2018年6月18日 (月)

関水由美子展始まる

関水さんの土曜日の搬入は賑やかだった。関水さんの旦那さんと、息子とその嫁、友だちなどで、総勢6名。多い…

昨年も賑やかだったような気がするなあ。搬入は関水家の年中行事になるかもしれない。

小品をかなりたくさん持ってきてくれたので、それは、わたしが展示のレクチャーをしてから、ご家族でやってもらうことにした。わいわいがやがや、楽しそうにやっている。

家内制手工業…

グルーピングの説明を聞いて、みなさんがんばったのがこれである。

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事務所の展示もやってもらった。

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こちらは、わたしがやった展示。

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関水さんの初個展は2016年で、今回が3回目の個展である。若い作家のように思うかもしれないが、実はわたしと同い年である。学校の先生をしていて、早期退職したのもわたしと同じである。

まだ個展3回目だから、「私は若手」と自認しているようだが、どうなんだろう…

しかし、わたしのアドバイスを聞いて、作品がカラフルになったりする素直さは「若手」かも知れない。ヘレン・フランケンサーラーって知ってる?とわたしが訊くと、「知らない」ということだったが、自分で探し出してきて、カタログを手に入れたりする熱心さも「若手」と言ってもいいかも知れない。

今回の作品は、前回に較べると、かなりのびのびとしてきたし、色彩感覚もよいので、これからが、さらに楽しみである。

自分の思いをぶつけて、「自分」で画面がいっぱいだったのが、次第に「他人」を受け入れる空間と余裕が感じられるようになってきたのは成長である。

成長しているということは、やはり「若手」と言うべきか。

「wind-triangle」 紙にアクリル・インク 91×72.2cm 2018 ¥150,000

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「wind-atmosphere」 紙にアクリル・インク 60.6×50cm 2018 ¥80,000

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「wind-sign」 紙にアクリル・インク 2018 ¥25,000

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「wind-please」 紙にアクリル 18×14cm 2018 ¥10,000

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今週はずっと雨みたいだけど、ステップスはカラフルに晴れているのである。








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2018年6月14日 (木)

もう絵具は使わない

来月の展覧会の案内状はまだギャラリーから発送はしていないが、先に一つお知らせをしておきたい。

FAVORITE 2018

加藤 慶子

金澤 麻由子

小出 恵理奈

霜田 誠二

三輪田 めぐみ

望月 久也

7月11日(水)-21日(土) 日曜休廊

12:00-19:00(土曜日は17:00まで)

先日、霜田誠二がステップスに来て、パフォーマンスもやりたいということだったので

「いいよ」

と言ったら、さっそく自前のチラシを送ってきた。

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霜田誠二パフォーマンスアート

7月14日(土) 17:00~

¥2,000 学生¥1,500

打ち上げ参加の場合+¥500

予約不要

期日が迫ってきたら、また案内いたします。ふるってご参加ください。

来週は、関水由美子展。作家は全日在廊予定です。初日パーティーはありませんが、ビールは用意していますので、夕方から来てね。

吉岡は、今日、ようやく作品の着彩が終了。

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これで、もう絵具は使わなくていいのである。もう絵具は使わないのである。

嬉しい!絵の具と筆からの解放である。

明日からは、彫刻刀で、線を彫っていくという作業が待っているのであるが、とにかく絵具を使わない作業なので、楽しいのである。

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2018年6月11日 (月)

纐纈令展スタート

これは土曜日の搬入が始まる前の纐纈令と吉岡。

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撮影:高橋ブランカ

生憎の雨だけど、令君もわたしもまったく動じていない。なるようになるのである。

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右側の大きな作品は

「before waking up」 木にアクリル 162×130cm 2018 ¥500,000

部分

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ずっとこもってこれを描いていた。完成して、やっと作品から解放されたと本人はほっとしている様子である。

小品もたくさん作ってきた。

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「i can not die(1)」 木にアクリル 30×30cm 2018 ¥32,000

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i can not dieとは意味深なタイトルである。「死ねない」というのは、「死にたい」でもあるし、「死ぬわけにはいかない」でもある。

いろいろと悩みがあるのである。

「miracle driftwood」 木にアクリル 30×30cm 2018 ¥32,000

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纐纈の作品は、素材を自由に使って、新たなイメージと物語を作ろうとしている点で一貫している。その物語はハッピーエンドではないところでも一貫している。

