2019年2月20日 (水)

コーヒー リン

2月19日(火)

稲毛駅前のドトールコーヒーが閉店してからしばらく経つ。

気軽にコーヒーが飲めて煙草も吸える喫茶店がどんどん減っていくのは困ったものであるが、もとドトールコーヒーの店舗のあったところに目をやってみると、お!?これって新しい店?コーヒー リンだって。へえ!?覗いてみるとドトールのときとそれほど改装しているわけでもなく、喫煙スペースもある。

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入ってみる。以前とはちょっと雰囲気が変わっているような気がする。訊いてみると、15日にオープンしたそうである。

ハムチーズトーストとホットコーヒーを注文する。代金を払って待っていると

「席までお持ちします」

と若い男の店員が言う。

へえ…

イスにかけて煙草に火をつけて待つ。

コーヒー リンって聞いたことのない店だ。チェーン店だろうか。

店員がちょっと「ゆるい」感じなのが気になる。

喫煙コーナーというのは、どこも満員で、席を捜すのが大変なのだが、ここはガラガラだった。オープン間もないからなのだろうか。

でも煙草を吸う人たちは喫煙場所には目ざといはずだから、すぐに気がつくはずなのだが、ちょっと変である。

煙草を1本吸い終わっても、まだコーヒーが来ない。トーストに手間取っているのだろうか。でもハムとチーズをパンの上に載せて焼くだけだからすぐに出来るはずである。

トイレに行ったついでに、カウンターに声をかける。

「まだ時間かかるの?」

「あ、すぐ出来ます」

席で待っていると、おばさんの店員が、トレーを運んでくる。

「お待たせしました」

「もう15分も待ってるんだけど…」

「15分?いやあ、そんなには経ってないと思いますが」

と言って去っていく。

トレーには領収書が載っていて、ちらっと見ると、注文を受け付けた時間が記入されていた。

10:21:20

とある。10時21分20秒である。

時計を見てみると

10:38

だった。

38-21=17

である。17分経っている。わたしは店員に文句を言おうと思ったがやめた。

トーストを見ると、丸いハムを半分に切ったのが2枚。温泉の安宿の朝食に出てくるサラダの上に載った干からびたハムのようなのが並べてあって、その上にチーズが溶けているが、雪解けが始まって地面が次第に見えてくるような感じで、トーストのパンが見えている。チーズトーストはパンの全面をチーズで覆ってほしい。

寂しいトーストを齧りながら、コーヒーを啜る。なんか薄いな。

この店は1年もたないかも。

今日は女子医大で糖尿病の診察があるので、曙橋まで移動。

採血と検尿を終えて、血圧を測る。

病院内にあるレストランで昼食を食べようとしたが、満員で入れなかった。1階に降りて、病院内にあるタリーズコーヒーの席が空いていたので、茄子とベーコンのトマトパスタとアイスコーヒーを頼む。ちゃんとした味である。コーヒー リンはチェーン店ではないかも知れないと思う。

いつもは予約時間から1時間経過した頃に呼ばれるのであるが、今日は妙に時間がかかっているようで、呼ばれたのは予約時間から2時間経ったときだった。

待つのは疲れる。

女子医大を出て、薬局で薬を貰う。インスリンの注射と飲み薬と、血糖値の検査キット、アルコール綿などで、手提げ袋がめちゃくちゃ重くなった。

曙橋から新宿に移動し、眼科で目薬を貰う。

そのあと新宿高島屋の画廊に行く。東北芸術工科大学の卒業生支援プログラムの展覧会を見るためだ。村松英俊くんが出品しているからだ。

10階の美術画廊は、夕方という事もあるのだろうか、お客さんは誰もいなかった。

さて、今週は、金曜日にセルビアからミランがやってくる。なんだかいろいろと慌しいのであるが、こういうときは何もしないのがいいのである。

待っているのがいい。

周りが動き出したら、それに合わせて流れていくことにしよう。

わたしは、来週の金澤麻由子の作品キャプションでも作るかな。

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2019年2月18日 (月)

雲になる

2月16日(土)

ジャパンアートミュージアム展が終わり、搬出。その後、イシカワさんの搬入。

搬入の途中で、ロサンゼルス展グループが参集。イシカワさんの搬入と同時に事務所でロス打ち合わせをやるのである。犬のココちゃんも参加。

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ワインを飲みながら打ち合わせが始まる。誰も相手にしてくれないので、ココちゃんはふてくされている。

