2024年4月18日 (木)

アートカクテル

カクテルっていうくらいだから、お酒ぐらい出さなくてはいけない状況のはずだが、ステップスのカクテル展は、オープニングパーティーをやったことは一度もなかった。40人規模の展覧会なので、パーティーをやったら大変なことになってしまうからだ。今回もパーティーをやるとは予告していなかったのだが、今井さんが長野から来ることもあってか、何人も集まってしまい、結局は普通のオープニングパーティーに展開してしまったのだ。雨の予報が当たらず、降らなかったので、バルコニーが使えたので、みなさん、ゆっくりワインを飲んでいた。コロナ以来、こういうパーティーはほとんどなかったからなあ。

初日で作品は10点売れた。これも珍しいことではあった。

夕方、セルビアからのお客様が来廊。ベオグラードにある本の博物館の館長をしているラジッチさんだ。通訳のために大使館のティヤナさんもわざわざ来てくれた。ラジッチさんはこれから沖縄に行く。沖縄の空手家に関する本を遺贈してくれる人が居るので、受け取りに行くらしい。5月4日に東京に戻ってくるので、それまで荷物を預かってほしいと言って、ものすごく重いリュックを置いていった。

ラジッチさんの写真は、ギャラリーのホームページに載せましたので見てください。

セルビアとの軌跡というコーナーを見てください。

最近、本を読むスピードが落ちて来た。集中力と体力がなくなってきたのだ。本だけ溜まっていく。

また3冊買ってしまった。

冨原眞弓 『シモーヌ・ヴェイユ』(岩波現代文庫)

岩田文昭編 『嘉村礒多集』(岩波文庫)

高浜虚子 『虚子自伝』(岩波文庫)

ステップスのホームページ

https://stepsgallery.jp

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2024年4月10日 (水)

もうひとつのアートカクテル

4月7日(日)

千葉のギャラリー睦の藤原祥展を見に行く。モノレールのスポーツセンター駅から千葉公園へ。千葉公園の桜を見ながら公園を突き抜けてギャラリー睦到着。むつさんがコーヒーを淹れてくれる。

話題はアートカクテル展のことになる。むつさんは、アートカクテルみたいなグループ展をギャラリー睦でもやりたいと言う。睦は広いので、かなりの人数でもできそうである。しかし、こういう展覧会をむつさん一人で取り仕切るのは無理である。で、わたしは、宇野さんとか勝田さんに協力してもらい実行委員会形式にして、仕事を分担したほうがいいと提案する。大掛かりな(人数の多い)展覧会の企画は予想以上に大変なのである。

千葉で、もう一つのアートカクテルということになるな。展覧会名を考えなければならないが、気の利いたタイトルというものはなかなか考えるのが難しいのである。

グループ展の仕事は意外と多い。

メンバーの選定/企画書作り・発送/連絡係/案内状のデザイン・印刷/会計/キャプション作り/展示係(展示プランを考える。搬入当日の作業とスタッフ確保)

などである。ステップスのアートカクテルでは、搬入と展示が大変ですねえ!とみなさん言ってくれるが、こういう企画をやったことのある人は分かると思うが、実は、いちばん大変なのは展示作業ではない。大変なのは「連絡」である。作家はみなさんのんびりした方が多いので、催促の連絡を頻繁にしなくてはならない。キャプション用データを送ってくれても、たいがい抜けている項目がある。締め切りを守らない。作品がいつどうやって届くのかの確認。遅れるなら遅れると連絡してくれよ。連絡がいちばん面倒くさい。それと、キャプションを作るのがこれまた手間がかかるのである。地味な仕事が大変なのよ。

人選も展示も、すべてむつさんがやるので、参加者には文句を言わせない、ということが肝心ですよと念を押す。

というようなことをむつさんと、愚痴を交えながら話す。

4月8日(月)