「i can not die(2)」 木にアクリル・金属・プラスティック 21.0×14.8cm 2018 ¥12,000

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事務所にはコンセントのシリーズから5点だけ持ってきた。

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「concent 4」 木に紙・アクリル・コンセント 18×17cm 2017 ¥20,000

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クールに見えて、それでいてウェットな情感を漂わせているのが、纐纈作品のもう一つの特徴である。




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2018年6月 8日 (金)

クレーの日記

買いました。クレーの日記。7000円だと思っていたら、7200円でした。消費税を入れて7776円。高い。でも買えてうれしい。その報告のためだけにブログを書いているのでした。

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ビニールレザーの表紙が日記風で、凝ったデザインです。グリーンの、クレーの写真があるのは箱です。それほど分厚い本ではないのだが重い。紙が薄いので、これでも500ページある。早く読みたいが、『魔の山』がまだ読み終わってないので、ちょっと我慢である。

ブランカさんにこの喜びを伝えたのだが、ブランカさんはクレーの作品にはそれほど興味を持っていないようだった。

お客さんが居ないときに、ブランカさんと話をするのだが、文学の話ができるので楽しい。南米の小説は、どうも肌に合わない、苦手だ、というところなどはいっしょだ。でもなんとかガルシア・マルケスを読もうとがんばっているのだそうだ。村上春樹は「ダメ」だよね、と言うところも同じで嬉しかった。

ブランカさんは、ギャラリーでは一日一本煙草を吸っている。わたしのタバコを「一本ちょうだい」といって、美味しそうに吸っている。

このあいだ、評論の本江邦夫氏が来て、わたしの文章について、一言述べていった。彼は、わたしが文章を書くと、必ず何らかのコメントを残していく。わたしがこのあいだみんなに送った「ミリツァの家」についてであった。

「吉岡君、あのさあ、あの文章だけどさ、最後のあの2行。猫が歩いているところ。あれさ ……… 作っただろ?」

「え?いやいや、作ってないよ」

「いや、あれは作ったね」

「作ってないって」

「作った」

「だって、あの猫が歩いているのを見たからあの文章書いたんだもん」

「そう… じゃあ、そういうことにしておいてやろう」

てな感じなのである。

次回も楽しみにしておこう。

☆バザーのお知らせ

セルビア大使館でバザーが開催されます。興味のある方は、ぜひ一度大使館を訪れてみてください。楽しいですよ。

・2018年 7月8日(日) 10:00-15:00

・在日セルビア共和国大使館(北品川4-7-24)原美術館の並びです。

・参加される方は、身分証明書(運転免許証、保険証、パスポート等)をご持参ください。

物品の販売のほか、食べ物・飲み物コーナーあり(11:00~)。好天の場合は12:00からバーベキューをします。14:00から、「PYRAMIDOS」によるバルカン音楽の演奏あり(45分程度)。

今朝、わたしは調子に乗って、また本を一冊買ってしまった。

船木亨 『現代思想講義』(ちくま新書)

船木さんの文章は読みやすくわかりやすい。そして刺激的である。この人の本は読んでおいたほうがいいよ。

Photo_2 リョウ

☆来週の展覧会

来週は纐纈 令(コウケツ リョウ)君の個展。

仕事を辞めて元気のない(いつも元気がないが…)彼は、もう作品を描くしかないのである。

Dm

毎日ギャラリーに来る予定ですので、みなさん、ぜひ纐纈君に会いに来てください。



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2018年6月 5日 (火)

ポートレイト

銀座の教文館では、文庫本のコーナーしか見ないのだが、たまに単行本のコーナーにも足を運ぶ。このあいだみすず書房のコーナーを見ていたら、「クレーの日記」を見つけた。ぱらぱらと見ていたら、ものすごく欲しくなってしまって買おうと思い、箱の裏を見て値段を見たら、なんと7,000円だった。わたしは本を書棚に戻した。

うーん、でも欲しい。そうだ、今週のブランカさんの個展で作品が売れたら買うということにしよう、と考えた。

しかし、今回のブランカさんの作品は売れないだろう。なぜかというと、すべてポートレイトだからだ。そもそも写真作品はなかなか売るのが難しい。写真て誰でも撮れると思われているからね。なかでもポートレイトはダメなのである。なぜかというと、ポートレイト作品を買ったとすると、それを自分の家に持ち帰って飾るとすると、家族は「他人が家の中に入ってきた」と感じるからだ。どんなに良い作品でも、全く知らない他人が自分の家に入るのは嫌なのだ。