細かい打ち合わせが次第に世間話に移行していき、酒量も増えていく。

ココちゃんは、こりゃダメだと思い、イシカワさんの搬入を手伝いに行く。イシカワさんに相手をしてもらってご機嫌のココちゃん。

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2月18日(月)

イシカワマリコ展スタート。

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「雲」の作品が12点のほかに「Tシャツ」の作品が3点。

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全部和紙である。

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彩色された和紙が空中に舞っていて、それが一所に集まって雲になったかのような幻想を抱かせる。

「青みがかった雲 02」 和紙に水彩 15×13×5cm 2018 ¥10,000

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「青みがかった雲 12」 和紙に水彩 15×13×5cm 2018 ¥10,000

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和紙に水彩というのだから、ある意味これは絵画なのであるが、本人は作品はどうしても立体的にしたくて、平面作品は作りたくないのだそうである。

絵画的なエレメントから成る彫刻作品と言ってもよさそうである。なによりも、もこもこ感が良いのである。

「MOFU ‐ T White」 和紙 64×58×7cm 2018 ¥120,000

これは彩色しない和紙だけの作品。

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「IDG - BORO - T 02」 和紙に水彩 64×58×7cm 2019 ¥320,000

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2019年2月16日 (土)

イシカワマリコの紙

2月15日(金)

朝から雪が散らついた。品川に着いたときにはわりと本格的に降っていた。

駅前の喫茶店 「ダリ」に入る。いつ無くなってもおかしくない佇まいなのだが、がんばってやっているのがうれしい。昭和30年代にあったような喫茶店なのである。落ち着く。

チーズのせトーストのモーニングを頼む。3分の1に切ったバナナがついているのが昭和である。コーヒーを飲んで煙草を一服して、雪の中をセルビア大使館に向かう。今日はセルビア共和国のナショナルデーなのである。大使館でレセプションがあるので参加。この間もナショナルデーのことを書いたはずだが、あれからもう1年経ってしまったのだ。

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相変わらずの盛況である。大使館は今年移転する予定なので、品川のこの建物で開催するナショナルデーは今回が最後になる。

来週からイシカワマリコ展。紙を使う作家である。ステップスでは2回目の個展である。前回は2012年の2月だった。憶えていらっしゃる方もあると思うが、紙でドレスを作った作家である。音楽大学を出た異色の人である。

今回は、和紙を染めて 「雲」を作る。

Dm

来週は雪は降らなそうだね。




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2019年2月13日 (水)

環世界

2月12日(火)

7月にやるわたしの個展 「待合室」のための録音をする。

録音て何?と思われたかもしれないが、今度のわたしの個展は、ギャラリー内に「音」を流す、サウンドインスタレーションになるのである。

病院の待合室で患者さんの呼び出しをするというものである。

声を吹き込んでくれるのは、ダンスのワカコイシダさん。録音は、下田哲也君と唐詩薏さん。

ワカコさんは、実家のある会津若松から駆けつけてくれた。会津から直接ステップスに来てくれた。録音のために今日東京に戻ってきたのだそうだ。申し訳ない。

さっそく原稿を渡して、しばらく練習をしてもらったあと、本番。ギャラリーで録音するので、いろんな雑音が入るかもしれない。ドアを開け閉めする音とか、咳払いとか…わたしは、そういう音も臨場感があっていいんじゃないかなと言うと、唐さんは、それを「効果音を出せ」という指示を受けたと勘違いしたらしい。

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ワカコさんは順調に読み上げる。いい感じだなと思っていたら、ギャラリーに移動していた唐さんが、鼻をかむ音が聞えた。

