト生地(ノッティング) 70×47cm 2016 ¥80,000

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鈴木純子 「-空- home,steel tower」 インドシルク、絹、染料(シルクスクリーンによるほぐし絣) 233×80×1cm 2016 ¥500,000

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鈴木純子 「Black and White -w-」 27×30×2cm 和紙、笹和紙、墨汁 2017 ¥50,000

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テキスタイルによる現代美術という言い方がしっくりくるかも知れない。

会期中は、作家が必ず何人か在廊していますので、声を掛けてください。特に技法についてはお尋ねください。間違っても吉岡に聞くことのないように…







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2017年3月25日 (土)

MUTEX意味

来週からのMUTEX展は4人のグループ展です。

MUTEXってなに?というご質問にまず答えなければならないだろう。

MUTEXのMUはムサビのMU、つまり武蔵野美術大学のことである。

TEXはテキスタイル、ということで、武蔵野美術大学でテキスタイルを学んだ4人ということなのである。

ステップスでテキスタイルの展示をやるのは、これが初めてのことになるかな。

石井香久子、伊藤光恵、下村好子、鈴木純子というベテランの作品が並ぶ。

このグループ展はこれが初めてではなく、何回か開かれていて、セルビアでも一回このメンバーで展示をしたことがある。

作品のキャプションを作っていて、スマック織りだとかノッティングだとかほぐし絣だとか聞きなれない用語が出てきて戸惑っているわたしなのであった。

作品は月曜日に紹介したいと思う。

2度目のお知らせになるが、パーティーは28日(火)です。メンバー全員が揃いますので、ぜひおでjかけ下さい。

昨日、わたしは神田のピナコテーカギャラリーで一井さん、佐々木君が参加している「窓と階段」を見に行った。稲毛から新日本橋まで総武線で行って、そこから歩く。新日本橋から神田に向かって歩くというのは、ときわ画廊に向かうルートである。ときわ画廊といっても、若い方はわからないかもしれないが、1998年に閉廊した伝説の画廊である。わたしは数回個展をやっている。ついでなので、ときわ画廊のあった場所は今はどうなっているのか、見に行った。

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ホテルがあり、その駐車場になっていた。ここの1階がときわ画廊だったのだ。ここにガラス張りの「ときわ」があったわけよ。なんかため息が出てしまった。

ピナコテーカを見てから東京駅まで行き、八重洲ブックセンターへ。文庫本を3冊買う。

ミハイル・バフチン『ドストエフスキーの詩学』(ちくま学芸文庫)

フランシス・ホジソン・バーネット『小公女』(新潮文庫)

岡田睦『明日なき身』(講談社文芸文庫)

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良い本というのは書き出しの1行目から違うね。

『ドストエフスキーの詩学』はこうである。

「ドストエフスキーに関する膨大な文献を読んでいると、そこで問題にされているのは長編小説や短編小説を書いた一人の作家=芸術家のことではなくて、ラスコーリニコフとかムィシキンとかスタヴローギンとかイワン・カラマーゾフとか大審問官とかいった、何人かの作家=思想家たちによる、一連の哲学論議なのだという印象が生まれてくる。」

んー、うなってしまうね。

『小公女』の最初はこんなことが書かれているって知ってた?

「物語には書かれていないことが常に含まれているものです。」

んんー。

『明日なき身』の冒頭はこんなである。

「ハエがいる。ハエと棲んでいる。」

なんかすごい。

岡田睦(オカダボク)は初めて出会う作家なので、末尾の略年譜をまず見てみた。講談社の文芸文庫には作者の年譜が詳しく載っていて、数ページを使って書かれていて、読み応えがあり楽しみなのである。

…あれ?年譜は?ない!ウソ、そんなことないでしょと捜したら、あった。え?これだけ?何と岡田睦の年譜は5行だけだった。

1932年1月18日、東京生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同人誌「作品・批評」を創刊。1960年「夏休みの配当」で芥川賞候補。私小説を書き続けるも、三度目の妻との離婚以降、生活保護を受けながら居所を転々とし、2010年3月号「群像」に短編小説「灯」を発表、以降消息不明。

……

セイホの支給日の数日前からお金がなくなり、セブンイレブンの100円のおにぎりを一日1個だけ食べる、みたいなことが書いてあった。

こういう「芸術家」を評価せずに打っちゃっておくのが日本の文化レベルなのである。

さきほどの、「ときわ画廊跡」の写真は、知らない人にはあまり意味のない写真なのであるが、この写真はどうであろう?

