2019年6月22日 (土)

インタレスティング タイムズ

昨日、久しぶりで永野のり子が現われたので、久しぶりじゃんと言うと、ヴェネツィア行ってたと。あ、そうか、そういえばヴェネツィアビエンナーレを見に行くって言ってたことを思い出した。

どうだった?と訊くと、面白かったと言って会場案内図をくれた。

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「May You Live In Interesting Times」というのは、今回のテーマというか、タイトルであるらしい。直訳すると「面白い時代を生きていけますように」とでも云うのだろうか。

しかし、永野によると、この「Interesting」というのは、興味深いとか面白いということの裏に逆の意味のある、皮肉をこめた言葉であるというのである。

困難なとか奇妙なとかいう言葉を当てたらいいのかもしれない。「(面白いほど)奇妙な」とか「(面白いほど)困難な」と訳すべきか。皮肉であると同時にストレートでもある。

「これ、お土産」

と言って、彼女が手渡してくれたのは、ポルチーニ茸であった。乾燥したもので、袋にたっぷり入っている。これってけっこう高いぜ。

3時間くらい水で戻してから使うように。水が黒くなるけど、それも使うんだよ。スパゲティーに入れると美味しい。これがあれば、あとは何にもなくても大丈夫。

塩とかは?

少し入れたほうがいいかな。にんにくとかも入れたいね。ベーコン入れるとさらにいい。あ、生クリームを少し加える…

結局いろいろ入れるのね。

さて、来週は FAVORITE 2019 である。

水曜からスタートですので、お間違いのないように。

6月26日(水)-7月6日(土)

初日のパーティーはありません。29日(土)の14:00~軽いパーティーをやります。

Favorite

若手とベテランを組み合わせた。

甲斐 千香子/勝又 豊子/小口 あや/古藤 典子/島田 忠幸/萩谷 将司

明日が搬入。勝又さんは三崎の「FAR AWAY Ⅲ」の最終日なので、搬入は月曜日。わたしは新宿の眼科に寄ってから駆けつける予定。火曜日は女子医大の歯科。また休みがなくなってしまった。

野坂昭如の 『絶筆』を読んでいるが、これは日記なので、すぐに読み終わってしまいそうなので

島崎藤村 『藤村文明論集』(岩波文庫)

を買っておいた。「フランスだより」はこのなかに入っていることを知った。

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『絶筆』のなかに、面白い日記があったので、一つだけ紹介する。

「忘れられないのは、新宿ゴールデン街での出来事。いつの間にか唐十郎と一緒に飲んでいた。何が逆鱗に触れたのか覚えていない。気がつけば憤怒の形相と化した唐十郎と向き合っていた。

次の瞬間、鼓膜が破れそうな甲高い奇声とともに、ぼくの目の前のカウンターに包丁が突き立てられた。冷たく光っている。勝負だ、表に出ろという。

売られたケンカは買うより手がない。

ぼくは、ヨシ、と立ち上る。店の空気は張りつめたまま、誰も動かない。唐十郎は突き立てた包丁に手をかける。ぼくはそれを睨み続ける。

しかし様子がおかしい。

片手で抜けないらしい。両手でも抜けない。ついに二人で一本の包丁を抜こうとする。どちらともなく笑い出し、あげく大笑い。呆気に取られた周りを無視して、再び飲み直した次第。

喧嘩はコミュニケーションの一つ。相手を知り、自分が判らなきゃ意味がない。一方だけ非がある喧嘩を、少なくともぼくは知らない。」

 

 

 

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2019年6月20日 (木)

美人

火曜・水曜と2日連続で女子医大。待合室で待つのが疲れる。いつ呼び出されるかわからないまま待たされるのは辛い。待合室で、二葉亭四迷 『浮雲』 を読み終わる。

主人公は文三という知的で内向的な男。親戚の家に下宿していてお役所に通っている若い男である。その家にはお勢という娘がいる。お勢は教養のある美人である。かなりの美人なのである。二人は仲良くなり、周囲も認める仲になる。