ギャラリーでアートカクテル展の展示準備。壁にテープを貼り、スペースを割り振っていく。この仕事だけで半日かかった。今井由緒子の作品だけ取り出して展示する。重すぎる……。実際の展示作業は14日(日)。スタッフは甲斐さんと霜田くんの他に、自分の作品は自分で展示したいという赤川、木下、望月を入れて、総勢6名になりそうである。そのほかに、作品を展示当日に持ち込むという作家も何人か居る。賑やかになりそうである。お弁当も用意しなくちゃな。

4月9日(火) 雨

横浜のアトリエ・Kに向かう。総武線快速の車窓は雨滴がたたきつけて涙目のようになっている。こんな雨の日に出かけるのも大変である。大変だけど、たぶんこの雨のおかげでいいこともありそうである。石川町の駅を降りて改札を出て、木の芽に直行。やっぱり!昼時なのに、並んでいる人は居なくて、店内に入ると「お好きな席にどうぞ」と言われる。雨もいいのである。いつものように天せいろを注文してゆっくり食べる。

アトリエ・Kでは富山恵美子展。中村さんとおしゃべりしていたら、富山さんが現れる。富山さんはわたしが通っていた予備校「東横美術研究所」の先輩にあたる作家である。

アトリエ・Kは千葉から行くとちょっと遠いのだが、今年は毎回来ているなあ。1月は倉重光則。2月はわたしの個展。3月は中村陽子。で今回は富山さん。5月は中村ミナト……。この調子でいくとアトリエ・Kは毎回行くことになるかもしれない。富山さんはスペインに住んでいたので、スペイン仕込みのレアリズムである。

帰りに稲毛の本屋で本を一冊。

織田作之助 『放浪・雪の夜』(新潮文庫)

 

 

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2024年4月 5日 (金)

上條陽子のガザ

4月3日(水) 雨

新宿の眼科に寄ったあと、やはり新宿にあるギャラリー絵夢に行く。

「パレスチナに明日はあるのか GAZA 七人の画家展」である。宮田徹也によると、3月30日のギャラリートークは150人ほどが詰めかけ、テレビ朝日の取材も入ったとのことだった。上條さんと映像ディレクターの原口美早紀さんの対談だった。

上條さんは中国で展覧会を終えたばかりのはずだが、ギャラリー絵夢には毎日在廊して展覧会の説明をしているそうだ。このエネルギーはどこからくるのだろうか!?

会場に入るとお客さんと椅子に座って談笑する上條陽子が居た。

「あら、吉岡さん、なかなかステップスに行けなくてごめんなさいね」

「いやいや、無理しないでくださいね」

お茶をいただく。お客さんの一人が

「この作品は売らないんですか?」

と訊くと

「売らないわよ」

と答える。かなりの数の作品が並んでいる。これはガザの作家たちから預かっているものだろうか、だから売ることはできないのだろうか、と話に耳を傾けていると、

「違うわよ。これは全部あたしが買い取ったのよ」

と驚くような答え。

上條陽子、大物だわ。

上條は、これからも、これらの作品を日本各地で展示していきたいということだった。

4月4日(木)

赤川浩之が来廊。石倉仁一郎さんと待ち合わせているようである。赤川の作品集についての打合せらしい。10月の赤川の個展で配る予定だ。デザインはほぼ完成していて、最終確認をしていた。なかなかりっぱなものになりそうである。テキストはわたしが書いた。

わたしはいま「砂中」という文章を書いていて、こちらももうすぐ完成する。正月にお知らせした「自由が丘」の続編で、大学を卒業して教員になったころの話を書いた。これもA4紙12,3枚になるので、印刷はしないでギャラリーのホームページに載せる予定。6月になるかな。