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ギャラリーの流し台である。なんの変哲もないシンクであるが、このシンクは一週間前のシンクとは全く違うのである。

排水口が詰まっていないのである!

このあいだ、詰まりがひどくなり、たまった水が全く流れなくなってしまったので、ビルの管理会社に連絡。担当の人が例のすっぽんすっぽんで必死に排水口になんとか通り口を作ろうとがんばったのだが、埒が明かず、結局業者を呼ぶことになった。

このすっぽんのことを、ラバーカップというんですよと教えてくれたのは松尾夕姫であった。管理会社の担当も、ラバーカップでがんばったんですけどねえ…とか普通に言っていたので、みんな知ってる言葉だったのだろうか?

業者はいろんな道具を使って、配水管の詰まりをきれいにしてくれた。ものすごい量のゴミが出たようである。真っ黒いドロドロが流れだしてきたそうである。何年分の汚れなんだろう。

水がすぐに溢れてしまっていた排水口だが、今では、水をどんどん流してもすぐに排水口に吸い込まれていき、コーー!!という音とともに水は消えるのであった。

なんでもない流しの写真は、わたし飽きないで見ていることができるのである。







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2017年3月23日 (木)

魔法の力

バーネットの『秘密の花園』を読み終わって、久しぶりに元気の出る物語を読んだなあと、晴れ晴れとした気分になったので、その内容を少し紹介したい。あらすじとかわたしの感想などは省いて、作中の文章を抜書きするだけで、その内容を分かっていただき、バーネットが何を書きたかったのかを想像していただけると嬉しい。

主人公はメアリという10歳の少女。ディコンというのは女中の息子。コリンはメアリの従弟である。

脈絡なしに列挙するので、そのつもりでお読みください。

「メアリさまは駒鳥に一歩近づき、じっと見つめた。

「私、さびしいの」メアリはいった。

このときまでわかっていなかったのだが、自分がとげとげしくていらだっている原因のひとつはそれだったのだ。駒鳥に見られ、自分が駒鳥を見たときにそれがわかったように思えた。」

「マーサは考えながらメアリをじっくり見つめた。「ディコンはお嬢さんをどう思うでしょう?」「気に入らないわよ」いつもの硬くて冷たい口調だった。「誰も私を好きじゃないから」

マーサはまた考えているようだった。

「じゃあ、自分ではどうです?」マーサは本当に知りたそうな様子で尋ねた。

メアリは一瞬とまどって、よく考えてみた。

「ぜんぜん―本当に」とメアリは答えた。「でもそんなこと考えたことなかった」マーサは家での出来事を思い出しているかのように、ちょっとにやりとした。

「母さんに一度いわれたんです。母さんは洗濯をしていて、あたしがすごく不機嫌で人の善し悪しをいっていたら、振り返って、「ああ、意地悪娘が!んなとこに突っ立って、あの人ァ好きじゃない、この人ァ好きじゃないとか。自分のこたァどんぐらい好きなの?」それであたし、笑っちゃって、すぐに我に返りました」」

「ああ、これほど近寄らせてくれるなんて!駒鳥はわかっているのだ。何があってもメアリが駒鳥に手を差し出したり、少しでも駒鳥を驚かせたりするような真似をしない、と。そうわかるのは、駒鳥が本物の人間だから―ただし世界のほかの誰よりもやさしい人間だから。メアリは幸せすぎて息もできないくらいだった。」

「「花園を秘密にしておくのは好きじゃないの?」

「花園のこたァ絶対にいわない。でも母さんにいったよ。「ねえ、母さん、俺、秘密守んなきゃいけないんだ。悪いことじゃないってわかるよね。鳥の巣のありかを隠しとく程度の悪くない秘密。かまわないね?」って」