ところがある日、文三は役所をクビになってしまう。そうすると、お勢の母親お政は、いきなり文三に冷たくするようになる。わかりやすい女である。最初はお勢は文三の味方をしていたのだが、文三と同じ職場に勤めている昇という男が家に出入りし始めると、これも最初は嫌っていた昇にお勢はなびいていくのである。文三のやきもきする気持ちはとても烈しい。

で、結局、話は、お勢が昇にも飽きてきたのか付き合わなくなってしまって、お勢と文三は中途半端な感じで毎日を過す、てなところで終ってしまうのである。

ありがちな話であるが、これが、ありがちなだけに面白いのである。

さて、わたしが今日取り上げたいのは、 『浮雲』 の小説ではなく、挿絵についてである。

何人かの画家がストーリーに合わせて挿絵を描いているのだが、挿絵のなかのお勢が問題なのである。

お勢は美人である。美人であるということが何回も強調されている。美人だから、挿絵のお勢も美人であるはずである。

ところがである、どの絵もどの絵も、お勢を美人に描いていないのである。

どちらかというと不細工と呼んでいいだろう。

画家はわざと不細工に描いたのではないだろう。とすると、下手っぴいな画家だったのだろうか。いやいや、そんなはずはない。小説の挿絵を頼まれるということは、それなりの技量を持っていたはずである。よく観ると、どの挿絵も、デッサンがしっかりしていて、とても上手いのである。これぐらいの技術をもっていたら美人を美人に描くことなんてことはお茶の子さいさいだったはずである(話の方向は違うが、お茶の子ってお茶菓子のことなんだね)。

とりあえず、どんな絵なのか見ていただこう。

これである。右側の女がお勢である。

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尾形月耕 画

ね、へんでしょ?

これを見て美人であるという現代人がいるかどうかわたしは知りたい。

源氏物語の絵みたいにしもぶくれの丸顔でもないし。目は細くて狐みたいに吊りあがってる。ほんものの狐の目が吊りあがっているかどうかわたしは知らないが。

二葉亭の時代の読者が、これを見てどう思ったのか知りたい。

「この絵に描いてあるお勢を美人だと思いますか?」

とわたしは訊きたい。

たかだか百何十年か前のことなのである。それくらいの時間経過で、美人のコンセプトが変わってしまうのだろうか。

ギリシャ彫刻だって、ルネサンス絵画だって、美人は、現代のわれわれにも美人と感じられる。それなのに、同じ日本で、美人の基準がこんなに急激に変わってしまうのだろうか。

不思議なことである。

頭が疲れているので、次に読む本は軽い感じのものにしようと思って買ったのがこれである。

野坂昭如 『絶筆』(新潮文庫)

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日記とエッセイ。今のわたしにちょうど良い。

 

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2019年6月17日 (月)

うのぜみ 2019

6月17日(月)

今日から、うのぜみ展。うのぜみというのは、宇野教授のゼミということなのだが、宇野さんが奉職している嵯峨美術大学には「宇野ゼミ」というのはない。宇野さんの教えを乞うた学生や卒業生をひっくるめて「うのぜみ」と呼んでいるわけなのである。

今回の「ゼミ生」は田中和也くんと安田知司くんである。

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怪獣のようなものを描いているのが田中くんで、安田くんはタイル画みたいな作品である。

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田中くんは、怪獣を描くというよりは、怪獣をモチーフにして「絵画」を現出させようとしている、その営為を見せているのである。絵に描いた怪獣ではなく、怪獣を描いた絵画なのである。ちょっと面倒くさい言い方になってしまったが、そこに怪獣を見るのではなく、絵画を見るのである、なんていうと少しはわかるだろうか…

田中和也 「untitled-0」 キャンバスに油彩 45.5×38.0cm 2017 ¥45,000

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田中和也 「untitled 2019-2」 キャンバスに油彩 38.0×45.5cm 2019 ¥45,000

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次に安田くんである。

「149ppi_43(party)」 木にアクリル 33.3×24.2cm 2019 ¥28,000 (上)

「149ppi_45(girl)」 木にアクリル 33.3×24.2cm 2019 ¥28,000 (下)

