2023年12月 1日 (金)

ざね君

来週の展覧会はZANE展。誰それ?と思われるはずである。

廣實優(ひろざねまさる)君である。みんなに「ざね君」と呼ばれているので作家名をZANEとした。しかもそれを「ゼイン」と読ませるのであった。

1993年 東京生まれ。武蔵野美術大学(テキスタイル)卒業。鈴木純子先生に習った。初個展である。どんなふうになるのか分からないが、初個展なので好きにやってくれ。

11月29日(水)

来年のわたしのアトリエ・Kの個展作品を、ちょっと早いけど送ってしまおうと思って梱包を終わる。送ってもいいかどうかギャラリーに電話してみた。中村きょうこさんが出ないで、男の人が出た。中村さんは突然倒れて入院しているという。一週間ほどと言っていたのでそれまでの心配はないのかも知れないがわからない。心臓かもしれない…大丈夫かなあ。

倉重に電話。横須賀美術館に行く日を伝える。12月17日に行くよと伝えると、横須賀まで車で迎えに来てくれることになる。セルビアから山崎久さん夫妻が来ていて、倉重展のときにステップスに来ると言うので、その日取りを決める。久さんは、山崎洋さんの息子で、ベオグラードの日本大使館に勤めている。わたしと倉重はベオグラードに行ったときに大変お世話になった。中村きょうこさんの件を伝えると、すでに知っていた。倒れる前日に行ったときに、なんか調子がよくないように思ったということである。

11月30日(木)

画廊会議。来年の「新世代への視点」の打合せ。今日は、各画廊の作家を紹介する。ファイルを交換してどんな作家が出品するのか確認。ステップスは甲斐千香子。「会議」はすぐに終わってしまう。わたしがスタンプラリーについて質問。スタンプラリーは各画廊に用紙とスタンプを置いておく。全部の画廊を回ると、作品購入時に10%割り引きになる。一番よかった作家名を書く。で、集計して1番だった作家を選ぶ。一番になった作家を選んだ人の中から1名、抽選でその作家の小品がもらえるというシステムである。作品は半額で画廊会議が買い上げる。

来年新年会をやろうよという話になり、どんな店で何を食べようかという話で1時間。ゆるい会議なのであった。店を決めるのはコバヤシ画廊の小林さんということになる。小林さんは普通の居酒屋では嫌なのだそうだ。

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2023年11月27日 (月)

石倉仁一郎展スタート

11月25日(土)

ナガクボ氏の搬出があっという間に終わったので、石倉さんの展示もすいすい進んだ。わたしと二人で2時間。ちょっと疲れたな。

こんなことを言っては何だが、石倉さんの作品は少しずつ「大人」になってきている。ちょっとずつ空間に深みが出てきている。ブルーの作品が秀逸である。これから期待ができる。若手というわけではないけどね…

11月26日(日)

マッサージ。生き返った。

コーヒーポットを購入。ギャラリーにポットが割れてしまったのだ。割れたのではなく割ってしまったのだけどね。流しに置いてあったポットの上に洗いかごが落ちて来たのだ。このごろ何でも落ちてくるのである。何もしていないのに落ちてくるのである。誰かの陰謀としか思えない。頻繁にものが落ちる。困ったものだ。

11月27日(月)

ギャラリーに着くとすぐに荷物が届く。何だろうと思って見てみると、薬局からだった。インスリンが入っている。そうか、このあいだ薬局に充分なインスリンが無くて、あとで送りますと言っていたのを思い出した。

倉重光則が個展DMを持って現れる。来年の案内状である。ステップスとアトリエ・Kの2か所でやるのでる。

☆倉重光則「真夜中の白い正午」

2024年1月8日(月)- 20日(土)

Steps Gallery

☆倉重光則「「カオスの裂け目」

2024年1月16日(火)- 2月4日(日)

ATELIER・K

吉岡もやります。

吉岡まさみ「secret memory」

2014年2月10日(土)- 25日(日)

ATELIER・K

浜田浄がかなり久しぶりで来廊。

「普通に歩いてるだけで息が苦しくなるんだよ」

階段も大変らしい。

さて、わたしはこれから石倉さんに留守番を頼んで買い物に行こう。

段ボールとかプチプチエアキャップとか買ってきて、アトリエ・K用の作品を梱包しなくてはならない。

 

 

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2023年11月25日 (土)