さて、川辺美咲展は明日まで。美咲さんは夕方に来て搬出をする。そしてまたベルリンに帰る。

日影眩は初日のパーティーに来たのだが、明日も美咲ちゃんに会いに来るのだった……

明後日の7日(日)から16日(火)は休廊になる。少し長い休みだが、次の展示の準備をしたり、ギャラリー回りをしたり、通院をしたりでわりと忙しい。

Art Cocktail 2024 は17日(水)スタートなので、それまでブログもお休みさせていただきます。

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2024年4月 1日 (月)

ランチビール

一昨日の土曜日に、ランチのブログを書いたすぐあとに、Sさんがビールをお土産にギャラリーに来る。ビールを飲みながらのランチいいよなあと思っていたところだったのでナイスタイミング。Sさんは、わたしがベーチェット病で女子医大に入院した時の担当看護師。いつもビールを持って来てくれてバルコニーで飲む。

「女子医大の時は、あたし25だったのよ」

「年取るよねえ…」

あれからもう30年近く経ってしまったのだ。

Sさんは以前、旅行でニューヨークに行ったときに美咲ちゃんと会ってお世話になったので、今回の個展にも来てくれたのだ。

缶ビールを半分ずつに分けて飲む。ランチビール美味い!

Sさんが帰ったあと、中村ミナトがアートカクテル用の作品を持って現れる。新作である。アルミチューブを加工して作ってある。タイトルが「目処はたたない」で、これは原発の廃炉がモチーフである。

そういえば、今井さんが作品送って来たよ、見てみる?

以前、今井由緒子の「MARBLE HIP」という作品について書いた。50年前の大理石の作品である。ところが、今井さんから電話があり、作品は一つしか見つからなかったから、あと2点は作った、とのことだった。え?作ったの??今井さんは若い時は石の彫刻や、金属を使って作品を作っていたが、最近はもっぱら木を使っている。彼女は80歳をとうに過ぎているのに、再び石彫用のノミをふるったということなのだ。信じられない。

作品はそれほど大きくはないのだが、重くて片手では持てない。台座もあって、これも御影石でできているのでやはり両手を使わなければならない。

アートカクテルは4月17日(水)スタートである。初日のこの日は、特にパーティーなどは予定していないが今井さんが長野から出てくるというので、ワインぐらいは用意するとしよう。ミナトさんも来るので、お時間のある方はぜひ17日の夕方においで下さい。

土曜日なので、ギャラリーは5時で閉めて、そのあと教文館に本を探しに行く。

3冊購入。

モーパッサン 『脂肪の塊・テリエ館』(新潮文庫)

清岡卓行 『アカシヤの大連』(講談社文芸文庫)

葛西善蔵 『哀しき父/椎の若葉』(講談社文芸文庫)

カウンターの店員さんに渡す。書店の店員さんというのは、お客がどんな本を選んだかで、その人の読書のレベルを判断する。書店員て怖いのよ。

わたしの3冊を見て、彼は「ほう、なかなか通ぶったものを選ぶじゃないの」と思ったのかもしれない。カウンター越しの真剣勝負なのである。

剣豪というものは、その構えを見ただけで実力がわかるものだが、彼も剣豪であった。

「アカシヤの大連ですか……これは第62回の芥川賞ですね」

げっ!!負けた。負けました。

これだけで彼がどれくらいの読書家かわかってしまうのだ。

わたしは

「心して読ませていただきます」

と言ってカウンターを離れた。

 

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2024年3月30日 (土)

ランチ

火曜日か水曜日に休むことが多い。病院の診察が入るからだ。通院がないときは休めるが、だいたい出かけることが多いのでなかなか休めない。日曜日は、搬入がないかぎり休めるので、その日だけはゆっくりすることができる。