あとで聞いてみたら、わざと鼻をかんだらしい。

「病院だから、風邪ひいてる人もいるから…」

「赤ちゃんとかも来てるからはずだから、赤ちゃんの泣き声もやろうと思ったんだけど、できませんでした」

そういうことをやってほしいと言ったわけではないのだが…

面白い娘である。

わたしの個展は、ギャラリー内にスピーカーを置いて音声を流すだけである。壁には、待合室をイメージした作品をテープで作る予定である。

事務所内には、今作っている小品を24点並べることにしている。まだ下絵の段階なのだが、ワカコさんは、一つ予約ね、と言って買ってくれることになった。

まだ途中なんだけど、と言うと「いいの」と言ってくれる。ありがたいことである。

ユクスキュルの 『生物から見た世界』(岩波文庫)を読み終わる。

とても興味深かったので、紹介したい。

マダニについてである。マダニは森のなかに居て、木の枝にぶら下がっている。その下を動物が通ると、マダニは動物めがけて落ちていって、その血を吸う。動物がいるかどうか、どうやって知るのかというと、その動物の匂いと体温を感知して落ちていくのだそうだ。

問題は、そう簡単に自分の下を動物が通らないことである。で、マダニはじっと待つのである。何も食べずに絶食して待つのである。待っている間に餓死してしまったらどうするのか。大丈夫なのである。マダニは仮死状態で枝にぶら下がっているからエネルギーを使わないのである。で、動物が通ったときだけは動物の体温と匂いに反応して落ちていくんだな。研究者によると、今までで、最長18年待っていたマダニがいたそうである。

すごい。

「待っている」と書いたが、ユクスキュルによると、マダニは「待っている」わけではないのだそうだ。いくらなんでも18年も「待つ」ことはできない。ようし、がんばって待つぞと決心して18年待つことは、いくらマダニといえども無理なのである。

「待つ」のではなく、そこに「居る」のである。「待つ」という意志を持っているわけではなく、そこにただ存在しているだけ。ちょっと哲学っぽいね。

マダニにとっての時間は、われわれの考えたり過したりしている時間とは異質なのである。

時間に関する研究も面白かった。

よく「一瞬」というが、人間にとって一瞬とは、どれ位の長さなのだろうか、という研究である。結論を言ってしまうと、それは18分の1秒だそうである。映画は、写真の「1コマ」を連続で流していき、動画にするわけであるが、人間は次々に現われる1コマ1コマを写真として認識するが、1秒間に18枚を超えるとコマとしては捉えられずに、動画になるのだそうだ。だから人間にとっての一瞬は18分の1秒なのだそうだ。音も同じで、1秒間に18回以上の振動は、つながった音となる。肌を針でつつくと1秒間に18回以上だと、一様な刺激として捉えることになるそうである。

魚はどうか。実験によると、闘魚の「一瞬」は50分の1秒だそうである。獲物を捕らえるときには、ものすごいスピードで動くが、闘魚にとっては、周りのスピードはかなりゆっくりに映るらしい。自分では、おれってなんてすばしっこいんだろう、とは思ってないはずである。

カタツムリの「一瞬」は4分の1秒であることが実験でわかっている。カタツムリは、自分のことを「おれってのろまだよなあ」とは決して思っていなくて、普通のスピードだと思っているはずである。

時間はそれぞれ感じ方、流れ方が違うのである。

寿命1年の昆虫は、「俺の人生は80年」と感じているのではないだろうか。

探索像と探索トーンという話も面白い。

「ある友人の家にしばらく滞在したときのことである。毎日昼食のときに私の席の前には私のための陶器の水差しが置かれていた。ある日、召使いがこの陶器の壷を壊してしまったため、代わりにガラスのデカンタが置かれていた。食事のとき私は水差しを探したが、ガラスのデカンタは目に入らなかった。友人に、水ならいつものところにあるじゃないかと指摘されてはじめて、皿やナイフの上に散らばっていたさまざまな光が突然大気の中を突進して一つになり、ガラスのデカンタを築きあげたのだった。探索像は知覚像を破壊するのである。」

動物と人間の違いだけではなく、人間同士でも、みんな同じ世界の中に住んでいるわけではない。それぞれ異なった世界に住んでいるのである。ユクスキュルはこれを環境世界とは呼ばずに環世界と呼ぶ。環境というのは、外から規定されるものだが、そうではなく、生まれながらにして持っているそれぞれの世界があるわけなので、これを環世界と呼ぶのである。

分厚くはなく、どちらかというと薄い文庫本なのだが、中身は分厚かった。

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2019年2月11日 (月)

コレクション

2月11日(月)