ガリガリ君に助けられる

疲れた時、気分のすっきりしない時、口の中がなにか物足りない時、そういう時はくだものが効くと以前書いたが、他にもいろいろある。風呂上がりのビールとか、仁丹とか、酸っぱいレモン系の飲み物とかである。なかでもガリガリ君(ソーダ味)が即効性があって便利である。ギャラリーの冷蔵庫にいつも5・6本入れてある。ギャラリーに着いてやれやれ来るだけで疲れるわい、というときに、冷凍庫のガリガリ君を齧る。数口齧ってまた冷凍庫に戻す。一回で一本全部食べることはない。ガリガリ君の味を楽しみたいから、あるいは水分補給のために食べるのではないからである。一時的にすっきりすればいいのである。夏場はよく食べるが、寒くなって来たこのごろでも食べている。さらにクリスマス、お正月になっても、やはりガリガリ君は冷凍庫に用意しておくつもりである。気合を入れるために良い食べ物である。

今日はナガクボケンジ展最終日、搬出がけっこう時間がかかりそうである。そのあと来週の石倉仁一郎展の搬入。こちらも点数が多いので時間がかかるかもしれない。

ガリガリ君を食べてがんばろう。

昨日、評論家の平井亮一さんが来た。平井さんはもう90歳を超えている。92とか93とかのはずである。階段をすたすた昇ってくる。元気だ。ナガクボ作品を見て

「面白いねえ!この人は、オレがオレがっていうガツガツした人ではないでしょう?静かにコツコツとやってる」

「そうです」

「こういう作品を美術館の学芸員とか見なくちゃダメなんだよ」

セリーヌの 『夜の果てへの旅』が面白い。どのページも読み飛ばすようなところはない。第一次世界大戦のころのフランスが舞台である。

「彼女のほうは、僕の愛人は、永久的背景の中で芝居していたのだ。この点は、クロード・ローラン(十七世紀のフランスの風景画家)の言うとおりだ、絵の前景というものは常に忌わしいもので、芸術的要請からしても作品の興味は遠景のうちに、とらえにくいものの中に据えなくてはならない、そこに虚偽が、すなわち現実からかすめ取った夢が、人間の愛するたった一つのものが逃避するのだ。」

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2023年11月22日 (水)

東京ナポリタン

11月21日(火)

少し早めに家を出て、まっすぐ東京へ。丸善の文庫本コーナーをまわる。セリーヌを探したらすぐに見つかった。嬉しい。

若桑先生のマニエリスムの本も買う。難しそうで遠慮していたが、ジャック・デリダよりは簡単なはずである。ナボコフのゴーゴリ評伝も買う。ナボコフは難解である。「ロリータ」はなんとか読み通したが、他の本は途中で投げ出したものが多い。高橋ブランカに言わせると、ナボコフの文章は美しいそうである。

セリーヌ 『夜の果てへの旅』(上)(下)(中公文庫)

若桑みどり 『マニエリスム芸術論』(ちくま学芸文庫)

ウラジーミル・ナボコフ 『ニコライ・ゴーゴリ』(平凡社ライブラリー)

文庫本コーナーと同じ3階のカフェで昼ごはんを食べることにする。なにか食べるものあるかなあと見てみると、東京ナポリタンという文字を見つけた。よく考えると奇妙なネーミングである。アイスコーヒーも頼む。

普通のナポリタンだったが、生麺なのか、もっちりしていて美味しい。これが東京ナポリタンですと言われれば、そうなんですね、と答えてしまうだろう。

東京から馬喰町に戻って、都営新宿線に乗り換える。新宿三丁目で降りて世界堂へ。フィクサティフを買う。明日これを作品に吹きかけて鉛筆を「留める」。額縁のコーナーも見る。今度の作品を入れる額の下見だ。28点あるので、額代がかかる。額はかなり値上げされていた。3900円くらいだったものが、4600円とかになっている。おお…かなりの出費になるなあ。

新宿三丁目から曙橋まで一駅。女子医大で糖尿病の診察。血糖値はあいかわらず高いままだ。ドクターの新しい提案。

「朝から昼にかけて血糖値が上がるから、朝起きたらすぐに3~4(単位)打ちましょう。朝はね、なにも食べなくても血糖値は上がるから」

ということで診察終了。

薬局でインスリンとか飲み薬とかいろいろ貰ったら、荷物がものすごく重くなった。かばんには分厚い文庫本とフィクサティフも入ってるし。稲毛に着いてさらに買い物したら、とんでもなく重くなった。へとへとだ…

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2023年11月20日 (月)

作品持ち帰り

一昨日はナガクボケンジ作品の搬入。お手伝いに赤川君と、水谷君。二人ともナガクボ氏の後輩にあたる。赤川君はナガクボ氏と同様小学校の教員をやっていたが二人とも早期退職。水谷君は勤め上げて校長だった。もと校長に作業を手伝わせることになるが、わたしを含めて学芸大出身なので、昔話も出てくる。