メアリはいつでもお母さんの話を聞きたかった。

「そうしたらなんて?」それを聞くのはちっともこわくなかった。

ディコンは気立てよさそうににっこりした。

「母さんらしいことさ。俺の頭ァちょっとこすって、笑ってさ。「ああ、好きなだけ秘密をお持ち。お前のこたァ十二年も知ってんだ」って」」

「「本当にディコンのいうことは何でもわかるの?」コリンは尋ねた。

「そうみたい。ディコンはいうの、相手が誰でも、本当の友だちならわかるって。ただ、本当の友だちでなきゃいけないって」」

「この世界で生きていてたいそう奇妙なことの一つに、いつまでもいつまでも生きると確信できるのはごくまれだということがある。たとえば、荘厳な夜明け前に目を覚まし、一人で外に出て、頭をうんとそらせて上へ上へと目を向け、はるか上空を仰ぎ、淡い色合いの空がゆっくりと朱く染まり、それまで見たこともない、奇跡のような光景が繰り広げられるさまを見ていると、東の空の光景に声を上げたくなり、日の出の、変わらぬ不思議な荘厳さに心臓が止まりそうになる―それは何千年も何万年も、毎朝起こっているのだ。そんな折々に人はさきほどのことを一瞬確信する。あるいは日没のときに森に一人でたたずんでいてそう確信できるときもある。枝のあいだあるいは枝の下に、深い黄金色の神秘的で静かな日差しが斜めにさし、ゆっくりと何かを繰り返し述べているようだが、それがはっきりと聞きとれないときに。あるいは、夜の深い紺色の大いなるしじまの中で無数の星が待ち、見つめているときにもそう確信できる。あるいは遠くから聞こえる音楽によってそれが真実となったり、誰かのまなざしによってそう思えたりするときもある。」

「「きっと世界にはたくさん魔法がある」ある日コリンは悟ったようにいった。「ただそれがどういうもので、どういうふうにやればいいか、人は知らない。手始めは、よいことが起こるんだと、それが叶うまでいい続けることかもしれない」」

以上

とにかく、なんか励まされる小説ではあった。

井上荒野の『夢のなかの魚屋の地図』(集英社文庫)を買った。

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初めてのエッセイ集である。面白くてあっという間に読んでしまった。荒野さんのダンナは山形出身らしい。気になる。

今野真二『北原白秋』(岩波新書)はイマイチだった。

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2017年3月21日 (火)

誕生日

3月20日(月)

夕方から松尾さんのパーティー。

大勢の方が来るということはなかったが、ほのぼのとした感じで始まる。

金澤麻由子が神戸から来てくれる。たまたま東京に用事があったということらしいのだが、ちょっと地下アイドルっぽくて華やぐのであった。今年と来年の個展の打ち合わせなどもする。外務省主催の日本の文化を紹介する展示が決まり、ヨーロッパで3箇所展示をするらしい。セルビアにも行く。去年の個展のときに、外務省の人が来て、海外で金澤麻由子を紹介しようかという話になって、彼女はアメリカとかフランスとかメジャーなところを挙げたらしいのだが、外務省としては、そういうところではなくて、あまり知られていない国でやりたいみたいなのだった。で、金澤は、ステップスがセルビアの作家を紹介していることを知っていたので、セルビア…と言ってみたら、セルビアいいですね!ということになり、決まったのだった。

大阪からM I gallery の三通(ミトオリ)さんがいらっしゃる。松尾さんに「誕生日おめでとう!」と言ってケーキを渡した。え?誕生日なんだ?!三通さんは「知らなかったの?」とわたしに言うのだが、そんな…作家の誕生日まで把握はしてないよねえ。

松尾さんは「吉岡さんから個展の日程で、ここどうでしょう?と言われたときにちょうど誕生日が初日だったので、運命だと思い決めました」とのこと。言ってくれればいいのに。

ケーキは和光のイチゴショートケーキ。おお!高級品だ。蝋燭を挿して火を点ける。ギャラリードードーの荒瀬さんがいたので、ライター出して!と言って火を点けさせる。使える人は使うのである。「ハッピバースデイゆきちゃん!」とみんなで歌って祝う。わたしが包丁で切り分ける。なぜわたしが自分から切り分けたかというと、一切れおこぼれに与りたいというせこい考えからである。

ちょっと用事があるので失礼しますと帰ろうとしていた金澤麻由子は、ケーキ食べていけば?と言うと残った。

わお!ケーキ美味しい!和光のケーキなんてなかなか食べられないなあ。

「ところで松尾さんは今日でいくつになったの?」とわたしが訊くと

「今日で27歳です」

「ぎゃあああああ、ニジューナナ?!」

ため息が出るほど若い。言葉が続かないので、わたしは、30歳からはあっという間に時は過ぎるのだよなどと老人みたいなことを言ってしまう。三通さんもわたしに加担して、40からあっという間よと脅かす。