朝起きたら窓の外は真っ白で、雪が降っていた。木の上にはおもちゃのクリスマスツリーみたいに雪が積もっていた。

雪を見ると、いつも山形を思い出すのは、これはもう条件反射みたいなものでどうしようもないのである。

動物学者のユクスキュルは、動物の巣を「家」と言い、行動範囲であるテリトリーのことを「故郷」と呼んでいるのだが、なるほど故郷ねえ…と考え込んでしまった。

山形を離れて何年も経つのに、山形はわたしにとっていつまでも故郷であるということは、今でも山形はわたしのテリトリーであるということでもあるなあなどと考えながら電車に乗って銀座まで来たら雪は止んでいた。

今日から、ジャパンアートミュージアム展である。前にも書いたが、これは洲崎一志さんのコレクション展である。

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彼のジャパンアートミュージアムは15周年ということで、なにかやりたいとのことだったので、じゃあ、うちでコレクション展をやれば?とそそのかしてやってもらったのである。

彼はどうしようか迷っていたのだが、こういうことは、やれるときにやっておいた方がいいのである。

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本棚を見るとその人がわかるというが、コレクションを見ると、さらにそれが鮮明にわかる。なるほど、これが洲崎君ね…とわかるのである。

コレクションをするのは楽しいけど、支払いがあるので、苦しいものでもあるのだった。

塚本 智也 「シルエット #2」 キャンバスにアクリル 2012 ¥380,000

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上脇田 直子 「Crossing #1」 綿布・白亜地・油彩・アクリル・インク 2019 ¥72,000

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篠原有司男 「自画像(ボクシングペイント)」 紙に油性インク 2005 ¥230,000

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オノデラユキ 「古着のポートレート No.4」 ゼラチンシルバープリント 1994 ¥480,000

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今井 友恵 「Crystallised Sky」 石膏・木 2019 ¥24,000

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さてこれからパーティーである。雪が止んでよかった。

















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2019年2月 8日 (金)

パフォーマンス 薄いすずめ式

2月7日(木)

17:00から霜田誠二パフォーマンス開始。

昔の霜田のパフォーマンスは「オンザテーブル」みたいに、テーブルの上で裸になって動き回ったり、絵具をぶちまけるような派手なものが多かったが、最近は動きが静かになり、「小物」を使ったものとかが増えてきたような感じである。

そして、今日は小物なしで登場した。

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途中で、なにか持ち出してきたり、音を出したりするのかな、と思いながら見ていたが、とくになのもなく、静かに静かに身体が動いていくのだった。

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最小限の動きに思いを込めている感じである。とうとうこういう境地に入ってきたのか…

いつもは靴を脱いで裸足になって動くのであるが、今日は靴も履いたままである。とくに構えるわけではなく、普段のままの自分を見せているだけである。マグリットは絵を描くときには背広にネクタイ姿だったという話を思い出した。

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今回の彼の絵と同じように、内的なイメージが身体を通して現われてきているのだ。

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パフォーマンスの後は、いつものようにワインを飲みながらおしゃべり。

そういえば今日は、浜田浄さんが、上林暁の全集を持ってきてくれた。もちろん全集の全冊ではなく、今日は2冊。2冊でもかなり重い。

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ぱらぱら捲ったら、もう面白くて、早く読みたい!

浜田さんは、上林の話から始まって、小説の話をたくさんした。

昔、小島信夫と飲んだときの話が面白かった。

北村亝(キタムラヒトシ)さんという作家と、小島さんの奥さんと4人で飲んでいて、奥さんがトイレに行ったまま帰ってこないので、見てきてと言われた浜田さんは、トイレではなくて、外に出て行ったのではないかという勘を働かせて、エレベーターで下に降りてみると、案の定下に居たのだそうだ。奥さん、小島さんが心配してますよ、と言うと奥さんは「帰り方がわからなくて…」と言ったそうだ。そのあとまた一緒に飲んだのだが、北村さんと小島さんが難しい議論に入っていく。で、途中で奥さんが「どういう話?」と訊くと小島さんはその難しい議論を噛み砕いて易しく、丁寧に奥さんに説明するのだった。

「いやあ、かれは優しいんだね。僕もその話を聞いて議論の内容がわかったんだけどね…」

浜田さんの話は続いていく。




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2019年2月 7日 (木)

ジャパンアートミュージアム展

2月7日(木)