ナガクボ氏の「鼻」の作品は、数えてみると150点近くある。展示が大変になるなあと思っていたが、2時間足らずで終了。やはり展示は人数である。終了後のビールが美味い。

今回の作品は1000円~6000円。お買い上げの場合はすべてその場でお持ち帰りということになる。ピンバッジとマグネット作品もある。これは¥100と書いてあるが、この「¥100」も作品のうちである。どういうことかと言うと、¥100と書いてるが、実は¥1,000で売っているのである。ご注意を。

さっき、さっそく平塚良一さんがマグネットを一つ購入してポケットに入れて持ち帰った。

ナガクボさんは今日と土曜日在廊予定。

昨日は、マッサージに行く。久しぶりに足裏もやってもらう。いつものマッサージは西さんにやってもらっているが、足裏は本田さんである。ときどき足裏をやってもらうと疲れが取れて、ぐっすり眠れる。マッサージなしでは生きていけない身体になってしまったのだった。

笙野頼子の『未闘病記』(岩波現代文庫)を読んでいる。笙野さんは混合性結合組織病である。壮絶である。この病気は膠原病の一種である。わたしが罹っているベーチェット病も膠原病類似疾患である。自己免疫疾患だ。同じような病気で、歳もわたしと同じなので、身につまされるのである。

明日は、女子医大で糖尿病の診察。これは午後3時からなので、病院の前に東京の丸善で次の本を探す。そのあと新宿の世界堂に寄ってフィクサティフを買うつもり。鉛筆ドローイングを「留める」のに使う。

 

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2023年11月17日 (金)

お手元に来週の展覧会DM「ナガクボケンジ」をお持ちの方はもう一度ごらんください。黄色い鼻が3つとグレーの鼻が逆さまに3つ見える。

これって何?だよね。

少し説明が要るかもしれない。ナガクボはその昔、「舌」を作ったこともあった。粘土で作ったものだ。そして今回は「鼻」である。粘土で作ってあるように見えるが、これはジェッソで作ってある。ジェッソというのは、キャンバスや紙に塗って、下地を作る液体である。時間がたつと固まるが、決して粘土のように使って立体物を作るためのものではない。

ナガクボは敢えてこのジェッソを使って鼻を作る。ジェッソを垂らして乾くのを何時間(何日間?)か待ってさらにジェッソを垂らしていく。気の遠くなるような作業だ。あまりにも時間がかかるので。、それほど大きな作品は作れない。

なぜジェッソなのか?そしてなぜ鼻なのか?

よくわからない。彼自身の事情があるはずだが、その理由を訊こうとは思わない。

知ってどうする?

ナガクボ氏は学芸大学の大学院を出たのだが、わたしが卒業した年に広島大学から入って来たので、在学中は交流がないし、知らなかったわけだが、作品を発表しているとじきに知り合いになるのが美術の世界だ。

小学校の先生をしていたのだが、わたしと同様、早期退職した。

「鼻」の「理由」を訊きたい方は来週ギャラリーに来てください。

このところ寒くて調子が悪い。寒さに弱い。とくに季節の変わり目が困る。身体中が凝って我慢できなくなったりする。痛いしだるい。少しずつ慣らしていくしかないだろう。

大杉栄 『自叙伝・日本脱出記』読了。波乱万丈の人生を面白く読んだが、ゲスなわたしは、「白米の本当の美味さがわかるのは、牢獄に入ったことのある者だけである」なんていう箇所に印をつけたりしてしまうのだ。

展覧会にはいい季節なのか、個展をやっている知り合いが多い。時間を見つけて回ってみようと思うが、なかなか時間は取れないものである。横須賀美術館の勝又展にも行っていない。

先日、馬喰町のルーニィで「たてやまともか 展」を見て来た。久々のヒットである。刺繍で風景が描いてあるだけだが、見飽きない。早稲田の長谷見先生推薦のことだけある。ステップスでも紹介することになるかも知れない。まだ25歳。

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2023年11月13日 (月)

転生図鑑

今日から甲斐千香子展。

「転生図鑑」というタイトルで、不要になったものを集めて花のように構成している。毎回よくテーマを変えてくるなあと感心する。テーマを変えていくのは才能が要るのだ。才能のない作家は同じ作品を作り続ける。