年を取ると若い人がうらやましいのである。若いというだけで、妬んでしまうので、自分は年を取らずそのままで、若い人には早く年を取って欲しいと願うわけなのである。

松尾さんは勤めていたレストランの仕事を辞めた。半年だかニューヨークに行き、英語を勉強するという。お金は大丈夫なの?と訊くと、「はい、がんばって貯めました」と。

やっぱり若い。いいなあ。

☆来週のパーティー予告

来週のMUTEX展ですが、パーティーを3月28日(火)に行ないます。月曜日はパーティーはやりませんのでご注意ください。

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2017年3月20日 (月)

松尾夕姫のオーガンジー

今日から松尾夕姫展。

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布を使ったインスタレーションを発表してきた松尾だが、次第に平面作品の中にその空間を閉じ込めるような作品に変化しつつあるようである。

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作品はオーガンジーという布を使っている。ドレスを作ったりするときに使われる薄手の透けるものである。わたしは布とか服とかそういう関係に驚くほど疎いので、オーガンジーという単語も初めて目にするのだった。

木製パネルにミラーシートを貼り、その上にさらにオーガンジーを貼り込み、その上にアクリルで描いている。

「kept stay Ⅱ」 ミラーシート、オーガンジー、アクリル 45.5×45.5cm 2017 ¥30,000

Keptstay

こちらの空間がかすかに画面に映り込んでいて、描かれた色彩が浮いているような効果を発揮している。

「ambivalence Ⅰ」 ミラーシート、オーガンジー、アクリル 45.5×38.0cm 2016 ¥28,000

Ambivalence

これはさらにその効果がはっきり現われていて、いろんなものが映っていて見るわれわれが動くと背景の映り込んだ部分も動いていく。

松尾の作品は、映り込みを含んだ空間、動き、そこに立ち現れる「雰囲気」を表現しているのであって、地と図のような普通の絵画を描いているのではない。われわれが作品の前に立って初めて成立する種類の作品である。

「try to be either Ⅰ」 ミラーシート、アクリル 33.3×45.5cm 2017 ¥24,000

Trytobeeither

これはオーガンジーを取り払って、ミラーシートに直接描いているので、撮影しているわたしの姿がはっきり映っている。ちょっとどきっとするけど、なるほど、言いたいことは分かるのである。鏡面を使う作品は、いろんな人がやっていて、ことさら新しいわけではないが、それを敢えて使って勝負を仕掛けてくる若さは清々しいものがある。

「identity Ⅰ」 紙にオーガンジー、アクリル 53.0×41.0cm 2017 ¥32,000

Identity

この作品は逆にミラーシートを使わずに、紙にオーガンジーを貼っているので、映り込みはないが、そのぶん、オーガンジーがきらきらと光っている。大人っぽいね。

松尾が提示する「空間」に何を見て何を感じるのかは、見る人の気持ち次第である。

松尾さんは本日は一日在廊。明日は3時までギャラリーに居る予定です。最終日の土曜日も一日在廊します。










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2017年3月16日 (木)

すっぽん??

昨日、女子医大の診察の帰りに、曙橋駅前の雑貨屋さんで「すっぽん」を買った。名前を知らないから「すっぽん」とか言ってしまうけど、トイレが詰まったときに便器に突っ込んで押したり引っ張ったりして詰まりをなくすあの道具である。棒の先にゴム製のおわんみたいのがついているあれである。わたしはお店のおばさんに「トイレが詰まったときにすっぽんすっぽんてやって使うあれってありますか?」と言うと、おばさんはすぐに了解したらしく、ありますありますと言って店の奥から取り出してきてくれた。

おお、これこれ。あるとすごく便利なんだけど、使わないときは全く思い出されなくて、名前がよく分からない。正式にはなんていうんだろうね。包み紙に書かれた説明の紙を見てみると「トイレのつまりとり」って書いてあった。まんまじゃん。あらあ、やっぱりちゃんとした名前はないんだね。

「カップの先端が排水口の中まで入り空気の漏れが少なく確実に通水できます。」と説明があり「和式・洋式共通」、「ニュー洋式カップ CL-423-000-0」という商品番号。さらに「洗面台用にも カップ先端を内側に巻き込むと、洗面台や流し台用としてもお使いいただけます。」と書いてある。