中村ミナトさんと服部純子さんが来廊。4月のアートカクテル展のDMを受け取りに来た。ミナトさんから、はい、バレンタインチョコと言って、チョコをもらった。おお、嬉しい!嬉しいから写真を撮ってしまった。

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知り合いの人が作っている手作りチョコだそうである。

カードが入っていたので、書き写してみる。

Orangette

1月に収穫した酸味の強い夏みかんをオランジェットにしました。果汁と白ワインで煮詰めた風味豊かなピールをお楽しみください。

原材料

無農薬夏みかん(房総産)、KAOKAオーガニックカカオチョコレート・VALRHONADULCEY、砂糖、白ワイン、蜂蜜、リキュール

齧ってみると、夏みかんの酸味とチョコレートのほどよい甘味が目の前でダンスをしているようだ。

パノフスキーを読み終わったので、次に薄めの軽い本を買ってみた。

ユクスキュル/クリサート 『生物から見た世界』 (岩波文庫)

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冒頭に取り上げられているのは、マダニである。マダニには目が無い。耳も聞えないそうであるし、味も分からないそうだ。温度と匂いだけ分かるそうである。なんだか面白くてやめられない。

なんか忙しくて、なかなか自分の作品に取り掛かれないのだが、下絵のつぎの段階だけ見ておいていただこう。

彫刻刀であたりをつけているところである。指で触ってもわからないくらい浅く彫っている。

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緊張する。今日はこれからDMの封筒のセロテープ留めと来週の「ジャパンアートミュージアム展」の作品キャプション作りをする。ジャパンアートミュージアム展については、説明を要するので、ちょっと書いておきたい。

いつもギャラリーに来て、作品の写真やパノラマ動画を撮って、注文を受けて撮影をしているのが洲崎一志さんなのだが、彼の事業所名がジャパンアートミュージアムなのである。美術館ではない。今回は15周年ということで、なにか記念にやりたいということだったので、それならコレクション展をやろうということになったのだった。

ジャパンアートミュージアム15周年記念展

2月11日(月)-16日(土)

パーティー:2月11日(月) 16:00~

展示作家

足立絵美・今井友恵・オノデラユキ・大成哲雄・奥村彰一・上脇田直子・菅野静香・後藤瞳・篠原有司男・杉浦邦恵・財田翔悟・塚本智也・東恩納裕一・三鑰彩音・他

作品は販売します。

洲崎氏は毎日在廊する予定です。

今日は、霜田誠二のパフォーマンスがあるが、その様子は明日紹介します。

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2019年2月 4日 (月)

霜田誠二・内的素描

2月2日(土)

On the Steps 2019 最終日。

予定では来ることになっていなかった洪さんが京都から来る。

搬出は、同じく京都からの村松君と、唐さん、下田君の4人で。4人いたので搬出は予定より早く終った。霜田誠二の作品搬入は本人が来ないので、わたし一人かなあ…と思っていたのだが、On the Steps メンバーに手伝わせようと考え、先ず村松君に、今日は何時に京都に帰るの?と訊くと、9時前に出れば大丈夫ですというので、じゃあ搬入手伝って、と頼む。唐さんと下田君には、もちろん手伝うよね!と言う。みんなOKした。パワハラである。

40点の作品を次々に展示をした。

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青い作品ばかりである。7時過ぎに終る。

こんな感じである。

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この作品の前で霜田誠二はパフォーマンスを行う。

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村松君が帰る時間までに時間があるので、ヤンヤンで食事をすることにした。

みんな好きなだけ飲んでいいよ。

吉岡さんに任せるというので、いつものように、餃子と豆苗炒め、にんにく胡瓜、トマト、上海焼きそばを食べる。村松君はビール好きなので、生ビールを何倍もぐいぐい飲む。

みんな京都なので京都の話で盛り上がる。

唐さんは台湾出身なので、中華料理に関してはうるさい。

ピータンが美味しいという話になる。わたしは食べられない。下田君も嫌いらしい。

下田君がスマホで調べて、ピータンは泥みたいなものに浸けておくのだが、その中に一酸化鉛が入っているということが判明。それって身体に悪いんじゃないの?今は入れてないいから大丈夫、と唐さん。