「古代コスメ墓地」という作品は、なかなかのタイトルである。甲斐は、ときどき、こういう未来から現在を見つめる視線を導入する。

作家は、水曜と木曜以外は在廊します。

吉岡は、来年の個展に出す鉛筆ドローイングがようやく終わった。全部で28点。一昨年から描いているので足掛け3年である。完成祝いでもするかなあ。これから額装するのだが、その前にマットを切るサイズを1点ずつ決めてサインを入れていく作業に入る。けっこう面倒だけどがんばろう。

もうすぐ久坂葉子の『幾度目かの最期』を読み終わる。読み終わるのが惜しい。この人の全集とかあるのかな?あったら買いたい。

ジャック・デリダの『動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある』(ちくま学芸文庫)を購入。これはかなり気合を入れないと読み通せないかもしれない。

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2023年11月10日 (金)

マーブルヒップ

11月7日(火)

中村ミナト展に長野から今井由緒子さんが来てくれた。今井さんは2021年の女性彫刻家展「ひとつの部屋で」に出品したが、コロナで来れなかった。久しぶりの東京だそうだ。おみやげに長野の林檎を持って来てくれた。店頭には並んでいないものだそうだ。小さいサイズの紅玉である。アダムとイヴのイヴが食べた林檎と同じ大きさである。たぶん…

「ちょっと相談があって…」

と言いながら、スマホで作品の写真を見せる。小さな可愛い彫刻作品である。大理石だそうだ。来年のアートカクテル展にこれを出したいのだそうだ。

「これいいですねえ!」

「でも古いのよ」

「古い作品歓迎です。古い作品は逆に新しく見えます」

「ただ古いんじゃなくて、ものすごく古いのよ。それでもいいかしら」

「いいですよ」

いっしょに見ていたミナトさんが

「これってマーブルヒップって言うのよ」

マーブルヒップ……大理石のお尻である。言葉のとおり、可愛いお尻の形をしている。

「今井さんのマーブルヒップは一世を風靡したわよねえ」

「そんなことないわよ」

「どれぐらい前の作品なの?」

「うーん、ずっと昔の若い時の」

よく聞くと、50年以上前の作品なのであった。どおりで見たことないと思った。

若い人は知らないだろうが、今井さんは彫刻の大御所で、80歳を過ぎている。現在は木で彫刻を作っているが、その前は金属だったし、その前は石を刻んでいたそうだ。

「小さいのがあったから、アートカクテルにちょうどいいと思って」

来年のアートカクテルに出品するが、おそらく一番の目玉作品になるだろう。

今井さんは夜、ミナトさんと食事に行く予定だが、時間があるので銀座をぶらぶらしてくると出かけて行った。

夜になっても帰って来ないので、道に迷ってしまったのか、どこかで倒れているかもと心配していたら、ひょっこり帰ってきた。

「何してたの?」

「ボーイハント」

「ボーイハント!?」

昭和の言葉だ。

「一人も捕まらなかったわ」

11月8日(水)

新幹線で山形へ。

奥さんと二人で、山形の母親を尋ねる。

グループホームに入っている90歳の母親を連れだして、墓参りをし、買い物のあと夕食をいっしょに食べる。蕎麦の庄司屋で天ぷらと板蕎麦。

「遠いのに来てくれて申し訳ないねえ」

と何回も繰り返す。

食べ終わって会計をしに行くと、カウンターに木嶋正吾展のチラシが置いてあった。これを見に来たんですよ、とお店の人に言うと、木嶋先生はこのあいだ食べにいらっしゃいましたよ、と言う。すてきな方ですよねえ…。

11月9日(木)

朝ご飯のあと、山形美術館へ。木嶋正吾展。副館長の岡部さんに挨拶をしてから作品を見る。2階と3階全館をぶち抜いて大作が並んでいる。100号、200号サイズが何十点も並ぶ。壮観である。回顧展だね。

1階のコレクション展もゆっくり見てまわる。山形美術館のコレクションは質が高い。新海竹太郎、新海竹蔵の彫刻をまとめて見られてよかった。クールベ、マネ、モネ、ゴッホ、ピカソ、近代美術は一通り揃っている。

キスリングの作品がよかったなあ。

各駅停車で米沢へ。親戚のお家にお邪魔して、お茶だけ頂いて帰る。

帰りの新幹線の中で、電話を受け取る。平石裕さんからだ。

「フランスのおみやげのサラミがあるんだけど食べる?」

「食べます!」

「じゃあ、ギャラリーに届けておくわね」

一泊二日だったが、数日旅行した気分になった。

さて、来週は甲斐千香子展。作品リストが送られてきた。

なかなか終わらないと言っていたが、大作を含めて19点ある。

明日搬入だから急いでキャプション作らなくちゃ。

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2023年11月 6日 (月)