しかし今回わたしは敢えてポートレイトで勝負してもらった。非常に力強い作品だから。

昨日のパーティーは予想通り賑やかに行なわれた。

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右側にいるのがブランカさんで、その隣がセルビア大使。手前の左側の白いワイシャツの方が元セルビアの日本大使の角崎氏。

大使の挨拶のあと、ブランカさんの挨拶。それから角崎さんの乾杯の音頭で、ワインを飲む、という手順。

7時から始まって、遅くまでパーティーは続いた。

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やはり飲むことよりも喋ることにみんな夢中である。

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これは煙草グループ。

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ブランカさんと記念写真も撮った。

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パーティーも終わり近くになって、Wさんが現れた。Wさんはドイツ語の先生をしていて、霜田誠二の作品をいつも買ってくれるのだが、ブランカさんのことも知っていて、来てくれたのだった。わたしは早速作品リストを手渡す。

まさかとは思ったのだが、ブランカさんとしばらく話をしたあと、大きな作品を1点購入してくれることになった。

わたしは、よし、「クレーの日記」を買いに行こう!とガッツポーズをした。

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2018年6月 4日 (月)

高橋ブランカのポートレイト

今日から、高橋ブランカ写真展スタート。

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彼女がロシアに滞在していた頃に撮った友人のポートレイトである。

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どんな写真でもそうなのだが、特にポートレイトは、撮られた被写体の人物よりも、それを撮った作家の人間性が問われてくるので、とても難しいのである。

ブランカさんは社交的で、よく喋るし、楽しく明るいので、撮られた人たちは彼女に乗せられてしまっているのがよくわかるのである。

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それにしても、日本人の写真家の撮るポートレイトとはどこか決定的に違うところがある気がする。

油絵でもそうだが、日本人の描く油絵と、たとえばヨーロッパ人の描く油絵は、根本的に何かが違っている。

これって何なんだろうね。

「Sleepless in Russia 3」 ¥60,000

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ブランカさんはポートレイト以外にもいろいろな写真を撮っているが、今回はポートレイトだけにした。写真はわたしが選んだ。

「Sleepless in Russia 13」  ¥40,000

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タイトルのSleepless in Russiaは、全部夜中に撮った写真だからである。「ロシアの眠れない夜」なんていうふうに訳すとかっこいいぜ。

「Sleepless in Russia 9」  ¥40,000

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「Sleepless in Russia 18」  ¥50,000(額込)

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小説を2冊販売しています。

「東京まで、セルビア」 

「クリミア発女性専用寝台列車」

各¥2,000

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一昨日の土曜日、わたしはギャラリーに泊まった。佐藤全孝さんの搬出が終わったあと、ブランカさんの展示もちょっとやってから帰ろうと思って、始めたら、わりとスムースに出来たので、今日は半分やってから帰ろうと思った。ブランカさんの展示は全部わたしが好きにやることになっている。

調子に乗って、途中で写真を撮りながら、展示について解説もしようなどと考えたのだが、10時近くになったら、めちゃくちゃ疲れが出てきて、やっぱりやめたのだった。

銀座から地下鉄の乗って三越前にきたら、駅のアナウンスが、総武線が止まっているという。駅員に、今日は動かないでしょうかねと訊くと、そうですねえ…と要領を得ない。こういうときは早めに動いた方がいい。わたしは今日はギャラリーに泊まることに決めて、銀座に引き返す。セブンイレブンで、最後に残ったお弁当を買う。バナナとヨーグルト、パンと缶コーヒーも買う。

ビールを飲みながらお弁当を食べていると、ラジオのニュースで、今日の総武線の情報が流れる。幕張本郷の駅で、痴漢を疑われた男が鉄塔に登って降りて来ないということだった。やっぱり泊まって正解だな。ダンボールを敷いて、その上に毛布。寒くはないのでそのまま寝られる。午前1時に寝て、朝の5時に眼が覚めた。眠いけどバルコニーでコーヒーを飲んでから展示の続きをやることにする。

9時に終わる。

展示は、壁の1面だけを使うということは決めていたのだが、写真のグルーピングや順番などはその場で決めた。写真はマグネットで留めるので、これがかなり面倒なのだが、わたしはがんばった。1枚だけ別の壁面に「飛ばし」たり、対面には額に入れた作品を「受け」にしたりして完成。

ブランカさんから、午後にワインを持っていきたいと連絡があったが、わたしは帰りたかったので、ギャラリーの入り口に置いておくように頼む。

ヤンヤンで五目冷やしそばを食べてから電車に乗る。眠い!