1300円だった。

なぜこれを買ったのかというと、ギャラリーの流し台の排水口がすぐに詰まってしまって水が溢れ出すので困っていて、何とかしようと思ったからなのであった。パイプなんとかという液体の薬を流しこんだり、ストローをつなげてパイプの中を掻き出したりとかいろいろやってはみたのだが、全く効果はなく、最近詰まりがさらにひどくなっているからなのだった。

こんなこと書いてないで、すぐに試してみたら?と思うでしょうが、わたしはまず柄の部分にサインをして写真を撮った。

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どう?作品になってる感じでしょ?マルセル・デュシャンは便器にサインをして「泉」とタイトルをつけたが、さてわたしはこれになんと言う名前をつけようかと考えた。「トイレのつまりとり」ではあまりに芸がない。「すっぽん」でもなんだかなあ…「すっぽんぽん」ていうのは…ダメか。「お通じ」っていうのはどうかな?薬の名前でお笑い系のネーミングに倣って「スグトレール」っていうのもいいかもよ。デュシャンの「泉」は便器なわけだから、その便器の詰まりをすっきりさせるわけなので、「流れ」というのはちょっと上品かもしれない。

まあ、いいや。あとでゆっくり考えよう。

さて、流しの詰まりを直してみよう。コップ何杯かの水を流しただけで、排水溝には水が満ちてしまった。「すっぽん」を流れの穴に当てて、上下に動かして、力いっぱいがんばったのだが、水位はそのままである。何回かこれを繰り返したのだが、徒労に終わった。

やれやれである。

ギャラリーのトイレが詰まったときにでもまた登場してもらうしかないな。

えっと、「すっぽん」の話題のあとでなんなんだけど、来週の「松尾 夕姫 展」についてのお知らせです。パーティーをやりますよ。

「松尾 夕姫」

3月20日(月)-25日(土)

パーティー20日(月)17:00-19:00

松尾さんは1990年 大阪生まれ。大阪在住。2014年 京都嵯峨藝術大学を卒業。宇野和幸先生の教え子です。2015年に「うのぜみ」展でSteps Galleryで展示をしているが、東京での個展は初めてである。

関西を中心に活動していて、東京の知り合いが少ないので、みなさんにおいでいただけるとありがたいです。

お待ちしてま~す!

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2017年3月13日 (月)

ヘーゼルコーヒー

3月12日(日)

目薬がきれてしまったので、急遽、新宿の眼科に行って目薬をもらう。帰りの電車は都営新宿線の新宿駅から本八幡行きに乗って馬喰横山でJR総武線に乗り換えて稲毛まで行くのだが、新宿線には座れたし、なんか眠いし疲れてもいるので、このまま本八幡まで行ってしまおうかなあ…と思い、九段下を通過し、岩本町も通り越し、馬喰横山でも席を立たずに座っていた。

電車の中では、バーネットの『秘密の花園』を読む。名作だなあ…

本八幡に到着。本八幡は教員になりたての頃住んでいたところなので、なんか懐かしいのである。駅周辺をぶらぶらしようかなと思って、北口に出る。

裏道を歩いていると、焼肉屋さんを見つける。ああ、ここは昔来たことがある。もう何年前だろう。教員になってすぐだから、ええと30年以上前だなあ。同じ職場の先生たちと入ったんじゃなかったかな。炭火焼肉で、七輪におこした炭で肉を焼いたなあ。

わたしはふらっと中に入ってしまった。昼食もまだ食べていなかったのでお腹も空いていた。

先客が二人ほどいたが、しばらくすると食べ終わって出て行ってしまった。わたしはカルビランチを頼んで、インスリン注射をしておく。

お店のおばさんがまずキムチを持ってくる。大盛りである。それから七輪も持ってくる。ああ、昔と同じで七輪が出てくるわけね。でも、ランチの肉を5、6枚焼くだけなのに、わざわざ七輪て申し訳ないような気もするね。これ大丈夫?と言って小魚の佃煮のようなものをサービスしてくれる。大丈夫ですよと言うと、さっき注射打ってたからさ、と言う。糖尿でしょ?気をつけないとダメよという顔をしている。ランチが来る。。サラダのほかにナムルも大盛りである。野菜たくさんでいいでしょ?とおばさんは言う。この人はたぶん韓国人である。韓国のお店のおばさんてさ、ものすごく世話好きでおしゃべりなんだよねえ。