久坂葉子の小説

11月4日(土)

尾崎紅葉の『多情多恨』がもうすぐ読み終わりそうなので、主人公の男の煮え切らない態度にいらいらしていたこともあって、今日で終わりにしようと読み始めたら、ミナトさんが、「これ読んだ?」と言って文芸春秋の9月号を差し出したので、見てみると芥川賞発表号で、市川沙央の「ハンチバック」が載っていた。本屋さんには単行本が並んでいて、買おうかどうか考えていたところだったので、ちょうどいい、これで読めばいいやと借りることにした。内容は重いのだが、なぜか爽やかでもある。

「これもあるけど」と言いながら、ミナトさんは中央公論の9月号を見せてくれる。「追悼 富岡多恵子」という記事で『「ここにいていいよ」と言われて五十五年 僕にとっては最高の人だった』と題して菅木志雄のインタビュー。「わたし富岡多恵子好きなのよ」「おれも好き」水曜日にミナトさんの作品の撮影をしてくれる写真家の山本糾(やまもとただす)さんも好きなので、差し上げることにしているそうだ。「だから早く読んで」と言われてすぐに読み始める。富岡多恵子の晩年のことが書いてあって面白かった。

11月5日(日)

昨日読めなかった『多情多恨』を読み終わる。

久坂葉子(くさかようこ)の『幾度目かの最期』を開く。久坂葉子という名前は初めて見る。教文館で本棚を見ていて目についたので買ってみたのだ。ちょっと読んで衝撃を受ける。どの行にも神経が走っていて切迫している。尾崎翠を読んだ時と同じ衝撃だ。

17歳で小説を書き始め、19歳のときに書いた「落ちてゆく世界」(改題して「ドミノのお告げ」)が芥川賞候補になり注目される。21歳のときに「幾度目かの最期」を書き、その原稿を編集者に渡して、その日のうちに鉄道自殺してしまう。

小説もそうだが、その人生も壮絶である。

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2023年11月 3日 (金)

グラナテック

11月1日(水)

今日は女子医大の日。眼科で診察をしてもらって、ひょっとしたら目薬を1種類減らすことができるかもしれない。

わたしは右目の眼圧が高くて、2種類の目薬をつけている。眼圧を抑える目薬はたくさんあるのだが、わたしが点けているのは、グラナテックとコソプト・ミニという2つ。ご存じの方もいるかもしれないが、眼圧の目薬をつけると睫毛が速く伸びる。なかには睫毛を伸ばすために眼圧の薬を欲しがる人もいるようだが、そういう処方の仕方はない。

わたしの場合、睫毛が伸びるだけでなく、変な方向に曲がってしまうので、逆さ睫毛になってしまうのだ。

で、今日の受診の3日前からグラナテックを止めている。眼圧が高くなければコソプト・ミニだけでいいことになる。わたしの勘なのだが、逆さ睫毛の原因はグラナテックであると睨んでいる。そうなったら嬉しいなあ。

視力検査と眼底撮影とかの検査がいつもより早く終わった。時間を見ると1時45分。2時から診察の予約が入っているのだが、診察はだいたい1時間待ちなので、あと1時間以上待つことになる。

中待合に入らず、外の椅子に座っていると、事務の人が吉岡さーんと呼ぶので、はいと返事をすると、もうすぐ呼ばれますよう。と教えてくれる。

中待合にはいるとすぐに、吉岡さーんと呼ばれる。あ、陳先生だ!

担当は内村先生のはずだが、陳先生が居るので内村先生は遠慮することになる。陳先生には逆らえないのだ。

目薬を止めるかどうかの話をする。今日の眼圧は高くないので、とりあえず止めることになる。(やったー!)

今は眼圧が12とか13なので大丈夫だが、次回の診察前に眼圧が17とか18になったらすぐに目薬を再開するように。まだ安心できないわよ。

12月に視野検査、来年の2月に診察の予約を入れる。

コソプト・ミニだけ点けて、逆さ睫毛が生えてこなかったら、逆さ睫毛の原因はグラナテックである、ということになる。瞼の手術もしなくていいことになる。

わたしはニコニコして診察室を出る。

陳「また来年ねえー」

11月2日(木)

今日は一日休み。グラナテック中止のお祝いをしよう。

蕎麦屋さんで天せいろを食べて、喫茶店でアイスコーヒー。そのあとマッサージへ。

ようやくのんびりすることができた。

また明日からがんばらなくては。

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