さて、きょうはこれからパーティーである。

気合入れて乗り切ろう。










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2018年6月 1日 (金)

ブランカ展パーティー

5月31日(木)

全孝さんの大きな作品が売れた。買ってくれた方は、昨年も、その前も購入してくれた方である。2年前に買っていただいたときに、わたしは大変失礼なことを言ってしまったことを忘れない。購入してくださった作品は、1m四方の大きさだったので、わたしは思わず

「飾る場所ありますか?」

なんて言ってしまったのである。そうしたら彼女は一言

「あります。」

冷や汗ものであった。

今回も同じように大きな作品だったが、わたしは飾るところありますか、とはもちろん言わなかった。

彼女はわたしが制作中の作品を覗き込んで、それは何ですか?と訊くので、今度のわたしの個展の作品です、なかなか終わらなくて、と答えた。いいですねえ、欲しくなりますねと言うので、ほかの作品も見ますか?まだ途中ですけどと言うと

「見ます!」

というので、作品を全部出して見せた。そしたら、今買うことは出来ませんか?と言うので、いいですよ、と答えると

「じゃ、これにします」

と予約してくれる。

「まさか、売ってくださるとは思いませんでした」

(まさか買ってくれるとは思いませんでした)

まだ制作途中なのに、予約が2点になった。嬉しい。

全孝さんは毎日元気にギャラリーに来ている。大丈夫だろうかと心配になるのだが、本人は調子が良いようである。じつは全孝さんは今入院中なのである。毎日ギャラリーに来ているのは、外出と外泊許可をもらっているからだ。個展が終わったらすぐに病院に戻って、手術することになっている。

個展初日には主治医もギャラリーに来てくれた。

6月1日(金)

朝、ノアカフェでモーニング。トーストとホットコーヒー。

向うの席にごま塩頭のおじさんが居て、アイスコーヒーとトースト、と言っていた。

「野菜いらないから」

トーストセットには、たっぷりのサラダがついてくるのである。せっかくのサラダなんだから食べなよ。

わたしのうしろの席におばさんが一人座って、注文している。なんだか声が小さくてもごもご言うので、なんて言っているのかわからないが、耳をそばだてると、やはりアイスコーヒーとトーストを注文しているようである。わたしは耳をそばだてるのが趣味なのである。そしておばさんは

「サラダはいりません」

と言う。やれやれ。

Dm

さて、来週から高橋ブランカさんの写真展である。初日パーティーをしますので、みなさんぜひおいでください。時間がいつもと違いますのでご注意ください。

パーティー:6月4日(月) 19:00-21:00

セルビア大使もいらっしゃいます。大使が来るということは、大使館員も全員来るということである。またきっと、日本人よりもセルビア人が多くなることだろう。ブランカさんは知り合いが多いので、パーティーは「満員御礼」ということになりそうだが、遠慮なく入ってきてください。

案内状にもブランカさんの略歴を載せたが、もう一度書いてみる。

高橋ブランカ

作家、翻訳家、写真家、舞台女優

1970年 旧ユーゴスラヴィア生まれ。

1993年 ベオグラード大学日本語学科卒業。

1995年 来日。1998年 日本に帰化。

1998年ー2009年 夫の勤務で在外生活。(ベラルーシ、ドイツ、ロシア)

2009年から東京在住。

著書

「最初の37」(2008年、ロシアで出版)

「月の物語」(2015年、セルビアで出版。クラーリェヴォ作家賞受賞)

「東京まで、セルビア」(2016年、東京で出版)

「クリミア発女性専用寝台列車」(2017年、東京で出版)

個展中にギャラリーで本の販売もします。

ブランカさんは現在小説執筆中で忙しいが、小説のほかにも、翻訳とか通訳とかの仕事が多いので、大変であるのだが、個展会期中は毎日ギャラリーに来ます。たぶん毎日15:00ごろから在廊することになると思います。

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2018年5月30日 (水)

背中が凝る

5月29日(火)