牛肉ラーメンの話題に移る。唐さんはラーメンは牛である!と主張する。豚とか鶏ではない。牛が美味しいと言う。

わたしはラーメンは豚か鶏が合うと思う。

米沢で、昔、米沢牛ラーメンを食べた。ラーメンの上に米沢牛のステーキが載っている。米沢牛はもちろん美味しい。ラーメンもいける。しかし、牛肉と麺をいっしょに食べると、なんか変なのである。なぜこの組み合わせでなければならないのかわからない。

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唐さんは反論を繰り広げる。

ずっと話をしていると、唐さんが話題にのせる食べ物は、彼女が自説を強調して相手を説き伏せるというのが目的ではなく、ただ単にそれが食べたいのである、ということが判明する。

わたしは、ピータンと牛肉ラーメンを追加注文する。

議論が止む。

気がつくともうすぐ9時である。村松君が帰るじかんなので、みんなでヤンヤンを出た。

2月4日(月)

霜田誠二展初日。2時ごろ長野から霜田誠二到着。

わたしは霜田に留守番を頼んで、新宿の眼科に目薬をもらいに行って、さっき帰ってきたところである。

今回の霜田誠二の作品は、かなり「ゾーン」に入っている。悟りに近いところにいる。

「ちょっと薄いすずめ式・飛ぶ象 b」 キャンバスにアクリル ¥25,000

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こういう色つきだったものが、次第に単色になり、こういうふうになる。

「薄いすずめ式・青い飛ぶ象 a」 キャンバスにアクリル ¥45,000

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霜田は、実物の象をスケッチして描いているわけではない。これは霜田の心の中の象である。プラトンに言わせればイデアということになるだろう。

絵画ではなく素描である。

素描こそが作品の本質を表現するものである。

ここからは、パノフスキーの『イデア』からの受け売りである。

中世までには、写実的というか、リアルな描写をした作品が見られないのは、写実の技術がなかったからではなく、写実表現は「下品」と思われていたのだそうだ。

写実表現が下品だというと、霜田誠二は俺もそう思うと言った。

パノフスキーはツッカリという中世の美術評論家を紹介する。

「…作品のなかに開示されるべきものは、芸術家の精神のなかで予め形成されていたのでなくてはならないという点から出発する。この精神的表象を、彼は「内的素描」(disegno interno)もしくは「イデア」と呼ぶ。」

「薄いすずめ式・青いエリマキ b」 キャンバスにアクリル ¥32,000

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絵画というのは、「見たもの」を描くわけだが、素描というのは「認識したこと」を描くというのがわたしの理解なのであるが、そんなことを考えながら見ると霜田誠二は意外と奥深いということがわかる。

「ちょっと薄いすずめ式・青い寝るすずめ f」 キャンバスにアクリル ¥25,000

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「薄いすずめ式・青い蛇 c」 キャンバスにアクリル ¥20,000

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木・金・土のパフォーマンスはどんなものになるのか、楽しみである。











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2019年2月 1日 (金)

勉強不足

2月になってしまった…

風邪気味である。

ちょっと熱っぽいので、昨日は風呂にも入らず、ロキソニンを飲んで寝てしまった。毎日ぎりぎりで生活しているのである。

作品を作ろうと思っていたが、仕事が多くてできない。

昨日は、霜田誠二の作品にタイトルを書いて、作品リストを作ったり、出来上がった展覧会「遠くへ」のちらしができたので、その発送準備で一日が終ってしまった。

今日はチラシを折ったり、メールでの連絡を消化したりで終りそうである。

明日は、「On the Steps」の搬出と霜田誠二展の搬入である。

今回の「On the Steps」を見ていて思ったのは、よし、若手にはアドバイスをなるべくしない、ということだ。下手にアドバイスをしないほうがいい。好きなようにのびのびとやるのがいいね。

間違ったアドバイスをする人が多いのも気にかかるしね。

あんたのアドバイスなんていらないから、というのがほとんどである。何様のつもり?と言いたい。あんた誰?知らないなあ。

若手はやる気があって、その人の世界を持っていればなんとかなるのではないかと思っている。

逆に「ベテラン」にはアドバイスが必要かもしれない。みんな聞く耳を持たないし、自己満足して新しい展開なんてないし、それでいいと思ってんの?と言ってみたい。

アドバイスに戻るけど、多くの人は、作品のスタイルについてとやかく言う。絵画では、「何を」、「どう描くか」というのが問題になるわけなのだが、アドバイスのほとんどは、「どう描くか」という話に終始する。「何を」という部分には触れない。