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「遠くから離れて見ると何が描いてあるのかわかる」という類の絵であるのだが、田中の怪獣と同じように、そこに何が描いてあるのかを捜す必要はない(捜してもいいけど)。下の作品はよく見ると少女の顔が浮かび上がってくるだろう。

しかし、何が描いてあるのかを捜す作業に入り込んでしまうと、安田の描きたい「絵画」が薄められてしまうので、そのあたりは安田の課題であるとともに、観る側の課題にもなるだろう。

さて宇野さんの作品も見ておこう。

宇野和幸 「Landscape of vestiges 1」 ミクストメディア 92×110cm 2019 ¥450,000

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宇野さんの作品は「Landscape」なので「風景」なのだが、物質感と流動性が出てきたぶん、抽象的な感じが強くなってきている。このまま物質感を強めていって、いっそのこと彫刻にしてしまったらいいのに、と勝手なことを考えてしまう。

宇野和幸 「Landscape of vestiges 3」 ミクストメディア 20×20cm 2019 ¥25,000

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2019年6月14日 (金)

うのぜみ展パーティーあり

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最初にへんな写真でごめんなさい。消し方がわからないからそのままにしておきます。あとで、説明します。

 

さて、来週は、恒例になっている「うのぜみ」である。

嵯峨美術大学の「宇野先生」とその教え子とでグループ展を行う。卒業生支援事業ということもできるだろうが、宇野さんも本気で出品しているので、コラボレーションというよりはコンペティションといったほうがいいのかもしれない。

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今回は、田中和也、安田知司との3人展である。

全員「絵画」なので、競合具合が楽しみである。

初日、17:00からパーティーがあり、作家は全員いますので、みなさんぜひ足をお運びください。

ウテさんは月曜日にドイツに戻り、さっそくメールをバンバン書いてよこした。

いちばん困ったのは、私のブログである。ウテさんは、わたしのブログを見ても日本語なので読めないから、英語で書いてよ、という。そんなこと言われても書けないよね。

吉岡が、ウテ・ザイフェルトをどう評価しているのか知りたい!と言い続けるので、わたしは、わかった、書くよ、と答えるしかないのだった。

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(三崎にて/撮影・三木祥子)

とりあえず日本語で書いて、あとで英語にするかな…

気が重い。テキストのタイトルは「水脈」とすることだけは決めた。

ウテさんは、購入したわたしのドローイング作品を、さっそく壁に掛けたといって、画像を送ってくれた。

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これは、ウテさんのギャラリーの地下みたいだな。展示してくれてうれしい。

 

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2019年6月12日 (水)

抜歯外来

6月11日(火)

女子医大で歯科の予約を取ろうと思って電話をしているのだが、全然つながらないので、直接女子医大に行って予約を取ることにした。

電車のなかで読もうと思って

橋本治 『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(新潮文庫)

を用意していたのだが、なんだかいまいちだった。かなりの労作であるのだが、橋本治が「気になる」というほどわたしは三島由紀夫が気にならないだけの話なのかもしれない。

急遽、稲毛の本屋さんで

二葉亭四迷 『浮雲』(岩波文庫)

を購入。

うーん、やはりこういう大御所の小説は面白い。月岡芳年の挿絵も楽しい。

曙橋に着いたらちょうど昼だったので、「山さき」で昼ごはんを食べようと思ったのだが、店の外までお客さんが並んでいたので、予約を取ってからまた来ようと決めて、女子医大に行く。

眼科と糖尿病センターに通院している者ですが、虫歯を抜いてもらいたいので来ました。予約をお願いしたいのですが、と言って、歯医者では、血糖値が高いので抜けません、女子医大で抜いてもらって来てくださいといわれて、紹介状ももっています、と言うと、予約をすぐに取ってくれた。大学病院は混んでいるので、1ヶ月以上待つのかなあと思っていたら、6月25日なら空いていますというので、その日に予約を入れてもらった。意外と早い。