食べ終わって煙草を吸っていると、あんた煙草吸っていいの?と聞いて来る。注射打ってた人は煙草ダメでしょ?というわけである。医者には吸ってませんて言ってるけどね。わたしも医者に止められてやめたのよ。痰が絡むし、階段昇ると息が切れるのよ。止めたほうがいいわよ。水蒸気の煙草って知ってる?はあ、聞いたことはあるけど。いいわよお、煙は出るけど水蒸気だから大丈夫なのよ。

コーヒーでいい?ランチにはコーヒーもつくのである。はい、ホットで。大きなマグカップでたっぷり出てきた。一口すする。ん?ん、ん!?これはひょっとしたら韓国で飲んだあれだ。これってヘーゼルナッツのコーヒーですか?

そうよ、知ってるの?昔、釜山に行ったときに喫茶店で飲んだことがあります。すごく香りがいいですよねえ。いつごろ行ったの?すごく昔、20年くらい前かな。ヘーゼルコーヒーは韓国で流行っていて、すごく美味しかったのである。普通のコーヒーより高い。

これは日本では手に入らないのよね。韓国から送ってもらってるの。

おばさんは店の奥に入っていってコーヒーの壜を出してきて見せてくれる。いっしょにポシェットのようなものを持ってくる。水蒸気の煙草が入っているのだろう。おばさんはわたしのテーブルにどっかと腰を下ろすと、さっそく水蒸気煙草の講釈を始めた。

ちょっと吸ってみる?はい。煙草にスイッチがついていて、それを押しながら吸う。め一杯吸い込んでみて。水蒸気だから大丈夫。吸い込んだ息を吐き出すと、水蒸気の煙がふわあっと広がる。おお、煙草と同じだ。これなら煙草と同じような満足感が得られるかも。

でしょ?でもわたしは本物の煙草もいつも用意しているの。なんかあって急に我慢しきれなくなったときのためにね。

このままここに座っていたら、おばさんのおしゃべりは延々と続くということが予想されたので、わたしは、いつか買ってみようかなと言いながら腰を上げたのだった。

このお店は韓海(ハンカイ)という。

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2017年3月11日 (土)

黒にんにく

3月11日(土)

以前勤めていたしいの木特別支援学校でいっしょだった I 先生がギャラリーに顔を出してくれた。今勤めている学校から異動になったという報告に来たのだ。

そうか、もうそんな時期なんだなあ。学校の先生たちは、今が一番落ち着かないときかもしれない。東京都の教員は6年で異動することが多いのである。6年前の2011年にわたしはしいの木特別支援学校を退職した。あのときは55歳で、今は60歳である。

「吉岡先生はもし先生を続けていたら今年が定年退職だったんですよね?」

「そうだね…」

「今からギャラリーを始めたら出来なかったかもしれないですね」

彼女はわたしの体力のことを言っているのである。

「そうだね、たぶんできなかっただろうねえ」

I 先生は、ギャラリーに来るときは、お菓子とかパンとかのお土産を持ってきてくれるのだが、今日は黒にんにくを持ってきたと言う。

「普通のにんにくですよ。これをお釜でゆっくり蒸すんです」

「そうすると黒くなるわけ?」

「そうです。元気になると思います。プルーンみたいでちょっと甘みがあります」

そうかあ、わたしが定年の年でたぶん疲れているだろうから黒にんにくを持ってきてくれたのね。本当に真っ黒でプルーンのような味がした。

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そういえば6年前の今日は、みんなで学校に泊まったねえ、などという話をして懐かしがったのだった。

黒にんにくで元気を出してまたギャラリーがんばろうかなあ。

アートカクテルの作品を続いて紹介します。

これは鍵井保秀作品。3点。ひまわりがモチーフである。

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フイルムに描いた絵を何枚か重ねてある作品で、昨年は人気があり、すぐに売れてしまった。

これは十河雅典作品。真ん中の作品が寺崎誠三氏購入のもの。

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達和子展は大盛況で、今週は来場者が250人を越えている。来週も達さんの展示が続きます。月曜と水曜は達さんはギャラリーに居ません。

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2017年3月 9日 (木)