「何を」、「どう描くか」の「何を」について、わたしは今作文を書いているのだが、なかなか難しい。

現代絵画の問題は、デイヴィッド・シルヴェスターが言っているように、

「現代の画家は何を描いたらよいかわからないのです」

という一言に集約される。

絵画の中にモチーフを見出すことが出来ないのである。だから「何を」ではなく「どう描くか」というところに救いを求めてしまうのだ。

アドバイスをする連中も同じで、「何を」という話ができない。話すべき何ものも持ち合わせていないからだ。

で、わたしはそのことについて書いているのだが、なかなかうまく展開できない。バロックの話を持ち込んでしまったら収集がつかなくなってしまって、イデアなんていう言葉を使い始めたらもう抜け出ることができなくなってしまうのだ。始めに立ち返ってもっとシンプルに書いていこうと考え直している。

本を読んでいると、自分の勉強不足がどんどん露呈していく。何もわかっていないことが分かってくる。

こんなんじゃだめなのよ。

とりあえず、高階秀爾 『バロックの光と闇』 を読み直してみようかな。

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2019年1月28日 (月)

教文館の堀辰雄

銀座教文館に本を漁りに行った。文庫本コーナーをくまなく見て回る。講談社文芸文庫は良い本がたくさんあるのだが、いかんせんとても高い。一番安いのは新潮文庫である。岩波より安い。良い本を安定供給している感がある。新潮から軽いのを一冊買ってとりあえず今日明日を凌ごうというつもりである。

お、これなんか手頃じゃないかなと思って手に取ったのが、堀辰雄 『大和路・信濃路』であった。430円。いいじゃん。

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レジに持っていくと、店員の叔父さんが居た。あ、この人はこのあいだわたしが中野重治の『梨の木』を買ったときに 「これは傑作ですよね」と言った人だ。

油断できない。

あれ?この人の顔は見覚えがあるぞと考えて、すぐに、それは堀辰雄の顔だと判明する。今見たばかりの、文庫本表紙裏に載っている堀辰雄の顔なのである。

黒縁眼鏡をかけて、じっと一点を見つめているこの顔である。

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そっくりなのである。ていうか本人なのである。間違いない。眼鏡も同じものをかけているのだ。

カバーはどれがいいですか?と訊くので、わたしは、あ、ああ、黄色でとうろたえる。

教文館の堀辰雄は、わたしが購入したこの本を見て

「この中では、「浄瑠璃寺の春」がいいですよ」

と教えてくれる。

やられた!この人の読書量はとんでもないということが、この一言でわかるのであった。剣豪が、刀を構えただけでその実力が分かるように、読書家は、何気ない一言でその読書量を推し量ることが出来るのである。

今度また教文館で本を買い、堀辰雄がレジに居たら、対決してみたいものだと思いながら、教文館の階段を降りた。

なぜだか悔しい。

昨日は稲毛で本を買った。

パノフスキー 『イデア』(平凡社ライブラリー)

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パノフスキーは『イコノロジー研究』を読んだことがあったが、この本は初めて見る。

裏表紙に

「芸術を否定した

プラトンの「イデア」概念が、

中世・ルネサンス・マニエリスム・

古典主義と、様々に姿を変えながら、

ヨーロッパの芸術理念の中心を

占めるに至る芸術思想のドラマを描く。」

とある。

面白そうである。

わりと分厚い本であるが、よく見ると3分の1が「註」であった。

来週は霜田誠二展である。少し早いのだが、パフォーマンスがあるので、お知らせしておく。みなさん、予約してね。

霜田誠二 「薄いすずめ式」

Dm

2月4日(月)-9日(土)

展示時間

月・火・水  12:00-19:00

木・金    12:00-17:00

土       12:00-15:00

パフォーマンス

①7日(木)  17:00-18:30

②8日(金)  17:00-18:30

③9日(土)  15:00-16:30

予約

一般 ¥2,000/学生 ¥1,500

当日

一般 ¥2,500/学生 ¥2,000

予約は前日まで

電話 03-6228-6195

e-mail  stepsyoshioka@nifty.com






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