先週の疲れがそのままだけれど、今日一日休んで、なんとか回復したいものである。

昼は稲毛駅前のドトールでサンドウィッチとアイスコーヒー。

パン屋さんのサンジェルマンはお店を改装して、喫煙コーナーがなくなってしまったので、パンを買うとき以外はもう行かないのである。

ドトールとエクセルシオールカフェがあるので、これからはそのどちらかに寄ることになるだろう。稲毛駅を素通りして銀座まで行き、ノアカフェでモーニングというテもある。

しかし、サンジェルマンの喫煙コーナーがなくなってしまったのは悲しい。いつも来ていた、よぼ爺や、パチンコグループはどこに行ってしまったのだろう。

リラクゼーションスタジオHOTでマッサージ。

背中がひどいですねえと言われる。ときどき背中が引きつったようになり息苦しくなって屈みこんだりすることがあるのだが、やっぱりあれは凝りだったんだね。

新宿の眼科に行き目薬をもらう。帰りに地下街の喫茶店「珈人」に寄って、スパゲティーナポリタンとアイスコーヒー。そして煙草。この店は、まだ禁煙にしていない。というか、土日以外の平日は店内すべて喫煙なのである。禁煙コーナーはない。やるなあ。

ここの大きなテーブルでアイスコーヒーを飲みながら本を読むのが楽しみである。トーマス・マン『魔の山』の上を読み終わる。

5月30日(水)

今朝もドトールに寄る。わたしの隣にキャリーバッグを引いて来たおばあさんが座る。しばらくするとその向うに、もう一人同じようなおばあさんが座る。二人ともアイスカフェオレを飲んで煙草を吸っている。あとから来たおばあさんが、最初のおばあさんに話しかける。

「あのお、ひょっとしたら三味線をやってらっしゃいますか?」

「はい、やってますよ」

「やっぱり。そうだと思いました。どこかで見かけたことがあると思ったものですから」

二人は昔、同じ三味線教室に通っていたようである。

こういう場合、知り合いとわかったとたんに、ものすごいおしゃべりが始まるのが、おばあさんのおばあさんたるところである。

「わたしは6人兄弟でね、わたしは一番下なの。一番上の姉は97歳。まん中の男4人は全員死んじゃった」

「家の片付けはたいへんよねえ。なかなか手がつけられないわよねえ」

「捨てられえないのよねえ。何でも取っておくの」

「あたしなんか、18・9歳の頃に買ったシュミーズまだあるのよ。まだ着られるよ。今82歳だけどさ。あれは銀座で買ったシュミーズなのよねえ」

話は延々と続くようだったが、わたしは時間なのでドトールを出て銀座に向う。

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2018年5月27日 (日)

佐藤全孝の違和感

5月26日(土)

「なぜ美術を選んだのか」最終日。

いやあ、長かったなあこの2週間。

疲れがたまってくると、眠くて目を開いていることが難しくなってくるね。

企画は面白かったんだけど、実際にやってみると、緊張と疲れでどうしようもなくなってしまった。トークはみんな面白かったと言ってくれたのでよかったんだけどね。

ビデオはどうなるかなあ。州崎君が編集してくれるけど、音声がどの程度入っているのかが心配である。これは貴重な資料になるかもしれない。

搬出をしに来たのは倉重光則。自分の作品を撤去して、明日は個展のために仙台まで車で行くようである。

佐藤全孝さんの搬入が始まってから、菅沼緑さんが現れる。作品を持って新幹線で花巻まで帰るのである。

全孝さんの搬入は、大体の位置を決めたらあとは明日でいいかなと思っていたが、並べてみたら、今日中にいけそうなので、やっつけてしまうことにする。

全孝さんは大きな作品を12点持ってきたが、わたしは多すぎると判断して、4点を持ち帰ってもらう。

「この旧作もいっしょに並べてみたいんだけど…」

「ダメ」

予備校時代の恩師にわたしは厳しいことを平気で言ってしまう。

息子さんと、たまたま残ってくれた萩谷将司君に手伝ってもらい、釘を打つ。わたしはかなり展示にうるさいし、ミリ単位で長さを測りながらやっていたのだが、最近はメジャーも使わずにいきなり適当な場所に一本釘を打って、もう一本も隣に目見当で適当に打つ。でね、作品を掛けてみると、ぴったり水平だったりするわけよ。これが快感なのである。プロだねえ。

こんな感じになる。

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この赤い作品は高さを少し違えて変化をつける。

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全孝さんは、今回の個展のためにテキストを書いて印刷して持ってきた。その冒頭は