予約票には「抜歯外来」と書いてあった。診察する前から歯は抜くと決められているようで、なんか怖い。

来週と再来週の2週間で、わたしは5回も病院に行くことになってしまった。

6月18日 女子医大 糖尿病センター

6月19日 女子医大 眼科

6月20日 稲毛 歯科

6月24日 新宿 眼科

6月25日 女子医大 歯科

やれやれである。

曙橋まで戻ると1時過ぎだったので、「山さき」に入ることが出来た。1時でもお客さんはたくさん居た。

ロースかつ定食を頼む。

メニューを見て、次回はミックス定食にしようと決める。100円増しでミックス定食が食べられる。エビフライとアジフライ、それに串かつがついている。

予約がすんなり取れたので、ミナトさんの個展を見に行くことにする。

曙橋から新宿に出て、山手線で目白へ。初めて降りる駅だな。交通量も多くて、混んでいる街だが、上品な情緒もある。歩いて3分でギャラリー・ルヴァンに到着。

中村ミナトのジュエリー「仄かに見える」

ミナトさんも在廊していた。

ジュエリー作品

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対面の壁には不思議なボックスが取り付けられている。

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箱の中を覗くと、ブローチが入っていて「仄かに見える」

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「思いついちゃったのよ」

と言う。

「ジュエリーを作るより、箱を作るほうが大変だった」

目白駅前のドトールコーヒーで休憩。アイスコーヒーを注文。

「100円増しでソフトクリームを載せられますが…」

「ソフトクリーム?じゃあ、それでお願いします」

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ソフトクリームアイスコーヒーを飲んだあと、目白から渋谷へ。銀座線で外苑前に行く。トキ・アートスペースの串田治展を見る。

Kushida

平面作品が飾ってある。遺作展だが、驚くほど安い値段がついている。

ステップスも安めにしよう。

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今日はめちゃくちゃ歩いたので、へとへとになった。

携帯の万歩計には「14000歩」とあった。

 

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2019年6月10日 (月)

三崎口の猫

6月8日(土)

今日は5時にギャラリーを閉めて、三崎に行く予定であるが、萩谷将司君から連絡があり、5時ちょっと過ぎてしまうかもしれないけど行ってもいいかということだったので、急いで来てねというと、5時少し前に現われた。

今日は、アートオリンピア展の初日で、レセプションがあったらしい。IZUMI君も入選しているので、ステップス関係者では二人が入選したことになる。前回の三等賞をもらった中村宏太氏が挨拶していたとのこと。緊張気味だったらしい。

ギャラリーを閉めたあと急いで東銀座駅へ。90分くらいで京急三崎口駅に到着するはずだったが、電車を乗り違えたりして遅くなった。駅からバスで会場へ。久しぶりの倉重アトリエである。

「FAR AWAY Ⅲ」

4時からパーティーだったので、わたしが着いたときは、すでにみんな出来上がっている。

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缶ビールを1本だけもらって、飲みながら作品を見る。会場はアトリエの階下の広いスペースである。

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ウテさんが、「説明したい」というのでいっしょに見る。

ウテさんの作品はいちばん奥のスペースである。ステップスで展示している作品とはまったく別のシリーズである。水のコレクションである。

ウテさんは、世界中の知り合いに協力してもらい、各地の自然のなかの水を集めている。集めた水を全部日本に持ってくることはできないので、3つだけボトルに入れてもってきた。

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水は水でしかないはずなのに、現代の水は、権力と経済の道具になってしまっているとウテさんは言う。極めて社会的なメッセージを含んだ作品になっている。

コレクションした水を持ってくる代わりに、彼女は、集めた水の場所や年月日などを用意してきた。シースルーの大きな布や小さな紙に印刷したものを展示した。

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これはなんか障子みたいだね。。

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神田毎実作品

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木原真男作品

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勝又豊子作品

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倉重光則作品

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遅くなって、みんな酔っ払っているので、泊まる人もいるようだったが、わたしは泊まったら疲れ果ててしまうので、帰ることにする。小林誠さんが車をだしてくれるというので、駅まで送ってもらう。三木祥子さんと、ウテさんの知り合いでハバックロイドに勤めている樋室さんといっしょ。

三崎口駅に着くと、改札口に猫がいた。一匹だけではなく、何匹か居る。張り紙がしてあって、猫に餌をやらないでくださいとある。駅で飼っているのだろうか。

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2019年6月 8日 (土)