朝ゆっくり起きて、コーヒーを淹れてテレビをつける。BSで「イタリア 小さな村の物語」を見る。

このあいだ見た回で、うらやましいランチを見た。この番組は、村人の紹介をするのだが、食事の場面を撮ることが多い。つつましくて美味しそうな食べ物が並ぶのだが、うらやましいランチは、ある農夫のものだった。ナレーターは「彼のランチを紹介しよう。ランチといってもリストランテに行くわけではない」と言い、彼がバルでパニーニを買い、自分の畑で採れたソラマメを携えて、自分の畑にある木のベンチに腰掛ける。畑は小高い丘の斜面にあって、ベンチからは青い海が広がっているのが見える。まわりは誰も居なくて静かである。男は、買ってきたパニーニを齧り、持ってきた小瓶のビールを瓶から直接飲む。ときどきソラマメも食べる。下の道を知り合いのおばさんが通りかかる。小さな村だから、みんな知り合いである。

「ソラマメはある?」

「今はないけど、あとで届けるよ」

おばさんは行ってしまう。

男は、パニーニとビールに戻る。

静かな青い海を見ながらのランチ。これ以上のランチはないだろうな。

さて、お昼になった。わたしは三越で買ってきた焼き鳥弁当を開くことにしよう。

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2024年3月27日 (水)

NIRVANA

川辺美咲展のタイトルは NIRVANA である。作品のコメントがあるので紹介する。

今思うことを一言

 今回のタイトル「涅槃」の定義は多々ありますが、ここでは死を意味するものではなく「悟りの境地」を意図しました。

 高度経済成長期を経て、日本全体が豊かだった私の子供時代。自己実現・アメリカンドリームを美徳のように信じて育って来ました。そして、それを額面通りに受け取ってしまったのであろう20代の私はニューヨーへ飛び立ちました。アメリカでは成功を夢見る多くの人々に出会い、その自由と表裏一体にある孤独、輝かしさと表裏一体にある儚さにも気づき始めていたところに、911、そしてイラク戦争が勃発しました。それから10年後、日本では311東日本大震災、世界的には地球温暖化、戦争、紛争等々の多種多様な悲しいニュースが次から次へと後を絶たないのはどうしてなのでしょう?

 自我の塊だった私がいうのも分不相応ですが、今、心から思うのです。「地球上で唯一技術を手に入れた生物である私達人類は、自我を超越し、他への愛を持って、調和のとれた健やかな地球を築いていく責任がある。」と。「技術の進歩に伴った人間の進歩」がこれからの地球に必要不可欠であると。

2024年3月

川辺美咲

思いがけなく陽射しがほがらかで、展覧会の初日にぴったりの日になりました。美咲さんは夕方家族と一緒にギャラリーに来ます。

在廊は今日と最終日だけになりますので、みなさんお誘いあわせの上、ご来場ください。

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2024年3月23日 (土)

川辺美咲 展

来週は川辺美咲展を開きます。ベルリンからやってきます。みなさん是非足をお運びください。略歴を掲示した方がいいかなと思ったので送ってもらいました。こんなふうです。

1997 女子美術大学 絵画科洋画専攻 卒業

1997-2001 東京都立中学・高校 美術教諭

2001 渡米

2005 プラット・インスティチュート大学院ファインアート修士課程MFA修了

現在 ベルリン在住

わたしは「東京都立中学・高校 美術教諭」という時代に同じ学校に勤務していました。もう20年以上前のことになるんですねえ。今までSteps では小品を展示してきましたが、今回は大きめの作品も持ってくるようです。

川辺美咲 展

3月27日(水)-4月6日(土)

美咲さんは初日はギャラリーに居る予定ですので、会いたい方は27日(水)においでください。夕方にはワインをサービスします。

今日は雨が降ったり止んだりでしかも寒い。3月なのにねえ…

ぼうっとして過ごそうかなあ…

 

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2024年3月20日 (水)

HAPPY BIRTHDAY

昨日は一日忙しかった。

3月19日(火)

横浜のアトリエ・Kへ。いつものように総武線のグリーン車に乗る。

お茶を飲んでおやつを食べながら、倉橋由美子を読む。

「今日、文学-とくに小説のことだけを考えますが-には三つのタイプがありましょう。その第一は《世界》を拒絶する小説であり、第二は《小説》を拒絶する小説、そしていまひとつは《世界》と《小説》の両方をともに拒絶しない小説です。この最後のものを、わたしは《通俗小説》と名づけることにしております。」