アートカクテル2017とレクチャー

先の話だけど、4月にArt cocktail 2017があり、現在準備中である。昨年に引き続き第2回目の今年は37名の作家が小品を展示する。

Art Cocktail 2017

4月19日(水)-29日(土)日曜休廊

搬入は4月16日なので、その前日までに作家は作品を持ってくるわけなのだが、すでに作品を持ってきた作家が何人か居る。早い。一番最初に作品を送ってきたのは十河雅典で、2月にもう送ってきた。みんなこれくらい早いといいんだけどな。早速ダンボールの中の3点の作品を開けてみる。そこに居合わせた寺崎誠三が

「あ、それ、おれが買う」

と言って、一点購入。展示前なのに売れてしまった。

次に持って来たのは鍵井保秀、でその次が中村ミナト。

昨年は作品が多くて、作家さん全員を紹介することができなかったが、そうか、少しずつ写真を載せればみんな紹介することが出来るかもしれないね。

ということで、今日は中村ミナトの作品を紹介することにする。

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鉄の作品2点。現在のミナト作品とずいぶん違う。アトリエの中から、ごそごそ探し出してきたらしい。いつ頃の作品?と訊くと

「わかんない…」

制作年不明である。かなり昔の作品のようである。

手前の網状の作品は、鉄の網を溶接して作ったものだそうである。

アートカクテルは、作品の大きさが15cm以内という決まりがあり、みんなそれに合わせて作るのだが、ミナトさんのように昔の作品から小さいものを探し出して持ってくる作家もいて、それがとても新鮮に見えて楽しい。

4月22日にはわたしはレクチャーをやることにした。ずっと前から考えていたわけではなく、先週突然思いついたのである。

2月の大塚麻美展のときに「プロになる」というタイトルでレクチャーをしたのだが、わたしは言いたいことがたくさんあるのだなあと実感したのだった。で、今回は以下のような話をすることにして、チラシを作ってみた。

レクチャー「略歴を書く」-美術の事務作業を復習する

講師:吉岡まさみ(Steps Gallery 代表)

内容:略歴の書き方・作品のデータ・DMのデザイン・「コンセプト」ということば等々。ギャラリーの所在地はどう書くのか。作品タイトルは「無題」ってどうなの?パネルという素材はない。「号」では縦か横か分からない。サムホールってなに?額は日本と海外では規格が違う。作品にコンセプトなどない。お客さんの立場に立った書き方。etc… かなり突っ込みます。

日時:2017年 4月22日(土) 17:30-18:30

会場:Steps Gallery

申込:完全予約制。4月18日(火)までにメールでお申込みください。

stepsyoshioka@nifty.com

参加費:300円

来月、またお知らせをしますね。

どんな話をするかというとですね、「生まれ」と「出身」はなにが違うのかとか、「主な個展」の「主な」ってどういう意味?とか展覧会歴ってたくさん書いてあったほうがかっこいいのか?さらに、作品の素材で「ペン」というのはない。鉛筆は?サイズはmmで書いてはいけないの?DMやハガキの「表」と「裏」ってどっちのことよ。私の作品のコンセプトは…とか言うと頭悪いと思われちゃうよ。など、細かいところをほじくり出して検証していきたいと思っています。

 

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2017年3月 6日 (月)

達 和子のコルセット

今日から達 和子(ダテカズコ)展。

大型の迫力ある作品が並んだ。

「CORCET 1」 木にアクリル、鉛筆 180×270cm 2017 ¥800,000

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今回のテーマはコルセット。

コルセットの機能も含んだ形態の面白さをよく伝えている。実物のコルセットを見て描いているわけではない。見ていないからこそ描ける自由な形であるといえよう。

「CORCET 4」 紙に油彩、鉛筆 112.0×145.5cm 2017 ¥350,000

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モチーフから形が逸脱していく。描いていて一番楽しい瞬間かも知れない。

「CORCET Ⅱ」 紙に油彩、鉛筆 22×27cm 2017 ¥15,000

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作家はどんなものからヒントとインスピレーションを獲得するのか、全く予想できないところが楽しいわけである。

「CORCET Ⅰ」 リトグラフ 22×25cm 2017 ¥12,000(シート)額は¥8,000

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CORCETでない作品もあります。

「胞」 木にアクリル、ミクストメディア 42×59cm 2017 ¥42,000

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会場では、今回の個展のために作ったパンフも配っています。入り口に置いてありますのでもらってください。

テキストは宮田徹也。










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