うらを見る

木曜と金曜は、ウテさんがギャラリーにいたので、いろんな話をした。

ウテさんとは本の話が出来るので楽しい。お互いに面白かった本を言い並べる。こんな本知ってる?と自慢をし合う。獺祭だね。

わたしは井筒俊彦の本について話す。ネットで調べたら、ドイツ語では出ていないことがわかった。英語ではあるので、英語の本を読めばいいかもね。ジャック・デリダと友だちだったんだよ言うと、ほー!と感心していた。

ウテさんはシリ・ハストヴェットが面白いよ、と薦める。shaking woman とか…

わたしは初めて聞いた作家名だったので、へえ!と答えただけだった。ポール・オースターの奥さんだそうだ。

調べてみたら『震えのある女』とか、何冊か出ていたが、単行本はわりと高かった。

日本人の作品の見方についてのウテさんの見解が面白かった。

日本人は、作品を見るときは、じっくり見る、というかじろじろ見る。

今回のウテさんの作品に、裏に色を塗ったものがあって、壁からかなり浮かさないと、裏の色がきれいに反射しない。それで、わたしは、長い釘を打って作品を浮かせた。そうしたら、ウテさんは、その裏の釘を白く塗ってくれと言う。え?、だって裏は見えないからそのままでいいんじゃないの?と言ったら、いや、日本人はみんな裏まで見るから油断できないという。

こんな風に白く塗った。

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額も、裏を見るのが日本人である。

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普通は、こんな風に透き間が空いてたら、みんな見るでしょ、と言うと、いや、日本人だけだという。

お客さんを観察していると、なるほど、みんな裏を見る。

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ウテさんの考えはこうである。

茶道では、お茶を飲むだけではなく、器も大切な要素であり、器について感想を述べたり、薀蓄を語ったりしながら、お茶碗をためつすがめつ眺めてぐるぐる回して裏まで見る。見るのがエチケットであり、見ないと気が済まない。

作品を見るのも同じで、隅々まで「鑑賞」の対象になるのである。

よく言えば、作品をじっくり鑑賞する態度が身についているのであり、悪く言うと、しつこい。重箱の隅をつつく態度でもある。

時間をかけて見てくれるので、いいけどね。

尾崎放哉の句にこんなのがあったな。

「 墓のうらに廻る 」

上條陽子さんが来廊。ウテさんとパレスチナの話をしている。

2020年の FAVORITE に作品出してみない?というと、あ、6月なら大丈夫、ということだった。

「紙と知(シトチ)」 上條陽子×崔弼圭

6月25日(火)-7月5日(金)

FEI ART MUSEUM YOKOHAMA (横浜市神奈川区鶴屋町 3-33-2 横浜鶴屋町ビル 1F)

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2019年6月 4日 (火)

訃報

今年、多摩美術大学を退官された、評論家の本江邦夫先生が、昨日お亡くなりになられました。

突然のことなので、ただびっくりしているのですが、なんと言っていいのかわからない状況です。

お通夜:6月9日(日) 19:00~

ご葬儀:6月10日(月) 10:00-11:30

会場:カトリック多摩教会

tel. 042-374-8668

http://catholictama.org/

 

 

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ウテ・ザイフェルト 2019

ウテさんの個展は昨日からスタート。

最初にウテさんの在廊日をお知らせします。

6月6日(木)と7日(金)の夕方からギャラリーに居る予定です。ワインを持っていくよと言っているので、バルコニーでミニパーティーになると思います。いっしょにお話したい方は、ぜひ木曜か金曜においでください。

6月2日(日)