気持ちいいくらい辛口なのである。

「文章は練習で上手くなったりしません。」

文章は才能なので練習してもダメな人はダメなのである。美術も同じ。

まだ読んでいない本があるのに、また2冊買ってしまったのだった。

小島信夫 『私の作家評伝』(中公文庫)

船木亨 『倫理学原論』(ちくま新書)

横浜から石川町に着いたら11時半だった。木の芽の店の前にはすでに10人ほど並んでいた。11時半開店のようである。すんなり席に座り、天せいろを注文する。木の芽に入るために、わたしは昼前に石川町に着くように電車に乗ったのだった。展覧会を見て、ついでに蕎麦屋さんに寄ったという形をとっているが、じつは木の芽で蕎麦を食べるついでに展覧会見るという方が正しいかもしれない。

アトリエ・Kでは中村陽子展をやっている。陽子さんが一人でギャラリーに居た。オーナーの中村きょうこさんは病院に行っているとのことだった。ずいぶんと落ち着いた、安心できる作品だった。

ギャラリーを出て今度はポティエでコーヒーとソフトクリーム。これもいつもといっしょだ。

横浜から新宿へ。眼科で目薬を処方してもらう。「ピース」でアイスコーヒーを飲んでタバコを吸おうと思っていたが、満席だった。並んでいる人も居た。仕方がないので地下街の「シルエット」というカフェに行く。ここはこのあいだ見つけた店で、やはりタバコが吸えるのだ。ここも混んでいたがいくつか席が空いていたので座ることができた。わたしは今タバコは吸っていない。吸いたいとも思わないのだ。ただ吸える店があると、せっかくなので吸ってみようと思うのだ。アイスコーヒーとトーストを注文。

新宿から銀座へ。今日はわたしはギャラリーは休みなのだが、神戸から金澤麻由子が来るのでギャラリーに寄らなければならない。金澤は絵本の研究会で東京に来ているのだった。また今度はスイーツの絵本を出版することになっているらしい。個展の相談をする。ステップスでの個展は来年になる。

ギャラリー当番の唐さんが気を利かして不二家でケーキを買ってきていた。HAPPY BIRTHDAY の歌を歌ってお祝いする。日影さんの誕生日は明日なのだが、一日早いお祝いである。蠟燭を吹き消してケーキを切り分けてみんなで食べる。

金澤に向かって、日影さんは

「名前と作品は知ってたけど、こんなに美人だとは思わなかった」

と口の滑りも調子よくなってきた。

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2024年3月15日 (金)

在廊ということ

今日は、日影眩がギャラリーに姿を見せた。無理をしなくていいのにと思う。来週もあるんだし…

誰か知っている人が来たら…と考えているのである。

作家がギャラリーに「詰める」必要はないのであるが、そこのところを、作家もお客さんも勘違いしている。ギャラリーは作家に会いに来るところではなく、作品に会いに来るところである。作家は居なくていい。

ニューヨークで個展をやる。初日にパーティーを開く。作家に会いたい人はパーティーに参加する。それ以外の日は在廊する必要がない。ていうか、居てはいけないのである。パーティー以外の日にギャラリーに行ったりすると、何をしに来たの?と言われる。

ギャラリーに作家が居て、お客さんを待ち構えているのは日本だけである。不思議な風習である。

思い起こしてみると、海外のギャラリーを見てまわって、ギャラリーに作家が居るのを見たことは一度もない。

なぜ作家はギャラリーに居ないのか。

居るとかっこ悪いからである。作家がギャラリーに居ると、作品を一つ買ってくれないかなとか、なにか物欲しそうで、さもしい雰囲気が出てしまうのである。

作品を説明したい作家もいるかもしれない。作家は作品の説明をしなくてもいい。説明をするのはギャラリーの仕事であって、作家が自分で説明するのはかっこ悪いのだ。

そもそも説明しなければわからないような作品はたいしたことないし、説明を求めるお客さんが作品を買うことはない。作品を買う人は説明を求めない。ただしばらく作品を静かに眺めてから「これをください」と言うだけである。