「子供の頃から漠然と感じていた周りの世界に馴染めない違和感がありました。」

馴染めないままずっと生きてきたのである。その辛さが伝わってくるのだが、しかし作品はそこを飛び越えつつあるのではないかと予感させる。

開き直るしかないのである。

トーマス・マンは「魔の山」のなかでこんなことを言っている。

「慣れないことに慣れていく」

慣れないという状態に慣れていくということで、「慣れない」とは全孝さんの「馴染めない」と同じことであろうと思う。

なんかとても深いのである。

「鏡のなかなら… 「祭壇」の習作 No.1」 キャンバスに油彩 116.7×116.7cm 2018 ¥400,000

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「遠い日、いつか、いつも見ていたような気がする 白い時間… No.1」 キャンバスに油彩 91.0×91.0cm 2018 ¥300,000

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「鏡のなかなら… 「祭壇」の習作 No.3」 キャンバスに油彩 116.7×91.0cm 2018 ¥350,000

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「遠い日、いつか、いつも見ていたような気がする 白い時間 No.6」 キャンバスに油彩 45.6×53.0cm 2018 ¥80,000

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5月27日(日)

今日もギャラリー。

午前中に中村ミナトさんが、作品を運び出す。

わたしは、全孝さんの作品リスト作り。壁の補修。木嶋さん、日影さん、十河さんの作品を梱包する。これだけでかなり時間がかかってしまう。体力もなくなっているし、すぐに疲れてしまうので、休みながらゆっくり行なう。

午前中にギャラリーに来たのに、もう午後6時である。

いやあ、でもなんとか乗り切っていかなくてはなあ…

全孝さんは半年入院していたのに、こんなにたくさん作品を描いて、明日からは毎日ギャラリーに詰めると言っているがどうなるのかはわからない。遅く来て早く帰ってねとは言ったのだが… 


 


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2018年5月25日 (金)

中村ミナトの幼少時代

5月25日(金)

「なぜ美術を選んだのか」のトークショー6回目の最終回。

昼過ぎに藤本均定成さんからメール。今日のトークは仕事で行けなくなってしまった。それで、ぜひ聞いておいてほしいことがある、とのこと。幼少時、ミナトさんは絵を描くことと、工作などをすることで、どっちが好きだった?と聞いてほしい。

トークの冒頭にわたしはこの質問をしてみた。ちょっと考えて、ミナトさんは、工作かな、と答えたのだった。

小学生のころはよくできた子で、成績は全部よかったとのこと。バレエ、英語、ピアノ、お絵描きと習い事をたくさんさせられて、とても嫌だったそうだ。マドンナと呼ばれていたそうで、成績がよくて可愛いかったからかもねと答える。

小学生のころは優等生だったが、中学校に入ってからは成績はどんどん落ちて、中学・高校時代は空白の6年間だったのだそうである。何にもしなかったそうである。

大学は、美術なら出来るかもしれないと考えて、デッサンを習いに行った。美術大学は武蔵美だけを受けて合格した。武蔵美なら受かるかもと思ったのだそうである。なぜ彫刻科にしたのかというと、テレビでイタリアかどこかの彫刻家の番組を見て、かっこいいと思ったから。絵は面倒くさいと思ったそうである。具象彫刻ばかり作っていて、金属の抽象彫刻になったのは大学を卒業してからだそうである。

トークのあとは、バルコニーでビール。今日はビールにぴったりの陽気である。

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6回のトークは全日晴天に恵まれて、とても楽しい飲み会ができた。

いやあ、やっと終わったなあ。振り返ると、かなりムチャな日程だったような気がする。わたしはもうへとへとである。

パーティーではわたしはほとんどお酒を飲まないようにしているのだが、今日は最終日なので、ビールをごくごく飲んでしまう。

わたしはがんばったのである。

なにも知らずひょっこりやってきた浜田浄も無理やり座らせて飲ませる。

こうやって、わたしの思いつきの企画に乗ってきてくれる作家たちって、本当にありがたいものである。

30年以上前に、全く無名だった(今も同じだけど)わたしがグループ展を企画して、そのころ勢いのあった大活躍中の作家たちに、ダメもとで参加を呼びかけたら、わたしよりかなり年上だったはずだが、全員参加してくれたときのことを思い出した。それをトークで言ったら、「そんなに年上ではないでしょ」とミナトさんに睨まれた。

明日は、搬出があり、佐藤全孝展の搬入がある。搬出は時間がかかりそうだし、ミナトさんの搬出は日曜日になるので、全孝さんの搬入も半分は日曜日にやろうかなと思っている。

Dm

全孝さんは体調が思わしくないので、大丈夫かなあと心配なのだが、本人は、会期中は毎日来ると言っている。無理はしないほうがいいんだけどな。

作品は気合が入っていて、迫力のある画面を見せているので、展示もがんばらなくてはなあ。

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