ウテさんの搬入日。朝10時に集合なのであるが、お手伝いの小林さんは来たのだが、ウテさんの姿はない。11時過ぎにようやく現われる。想定内である。

倉重は展覧会の計画作成中で忙しく来れない。秋に大分で原口典之との二人展があるので大変なのである。

前回のウテさんの展示は1週間かかったが、今回は1日しかないよと何回も言ってあるので、時間のかかるインスタレーションは遠慮してもらった。

さっそく展示作業開始。

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小林さんが天井からランプを吊るす作業をしている。

他の作品は、絵画なので、簡単に終るかと思っていたが、やはり時間がかかっている。想定内。

三木さんがランチを手作りで作って来てくれたので、バルコニーでいただく。ビールも飲む。ドイツ人だし。

左から三木祥子さん、藤田映子さん、ウテさん、小林誠さん。

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ランチのあと、三木さんもお手伝い。買い物に何回も行ってもらったりして申し訳なかった。

黙々と作業は進んだが、終ったのは夜7時過ぎだった。想定内。

みんなが帰ったあと、わたしは一人でキャプション作りをする。

10時終了。

展示はなかなか上品で緊張感のあるものになったと思う。

6月3日(月)

展覧会初日。ウテさんは展示の手直しをする。

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ランプをつけた作品が秀逸である。

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棚の上に額が2枚載っていて、それをランプが上から照らす。

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近づいてみる。

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さらに近づくとこうなっている。

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ドイツ語と日本語で文字が書いてあるのがわかる。

一枚には

「ときは ちんもく できるか?」

と書いてあり、もう一枚には

「はりの あなのような ものか?」

とある。

ランプを消すと文字も消える。

ガラスを2枚、間を空けてセットしてあり、上のガラスに白いリノリウムインクで文字を書き、下のガラスには白い紙を貼ってある。文字も下の色も白なので、見えないのだが、ランプを点けると、文字の影ができるので、その影を読むようになっているのだ。

平面作品も佳品である。

「in between 4-1」 キャンバスにエッグオイルテンペラ 30×30cm 2018 ¥50,000

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エッグオイルテンペラというのは普通のテンペラとは全く違っているそうだ。オイルを使うのが特徴。

「 :  silent  pieces 」 カートボードにエッグオイルテンペラ 12×18cm×3 2018 ¥50,000 (売約済)

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「slow blue 1」 カートボードにアクリル 30×30cm 2019 ¥50,000

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壁がうっすらとオレンジ色なのがわかるだろうか。作品の裏にオレンジ色が塗ってあるのである。

夕方からパーティー。次第に人が増えていく。ウテさんはたまにしか日本に来ないのだが、来るたびに友だちを増やしていく。

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8時に終了。

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みなさんは2次会に出かける。わたしはもちろん行かない。疲れ果てているのである。

6月4日(火)

ウテさんが忘れ物を取りにくる。これから三浦の倉重アトリエで作品の設置に行くのである。明日で終りたいと言っているがどうなることだろう。土曜日が初日だから、わたしもギャラリーを閉めてから行くことにする。泊まりになるだろうなあ…

へとへとに疲れているが、明日は休みなので、なんとか今日一日がんばろう。

明日は歯科で歯のクリーニングをしてもらったあとマッサージ。それから新宿の眼科へ。

本を3冊買った。

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澁澤龍彦 『ヨーロッパの乳房』 (河出文庫)

坂口安吾 『不良少年とキリスト』 (新潮文庫)

島崎藤村 『破戒』 (新潮文庫)

『ヨーロッパの乳房』はダメだった。紀行文だというから面白そうと思ったのだが、前に読んだ日記とは違って、「きちんとした」文章になっているので、肩が凝る。かっこつけているので鼻白む。

坂口安吾はなかなか鋭いことを言っている。

「小説」を「美術作品」 に置き換えて読む。

「小説は、たかが商品ではないか。そして、商品に徹した魂のみが、又、小説は商品ではないと言いきることもできるのである。」

 

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2019年5月30日 (木)

コスモスとアンチコスモス②

5月28日(火)

ウテさんがエイコさんといっしょにギャラリーに現われる。ビールあるよ、と言うと、昨日飲みすぎたからいらないと。昨日の夜ドイツから着いたはずだから、到着してすぐに、時差ぼけもなんのその飲んだわけである。知多さんのところに滞在するので、知多さんと飲んだのだな。すごいね。