日本のギャラリーは作家に「なるべくギャラリーに顔をだしてください」と言うことが多い。作家が居た方が作品の売れ行きがいいからである。作品を見て買うのではなく、作家と話をしてから買う人が多いからである。日本独特の事情があるのである。

ニューヨークの話ばかりで申し訳ないが、ニューヨークのギャラリーには、たいてい作品の説明をプリントにして置いてある。説明が欲しい人はこれを読んでね、という訳であるが、それは、ギャラリーのスタッフは説明なんかしないからね、という意思表示でもある。説明を欲しがる人は、作品を買う人ではないのだ。作品を買う人は、事前にギャラリーに連絡して、この日の何時に行きますと連絡を入れる。連絡をもらったら、ギャラリーは丁寧に対応するはずである。そういうことよ。

ミラン・トゥーツォヴィッチの個展をステップスで初めてやったときは、ミランは居なかった。つまり在廊はしていない。当時ミランは日本では無名だったし、どうかなあ、と思っていたが、作品は数点売れた。それはひとえに作品に力があったからである。

ミランが亡くなって追悼展を開いた。追悼展なので、もちろん作家は居ない。作品は安くはなかったのだが完売した。

作品が売れないことをお客さんのせいにして「おれの作品を理解できないのだ」などと言う作家がいるが、そうではないのよ、あなたの作品に魅力がないだけなのである。

なんだかボヤキになってきた…

宮田徹也が本を一冊持ってきた。

小澤基弘 監修 『アートの処方箋』(水声社 ¥2,800)

執筆者は30人ほどで、大学の先生とかアーティストとかいろいろな人が、アートについて知りたい人のためにそれぞれの立場から分かりやすく解説している。

宮田徹也は「人間であることの意味」というエッセイ風のテキストを書いている。

 

 

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2024年3月13日 (水)

ウィルス性胃腸炎

ウィルス性胃腸炎というのが流行っているようだ。

日影眩もそれでやられている。

個展初日に、具合悪そうにして現れたのだが、

「夕べ食事の後気分が悪くなった。食べたもの全部吐いたら楽になったけど」

と言いながらも辛そうにしている。

マツモトキヨシに薬を買いに行った。

「店長がさ、それはウィルス性胃腸炎じゃないかって言うんだよ。今流行ってるらしいね」

買ってきたパンシロンを飲んだが症状は改善しない。

「明日午前中病院に行ってみるよ」

と言っていたが、病院でもやはりウィルス性胃腸炎という診断。薬を処方してもらって帰ってきたが、ギャラリーには足を運べなかったらしい。わたしも昨日はお休みしていた。眠気が取れなくて一日家から一歩も外に出なかった。テレビを見たり、パンとコーヒーで食事をしたりする以外はずっと寝ていたのだ。低気圧も影響しているかもしれない。

日影さんは今日水曜日もお休みである。大丈夫だろうか……

 

吉行淳之介の「掌編全集」というのを読んだが、ちっとも面白くなかった。ショートショート50編とあるのだが、上手な文章、意外な展開がちょっと気を惹くのだが、テクニックで書いているようで、面白さが伝わってこない。やはりテクニックを使った作品は飽きてしまうのだ。

本を2冊追加購入。

片山廣子 『ともしい日の記念』(ちくま文庫)

佐多稲子 『キャラメル工場から』(ちくま文庫)

読んでない本が増えてきたが、のんびり読むことにしよう。

とりあえず、金井美恵子 『カストロの尻』をいってみよう。

田山花袋の『一兵卒の銃殺』を読んだが、これは面白かった。

 

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