あ、でもこの間われわれがドイツに行ったときも、着いてすぐにビールを飲みに出かけたな。時差とか関係なく飲んでしまったりするうちは元気ということだろう。

ステップスで預かっているウテさんの作品や額などをチェックする。今日はチェックするだけ。個展は来週からなので、搬入は6月2日の日曜日である。

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ウテ・ザイフェルト 展

6月3日(月)-15日(土)

初日 17:00~ パーティー

ウテさんは今日はこれから横浜へ。アトリエ・Kの中村陽子展を見に行く。夕方戻ってくるかもしれないと言う。

明日から土曜日までは、三崎の倉重アトリエに滞在して制作をする予定である。

わたしの個展が7月にあるので、その説明をする。サウンドインスタレーションだというと、それは今日聴くことはできないのかというので、夕方に音響スタッフが来て音を出してみることになっているというと、じゃあ横浜から戻ってくると言う。結局戻ってくることができなくて、日曜の搬入のときに聴いてもらうことになるのだが。

作品も見てもらう。ほう、いいじゃんと興味をもってくれる。アートカクテルに出した、鉛筆のドローイングも見せる。エイコさんもウテさんも「欲しい」という。これ一つしかないのか?というので、2点あるよと答えると、じゃあ、ウテさんとエイコさん一つずつね、と買ってくれることになる。アートカクテルには3点出していたのだが、1つは望月久也氏が買ったので、これで3点完売だな。

夕方6時に唐さんと下田君がスマホとスピーカーを持って現われる。操作の方法を教わりながら音を出してみる。うん、なかなかいいんじゃないかな。スピーカーを取り付ける場所を決める。

ギャラリーを閉めてから二人を誘って N9Yへ。ビールとビール缶チキンを食べる。若者といっしょに食べると元気になる。

ウテさんの個展中に、倉重アトリエでグループ展がある。このあいだわたしが企画した「FAR AWAY」展のタイトルがいいから使わせて欲しいと倉重が言うので、タイトルはFAR AWAYになった。

「FAR AWAY Ⅲ」

勝又豊子/神田毎実/木原真男/倉重光則/ウテ・ザイフェルト

6月8日・9日・15日・16日・22日・23日

13:00-19:00

パーティー 6月8日(土) 16:00~

17:00~ 水野俊介 5弦ウッドベース演奏

スタジオ K (三浦市三崎町小網代 55-8)

Far-away

井筒俊彦の 『コスモスとアンチコスモス』、そろそろ読み終わる。

難しいけど面白い。かなり面白い。今年のベスト3に入る名著だと思う。

目次を読んだだけで興味をそそられる。

Ⅰ 事事無碍・理理無碍 -存在解体のあと-

Ⅱ 創造不断 -東洋的時間意識の原型-

Ⅲ コスモスとアンチコスモス -東洋哲学の立場から-

Ⅳ イスマイル派 「暗殺団」 -アラムート城砦のミュトスと思想-

Ⅴ 禅的意識のフィールド構造

対談 二十世紀末の闇と光 井筒俊彦/司馬遼太郎

引用したい文章がたくさんあるのだが、禅的意識のフィールド構造の中から、井筒さんの気概というか覚悟というか、哲学者としての矜持が現われているところだけ紹介する。

「元来、禅は説明を嫌い、己れが解釈されることに烈しく反撥する。禅は本質的に言語を超えた体験的事実であるのに、およそ説明とか解釈とかいうものは徹頭徹尾言語的な操作だからである、と。だから禅を言葉で説明し解釈することは、どんなにそれが見事に行われようとも、所詮は第二義門に堕した作業にすぎない、と。もとより私はそれを否定しはしない。ただここで一言しておきたいのは、禅にたいするこのような禅自身の言い分は、あくまで宗教的実践道としての禅の立場表明であって、禅を取り扱う哲学者にはおのずからそれとは違う言い分がある、ということである。禅本来の立場から見て第二義門であるものこそ、哲学にとっては第一義門なのであり、禅自身が第一義門とするものは、哲学的にはたかだか思想の前ロゴス的準備段階であり、思考のための素材であり、第二義門であるにすぎない。禅は体験であることは否定すべくもないが、体験だけが禅なのではない。」

 

 

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